ソネットの誘惑目線とギルドとの接触手配
天使族は亀甲縛り講習が済んだ後に一度自身の領地に戻った、
ギルドとの接触を図るには自身の領地の方が都合がいいそうだ、
俺は彼女達を武蔵の船首から見送りながら・・考え事をしていた。
というのも・・
ギルド達は異世界人の集まりだと聞いた、なら俺達の世界もいるだろう、
今俺達がいる異世界は甘いものが超貴重もあり各種族が欲しがっている、
ならギルドも当然甘い物を使って・・なぜかいるソネットが首を横に振る。
「ギルドも甘い物を欲しがってます、どうかしたら私達以上に・・」
「それは・・どういうことだ?」
「前の世界の味を知っているがためにその欲望は半端ないのです、
ですが北東の大陸は大噴火の影響でほぼ全土が溶岩で覆われています、
それに加え日照時間が短い地域なので植物が育ちにくいのです」
「そういえば・・現地の動植物が絶滅したと言ってたな・・」
「はい、そのために甘い物・・砂糖というのでしょうか?」
「ああそうだ、俺達の世界ではサトウキビとてん菜から作られる、
これらの植物は太陽の光で光合成を行い糖分を蓄えるんだ、ただ・・
召喚された俺達の場合は木人形達の植物魔法で一瞬で育つけどな」
「今仰られた植物はこの世界には本来存在しない植物です、それと・・
他にも苺やブドウ等の柑橘系の甘味も同じくこの世界に存在しません、
その植物を意のままに育てることが出来るあなた達は超貴重な存在・・」
「ギルドからしてみたら・・俺達との貿易を強く望んでいると?」
「コウさん達の詳細を知ったらベアトリス様など木端当然でしょう、
おそらく血相変えて私達との貿易を強く望んでくるはずです、なので・・
それらの仲介は私達天使族にお任せいただけるとありがたいです」
「それは構わないが・・」
・・・
彼女達は俺達の能力を絶賛しているが・・
俺達から見たら・・天使族達の方が優秀で万能にしか見えない、
日本語と英語もすぐ覚えたし音楽等は一度聞けばほぼ完璧に歌える、
銃やスマホ、チェスやトランプなども難なく理解して遊んでいる。
各艦の図書室にある俺達の歴史や文化などの書籍も読破している、
おまけに漫画に関しては何千冊とあるのにほぼ全部把握してる、
さらにサッカーやバスケなどスポーツのルールもすぐに覚えている。
あらゆる魔法も使えるし・・
そして何よりも・・美しい!
もし俺のいた世界に彼女達を連れて帰ったら大パニックだ、
世界の富豪たちが競って結婚を申し出るのは容易に想像がつく、
ただ料理等の技術系に関しては学ぼうとしない、なぜなんだろう?
