首都への道のりと突然出てきた同盟のしきたり
俺達は首都にあるギルドの事務所に向かって移動している、、
最初は大和か武蔵、紀伊か信濃で港から行こうかと思っていたが・・
・・・
即却下された。
というのも・・
いきなり巨大な戦艦が港に来たら民衆がパニックになるそうだ、
特に今はベアトリスが・・形式上は追放されているので敵はいない、
やっと訪れた平穏な所に突然謎の巨大戦艦が来たら・・・
・・・
うん!やめておこう!
ちなみに垂直戦闘機やヘリかで行こうと思ったがこれも却下された、
理由は上記とほぼ同じ、さらに騒音で民衆がパニックになるそうだ。
・・・
と・・いうわけで・・
俺達はギルドが用意してくれた馬車でのんびり首都に向かっている、
陸路で移動するのは・・ルーム王国に召喚された時以来かな?
時速15km程度のスピードなので・・とても遅い。
おまけに・・
「でね~、ベアトリスに会ったらこうするのよ~!」
「そうね、そうすれば逃げられないわ・・うふふ・・」
「でもベアトリスは攻撃魔法が得意だからね・・」
「それは大丈夫よ、ソニアさんから氷の盾貰ったわ」
「なら大丈夫ね、攻撃弾いたらすぐに捕まえるのよ!」
「うふふ・・・」
「うふふふふ・・・」
・・・
空を飛べるのに・・なぜか俺と馬車に乗っているレティシア達、
馬車は10人乗りが2台、一台はギルド達が先導兼ねて乗っている、
俺は天使族達と後ろの馬車に乗って移動している。
乗っているのは俺コウとレティシア・アヤカ・サマンヌ・アリーゼ、
アリエノール、ショウコ、護衛のタケシとショウとレイミの10人、
デーヴィドやサユミ、ソネットたちは武蔵と信濃に戻り待機している。
相変わらずエリーナ達は大和に引き籠り・・引き籠るでいいのかな?
俺やデーヴィドには一切説明が無いのでなにをしてるのかは不明だ、
ただ相当深刻な問題らしくクリスティーナ達まで大和に籠っている。
・・・
総司令官として心配なので・・の前に釘を刺された!
「今回は女性に関しての深刻な問題なのよ、信じてほっといて!」
・・・
当分信じてほっとくことにした。
俺の最優先はギルドとの貿易開拓とベアトリスの捕獲だからな、
同盟仲間の天使族の配下達・・具体的にはハーピー等の魔物たち、
相当ひどい目にあったそうで捕獲してほしいと熱望されている。
そのハーピー達も今は信濃の甲板で待機・・簡易運動会をしている、
紅白に分かれ玉入れやリレーなどを木人形と一緒に楽しんでいる、
参加者にはもれなくキャンディを進呈、皆気合いを入れ楽しんでいる。
・・・
ケガには気をつけてくれ!
魔法で治すから心配するな?
・・・
お任せします!
馬車の中ではレティシア達はお喋り、タケシ達は読書をしている、
ちなみにタケシが読んでるのは漫画の「紅●牙」や「魁!●塾」、
ショウは「から●りサーカス」、レイミは「スケ●ン刑事」。
それらを自分の収納魔法で取り出しては読みまた収納している、
時々涙を流したり笑ったりと喜怒哀楽しながら漫画を読んでいる。
・・・
俺は馬車の中で孤立していたので・・
スマホの1人用チェスゲームで気を紛らわしていた。
ちなみにレベル7まであって5までは無敗で勝ち進んだが・・
レベル6からアヤカが乱入してきて俺をボコボコに叩きのめした、
その後対戦形式となり俺は天使族全員にチェスで叩きのめされた。
・・・
満面の笑顔の天使族達を見て・・怒りを覚える俺だった。
それはさておき・・
馬車は首都の入口に到着、簡単なチェックを受けた後中に入る、
中世ヨーロッパの有名都市を混ぜたような雰囲気の中馬車は進む、
ちなみに自動車やバイク等は無い、荷車と馬車が主な移動手段らしい。
街の雰囲気は落ち着いていて所々催しが開催され賑やかな声が聞こえる、
様々な野菜や洋服、鍋やフライパンなど家庭用品が所狭しと並んでいる、
それらを様々な種族が金銀銅貨を使い買い物をしていた。
街の中心部にはコロッセオや美術館、デパートらしき建物等が複数ある、
どうやら貴族など上級階級専用のようで周辺には大勢の警備兵がいた、
入店する客のチェックをしているようで下級・犯罪市民は中に入れない。
俺達は街の中心部から少し離れた所にあるギルドの事務所に到着した、
建物は大きく・・なぜか俺達の世界で見慣れたビルのような建物だ、
中には各地の冒険者が大勢いて依頼の手続き等で賑わっていた。
俺達は幹部専用の入り口から中に入り・・なんとエレベーターがある、
それに乗り最上階に到着、窓からは首都が一望できる見事な光景だ、
俺が関心していると・・復活したアズミが横に来て偉そうに語る!
「どう?すごいでしょう?この建物私が設計したのよ!」
「えっ?そうなのか?」
「そうよ!私大学を卒業して一流建築企業の設計士をしてたのよ!
ビックプロジェクトの設計を任されていた矢先召喚されたの・・、
おかげで人生狂いまくりだわ!どうしてくれるのよ~~!!!」
俺達も無理やり召喚されたんだけど・・
怒り狂うアズミが俺に八つ当たり・・を途中で止めた、
アズミの後ろではレティシア達が縄を持って笑っているからだ。
「し・・失礼しました!どうぞこちらへ、ベアトリス様がお待ちです」
アズミが俺達を来賓室に招く、中にはのっぺらぼうの天使族が1人いた、
ただ・・なぜか痩せており覇気も感じない・・
?
