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重巡最上の危機




ガルーダの中に色が異なり一回り大きな個体がいる。



「あれが上級ガルーダよ!」



エリーナは冷静にガルーダを指さしたかに見えたが・・歯ぎしり、

大切にしてくれた人々を殺されたことが余程悔しかったんだろう、

唇を噛み悔し涙をにじませながら命令を出す!



「全主砲あのガルーダを集中攻撃するのよ!」



エリーナにも各軍艦の指揮権を許可しているので皆それに従う。



「ドコーン・・・・・・」



武蔵の3番主砲弾が上級ガルーダの脇腹をえぐるように貫通する、

さらに重巡最上の20.3cm主砲が放たれガルーダの頭に直撃、

上級ガルーダは雄叫びを挙げる間もなく海に落ち息絶えた。



「よくも我らの同胞を!貴様ら許さん!覚悟しろ!」



頭の中にガルーダの声が入ってきた、上級魔族は話せるのか?

次の瞬間左右にいる別の上級ガルーダが何やら唱えている、

すると左右から巨大なイカの化け物が現れた。



「召喚魔法よ!」



魔物も召喚魔法が使えるのか?



「上級クラスになるとほとんどが使えるのよ」



巨大なイカを見て俺は正直驚きと不安な気持ちになった。



が?



それを予期していたように矢矧と島風が左右に急展開、

足早の2隻はイカの化け物の死角に素早く回り込み魚雷を発射、

特殊な魔法魚雷を直撃されたイカの化け物は跡形もなく砕け散った。



なるほど!



お祖父さんはこのために足早の軽巡洋艦と駆逐艦を用意したのか、

おかげで助かった、あれが絡みついたら武蔵でも脱出は難しいだろう。



だが・・



左右の護衛が離れた重巡最上に向かって上級ガルーダたちが魔法攻撃、

巨大な火の玉が最上に襲い掛かったが魔法の盾がそれを跳ね返す、

上級ガルーダはこれでもかと最上を集中攻撃、魔法の盾の限界を超えた。



「ズカーン!」



最上が大炎上を起こす、魔法の盾の一部が貫通され主砲2門が吹き飛んだ、

俺の頭の中に最上の木人形たちの悲鳴が響いてくる。



「急いで消火しろ!結界室は絶対守り抜くんだ!」



「あっ・熱い・身体が燃える・・助けてくれ~~」



「嫌だ!沈みたくない!!もう寒い暗闇に戻りたくない~」



「お母さん~~~!」



「焼ける・焼けるよぅ~~」



それを遮るように最上の艦長からの声が頭に響く。



「総司令官殿、我らに構わず魔物を叩いて下され!」



最上は速度を落としほぼ止まった状態で対空砲火を続ける、

魔物たちはここぞとばかりに集まって最上に攻撃を向ける、

すると?最上から光の球が放出された。



その光の球の中に眠った少女たちがいる、方向はルーム王国だ!



「魔物を道連れに自爆する気よ!」



最上は魔物たちの集中砲火を受け各部で火災が発生している、

異変を察知した矢矧と島風が急ぎ最上の元に向かうが距離が遠い、

今最上に一番近いのは・・この武蔵だ!



「武蔵全速前進!最上の前に向かえ!」



俺とエリーナは同時に指示を出す、武蔵は全速力で前に向かう、

俺は間にあってくれと祈りながら武蔵は最上の元に向かう。



・・・


・・・


・・・



最上艦長や幹部木人形が艦橋で自爆呪文を唱えながら話してた。



「もう少しこの世界で楽しみたかったですね」



「ああせっかく生き返ったのにな」



「体は木人形ですよ?」



「死んだ身で贅沢は言えんじゃろう」



「ははは・・・」



木人形たちが呪文を唱え終えようとしたその時!



「ズシーン・・」



最上が大きく揺れた、驚いた木人形たちは呪文を中断し外を見た!




その正面には・・




最上の前を塞ぐかのように横付けした武蔵がいた!



「全砲門開け!ガルーダたちを蹴散らせ!」



武蔵の全砲門が一斉に火を噴きガルーダたちを蹴散らした。



その時!



巨大な光の球が飛んできた、直撃コースだ!



「全主砲魔法弾撃て!あの光の球を打ち砕け!」



「1・2番副砲発射!光の球の先にいるガルーダを狙うのよ!」



武蔵の魔法弾は光の球を打ち砕いたが大量の破片が飛んできた、

破片でも威力が桁違いで魔法の盾が複数枚飛び散り本体を傷つけた、

エリーナが指示した副砲弾は謎のガルーダに直撃したが・・



何もないかのようにこちらを睨みつける特級ガルーダがいた。























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