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エリーナ達の心配と新たに待ち構える強大な力




俺はエリーナから3つの話を聞いた後皆が待つ会議室に移動、

そこにはクリスティーナはじめ各艦の女性陣が座って待っていた、

皆真剣な顔をしている、かなり深刻な話のようだ。



俺は円状の席に座り皆の顔を見ながら・・深呼吸して声を出す!



「大体の説明はエリーナから聞いた、全軍の再編成だな、

ただ今の所問題は起きていない、なぜそれを今希望するんだ?」



俺に返答をしたのはクリスティーナだった。



「はい、全軍の再編成をお願いします、それには理由があります、

まず行動範囲が広くなったのと・・私達の立場の問題です」



「行動範囲が広くなったのはわかるが・・なぜ君達の立場が出るんだ?」



「それは・・」



クリスティーナ達の心配はこうだった。



まず天使族をはじめ強大な力を持つ種族が次々と同盟に加わった事、

特に女性が多いので自分達の立場が脅かされないか?の不安、

さらに俺の性格が・・一番怖いのだそうだ。



「俺の性格?」



「はい、コウさんはほとんど執着心が無く万人に優しい司令官です、

そのため実績が無い種族ても要所に抜擢するなどわだかまりがありません、

それは・・言い換えれば既存の私達の椅子を奪うことでもあります」



「俺はそんなつもりは全然ないんだが・・」



「コウさんにそんな気持ちが無いのはわかっています、ですが・・

結果的に見たら・・今まで貢献していた私達の立場が弱くなります、

後から来た種族に追い越されるのが怖いことも理解してください」



なるほどな・・



会社で例えると・・平社員が時間かけて頑張りやっと昇格したのに・・

後から来た社員にいきなり抜かれるような気持ちのようなものか・・

頑張って貢献しても変わらず下の立場だと不安を覚えるのは当然だろう。



「君達の気持ちは理解できた、ただ軍の再編成とどう関係があるんだ?」



「私達は確固とした地位が欲しいのです、例えば一番わかりやすいのが・・

各艦の艦長という地位です、中途半端な立場ではなく確実な地位、

それがあれば今の不安を和らげると思い提案したのです」



それでエリーナが武蔵の艦長の名を欲しがっていたのか・・



だが・・



「その気持ちはわかるが・・俺も一応前の世界で軍にいた人間だ、

俺が一番怖いのが・・上司の命が絶対だという考えが一番恐ろしい、

それは昔の戦争で・・木人形達が苦しんだことを知っているからだ」



「それはわかります、ですが私達もそれは考えています、なので・・

度を過ぎた命は無条件で拒否できる・・と決めればいいと思います」



・・・



彼女達がここまで深刻に思っていたとは・・



おそらく天使族が同盟に加わった事が相当の恐怖なんだと今は思う、

彼女達の驚異の能力を見れば・・自分達が役立たずと考えるのも当然だ、

それはどうあがいても追い越せない・・地位が欲しい気持ちもわかる。



・・・



「よしわかった!軍の再編成を行う、ただしルーム国に戻ってからだ、

各種族も悩みを抱えてるかもしれない、それを聞いてから再編成を行う、

それまでは各自今の役割をこなすこと!それでいいな?」



「はい!わかりました!」



クリスティーナ達は・・ほっとしたような顔をしていた。



解散後・・



俺は急ぎ天使族とその配下を紀伊の会議室に集めある説明をした、

それは俺達異世界人の歴史、戦争を繰り返した歴史を詳しく話した。



そして俺の見解、なぜ人間がこうまで争いを繰り返したのかを話す、

それは人間が持つ不安や執着心、欲望や依存心などが絡むが故の行動、

人間はこの本能があるので理解してもらい過剰に刺激しない行動を求めた。



この説明を聞いた天使族達は・・静かに頷いてくれた。



3日後・・・



ギルド達がアリエノールの城に着いたと連絡が入る。



大和・武蔵・信濃・紀伊の4艦は碇を上げて沖合いから動いた、

アリエノールの城からこの4隻を見たギルド達は驚きを隠せない、

特にアズミは・・写真でしか知らない4隻を見て腰を抜かしていた。



「な・・・何あれ?あんな軍艦が召喚されていたの?」



そういえば・・説明していなかったな。



大和が一度港に入りギルド達を乗せて出港、4隻は東の大陸へと戻る、

無人島だらけの海域を抜けた後4隻はフルスピードで巡航している、