「君が・・ベアトリスなのか?」
「はい!私があなた達の言うベアトリスです・・」
・・・
アリエノール達も驚いている・・
「嘘~~?あなたあれだけ健康的な身体していたのに~~?」
「まるで別人だわ?」
「いっ・・一体なにがあったの?」
「あんたお金なら一杯持ってるでしょ?なによその痩せた身体?」
「そ・・そういえばあんた部下たちはどうしたのよ?」
・・・
ベアトリスが静かに語り出す。
「そうね、確かにお金はあるけど・・何も買えないし使えないのよ・・」
「えっ?なんで?」
「街にたくさんいた警備員覚えてる?」
「えっ?ええ・・すごい数がいたわね・・」
「警備兵が増えたおかげで私お店に行けなくなったのよ・・
今迄は裏口から入っていたんだけどそこも警備兵だらけなの、
おかげで買い物ができなくなってね、お金じゃお腹満たせないの」
「な・・何言ってるのかわからないわ!きちんと説明して!」
話を要約すると・・
ベアトリスとその部下達は追放されたフリをして首都に隠れていた、
レティシア達が食糧探しに出た後税の徴収員に変装して税金を横領、
それで豪遊生活を送るつもりでいたが・・
今迄と違い追放された身だから・・表だっての贅沢は出来ずにいた、
それとバレたら困るので税金の横領額は抑え目にしていたので・・
ベアトリスは部下にはほとんど金を分け与えず自分の懐に入れていた。
当然ながら・・部下達はそれに怒り狂う!
さらに要人たちを脅していたので・・こちらも当然怒り狂う!
ある日部下と要人たちは極秘に話し合い同盟を結びベアトリスを裏切る、
だが自分達よりはるかに強い6天王に戦いを挑むのは得策ではないと考える、
そこで取った方法は・・犯罪市民を取り締まる警備員を増やすことだった。
部下がいなくなったベアトリスは自分で買い物に行くのも困難になった、
魔法で変身しても警備員たちはすぐ見破るので外にも出れなくなった、
そのため挨拶に来たギルドのティーグルに買い物を頼む有様だった。
決定的だったのは・・
俺達とアリエノール達の戦いを隠れて見ていて・・震えていたそうだ、
まともに戦って勝てる相手ではないと悟り首都から逃げようとも考えた、
だが・・もうどこにも行く当てが無く四面楚歌状態だった。
絶望に震えていた時・・ティーグルが俺達からの手土産と手紙を持ってきた、
手土産のお菓子等には感激したが・・手紙の内容には怒ったらしい・・
だが・・もう戦う力は無いので俺達と話し合うことしか道がなかった。
そして・・彼女は今俺達の目の前にいる。
「私はあなた達と戦う気はありません、どうか命だけは・・」
「ベアトリスさん、私達はあなたと戦う気はありません、ただ・・
貴方が苦しめた同盟仲間の配下達の希望で動いています、そのため・・
配下達に謝罪して頂けたらありがたいのですが・・」
「その前に質問させてもらっていいですか?」
「なんでしょう?」
「コウさん・・あなた達はどうしてアヤカ達を殺さないのですか?
あなた達の武力ならアヤカ達を全滅させることは容易かったはずです、
でもだれも死んでいない・・どういうおつもりなんですか?」
「俺・・いや私達は天使族やその配下達を死なせたくないからです、
我らが望むのは支配でも殺戮でもなく皆が笑って過ごせる共存です、
確かに最初は戦いましたが・・今は掛け替えのない大切な仲間ですよ」
「それは・・こんな私も・・そう見てもらえるのですか?」
「もちろんです」
「でも私は・・今まで配下達にひどい扱いをしているので・・」
「確かにそれはあるでしょう、他の天使族の方も酷い扱いをしていました、
今はそれを悔いて出来る償いをしています、当然我々も出来る手伝いはします」
「どうして・・そこまでされるのですか?」
「簡単な事です、大切な同盟仲間と共に生きていきたいからです」
「私も・・同盟仲間として見てもらえるのですか?」
「それはもち・・モガモガ・・」
俺はなぜかアヤカに口を塞がれ・・俺の膝にアリエノールが座る!
「ベアトリス!あなたは私たちと同盟関係を結びたいの?」
「えっ・・それはもちろん・・」
「それなら同盟仲間になるための「しきたり」を受ける気はある?」
しきたり?
そんなものはない・・・モガモガ・・
俺の顔はサマンヌとアリーゼの胸に押しつぶされ言葉が出なかった。
「アリエノール!そのしきたりを受ければ私も仲間になれるの?」
「ええもちろん、でも相当過酷よ?あなたに耐えられるかしら?」
「やる・・やるわ!だって私にはそれしか道がないんだから!」
「そう・・わかったわ!」
アリエノール達は不気味に笑い・・隣の部屋に移動した。
別室に今までベアトリスに苛められた配下や要人の代表を集め・・
それらはのぞき穴で部屋の様子を見れるようにしてある・・
そしてアリエノール達はベアトリスに目隠しをする。
「覚悟はいい?始めるわよ!」
「い・・いいわよ!」
「では遠慮なく・・うふふふふふ・・」
・・・
・・・
「あっ・・アァァァァァァァァァァァ~~~!!!」
「い・・嫌・・なにこの縛り・・やめて・・」
「はぁ・・はぁ・はぁ・・・」
「縄を引っ張るのはやめ・・回転させないで!」
「うっ・・痒い・・何を塗ったのよ~~?」
・・・
ベアトリスは「超」亀甲縛りの餌食となり・・
「ハレハレハレ~~」
俺はサマンヌ達の胸とお尻攻撃で撃沈していた。
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