ただ船に慣れていない種族も要るので休憩は頻繁にしている。



特に問題がないままいつもの無人島まで戻ってきた、今夜もここで宿泊、

良質な湧水で様々な酒とサイダーを造り各種族が美味しそうに飲んでいる、

その後は宴会!エリーナの妊娠を皆が祝福してくれた。



翌日・・



各艦は結界まで戻った、すでに6天王は全員揃っている、が・・

今回は結界は解除ぜずルーム国を視察した後に改めて検討する、

それまでは・・このままにして敵に備えることにした。



天使族の結界を抜けた後ドラゴン達の結界も見えてきた、

スカイドラゴンの部下が結界を部分解除して俺達を通してくれた、

その後各艦フルスピード、東の大陸が見えてきた。



護衛のビスマルクと阿蘇が出迎えてくれた、ティルピッツと伊吹、

それと駆逐艦ハイゴブリンは整備中らしく軍港のドックに入っている、

俺達は東の大陸の軍港に入り拠点城にいるアトラス達と再会した。



簡単な挨拶が済んだ後俺達は拠点城の傍に新たに出来たホテルに宿泊、

まるで高級ホテルのような見事な出来栄えに加え料理が段違いに美味い、

以前ルーム国に来たハイゴブリンのコックが挨拶に来てくれた。



翌日・・



ギルド達と一緒に列車に乗り東の大陸を案内した、驚くほど進化している、

まずはフレイムドラゴンのアグニの所に行き挨拶、各駅周辺は都市化している、

そこではスライムやゴブリン等の魔物も笑いながら仕事をしていた。



その後シュメールやディアーナの領地を案内、広大な畑が複数出来ていた、

そこではサトウキビや白菜、ミカンなど様々な野菜や果物が栽培されていた、

畑では子供のドラゴン達が笑いながら収穫を手伝っていた。



各駅を視察した後メディの両親像のある駅まで移動した、そこには・・



「うわ~~~すごくキレイ!」



「すごいな、満開だよ!」



「お花見したいですね!」



「そして・・ここで一杯・・うふふ!」



「お酒が目当てじゃないの?」



皆が興奮するのが・・よくわかる。



メディの両親像があるこの公園は土が総入れ替えされていて別世界、

桜をはじめ様々な花が見事に咲いていて風で花びらが舞っている、

俺は中にある像を見て・・像が微笑んでいるように見えた。



「お弁当にしましょう!」



メディ達が用意してくれたお弁当を皆が喜んで食べていた、

皆笑顔でお弁当を食べる、俺も頂いたが・・めちゃ美味かった、

お茶を飲むとき・・桜の花びらが一枚お茶の上で浮いていた。



その後ヤマダさんのいる村に移動、新たな家が複数建設されていた、

昔の藁ぶき屋根やスレート屋根、瓦と様々な屋根がありカラフルだ、

ただ・・どうして壁にアニメキャラが描かれているのだろう?



よく見ると・・?



そのアニメキャラはエリーナやクリスティーナ達をモデルにしたもの、

等身大や3頭身など様々なキャラが喜怒哀楽に描かれており皆が大興奮!



「えっ・・?これ私?」



「え~~私こんな顔して怒らないわよ~~!」



「あっ!これ可愛い!写真撮ろっと!」



女性陣が自分のアニメキャラに大興奮して写真を撮りまくっていた、

それを微笑んで見ている天使族の傍に・・村娘たちが近づき一言!




「あの~モデルになって頂けますか?」




それを聞いた天使族達が眼を輝かす!




「もちろん喜んで!!!!!!!!!!!」




天使族は様々なポーズを決める、それを見て村娘が紙に描いていく、

子供のような感じをはじめモデルや看護婦など次々に描かれていく、

さらに村娘は紙を見ながら家の壁面に天使族達を次々と描いていった。



それをスマホで撮りまくる天使族、ちなみにベアトリスも参加している、

彼女は移動中ジェニー達から顔を貰い美しく変貌していた、さらに・・

図書館に籠り俺達の事を猛勉強、スマホも支給されていた。



その頃・・



ルーム王国の鍾乳洞ドックでは・・



祖父木人形と祖母木・・いやナターシャが新造艦を見ていた。



「すごい艦だな、これがもしあの大戦で実現していれば・・」



「ええそうね、でも異世界ここだからこれが生きるのよ!」



「そうだな、すごく期待しているよ・・」



2人の目線の先には・・



新たなる巨大な力が・・・



出陣の時を待ち構えていた!















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