「それは・・木人形さんたちの料理が絶品だからですよ!」
このように・・俺の考えてることを見抜く能力には驚かされる。
「私達は寿命が長いので退屈しないようあらゆる知識を吸収できます、
でも知識系に関しては自信があるのですが技術系はとても難しいのです」
「それはどうしてだ?時間があるのなら技術も体得できるだろう?」
「それが・・私達は目立ちたがり屋なので閉じこもりは苦手です、
常に華やかさを求めるので裏方に見える技術系は敬遠しがちです、
それとじっとするのが嫌なので技術系の作業は性に合いません」
なるほど・・
「それと・・じっとしてると敵の奇襲を受けそうで怖いんです」
「それは・・よくわからないんだが・・?」
「私達は今までは制圧する側、だけどこの白の大陸で負けたら・・
奴隷に堕ちるので常に緊張の連続の中戦いを繰り返していました。
寿命が長いが故に負けると自由を奪われもがき苦しむのが怖いのです」
「そうだったのか・・」
「ですが・・」
「コウさん達との同盟で肩の荷が下りたような気がするんです、
今迄は自分達とその配下達さえよければいいと疑いませんでした、
でも・・コウさん達と戦ってそれは間違いだと気づきました」
「正直生贄にされた時私達死を覚悟しました、でも誰も死んでいません、
コウさん達が敵である私達まで助けてくれたことには感激しました、
心の底から感謝しています、本当にありがとうございました!」
そう言ってもらえると嬉しいな・・
「自分達が背負っていた恐怖から・・やっと解放された気がするんです、
今が楽しくて仕方ありません、このままずっとみんなと笑っていたいです」
「ああそうだな、皆がそうなるように頑張ろう!」
「はい!」
・・・
・・・
「ソネット・・」
「はい・・?」
「君は・・なぜ屈んで俺の下半身を凝視するんだ?」
「あとは・・コウさんとの子供が欲しいなぁ~と・・」
・・・
ソネットは誘惑の目線で舌打ちしながら俺の下半身を見ている・・
・・・
見ている・・・
・・・
その・・いやらしい目線はやめてくれ・・
興奮するから・・・
「うふふ・・いいんですよ・・ここでも・・」
・・・
何とも言えない空気を・・振り払ってくれる救世主を求む!
・・・
「何してるんですか?」
オォォォォ!!
振り向くと・・なぜかソネットを睨んでいるサユミがいた!
「抜け駆けは許しませんよ!私もコウさんとの子供が欲しいのですから!」
・・・
サユミさん・・火に油を注ぐ言動はやめてください!
ソネットとサユミは・・睨みあう・・
睨みあう・・
・・・
何故かお互い満面の笑顔で固い握手をしている。
「これからもよろしくね!」
「こちらこそ!さあ行きましょう!」
2人は笑顔で手を繋いで転移魔法で信濃の艦橋に移動していった。
・・・
何なんだ?
・・・
女性はよくわからん!
俺は船首から移動して武蔵の会議室を通り艦長室に移動した、
椅子に座って・・ジェニー達がお茶とプリンを持ってきてくれた、
彼女達にお礼を言い早速一口・・・
・・・
俺の目の前には・・
「早くプリンを口に!この体勢は疲れるんですから!」
俺のプリンを大口開けて待っている天使族のショウコがいた!
・・・
俺は無視して食べようと・・ショウコが飛びついてきて俺を押し倒す、
すかさず俺の手からプリンを奪い取り・・あっという間に完食した!
「うん!美味しかった!私の為にありがとうございます」
・・・
奪っておいて何を言うか!
俺は起き上がりお茶を・・ショウコがしっかり飲んでいる、
ジェニー達がやれやれと追加のお茶とプリンを用意してくれた!
ありがとう
が・・
俺の目の前にはお茶だけでプリンは2つともショウコが奪い取る、
満面の笑顔で2つのプリンを両手でスプーンを操り交互に食べていた、
俺はお茶を飲みながら・・プリンを横取りしたショウコを睨んでいた。
「そんな怖い顔しないでください、今夜お相手しますから」
それは断る!!!
「コウさんって性欲無いのですか?もしかしてイ●ポとか?」
・・・
俺はショウコを少し強めの脳天グリグリゲンコツの刑に処した。
「痛った~い!」
「俺は所帯持ちだ!妻がいるんだから当然だろう!」
「そうなんですか?でも3人も100人も同じだと思いますが?」
「そういう問題じゃない、俺は結婚式を挙げた女性しか相手にしない」
「それなら今すぐ私と結婚してください!」
「簡単に言うな!結婚とはお互いが知り合って・・って聞けよ!」
ショウコは大あくびをしながら俺の熱弁をスルーしていた。
「コウさんは深く考えすぎです、もっと本能のまま動いてください、
まあ・・それがコウさんの良さなんですけどね、まあいいです、
本題に入りましょう!ギルドとの接触の事なんですが・・」
「何か問題でもあるのか?」
「はい!ギルドは代表者が6人います、誰からお会いしますか?」
6人?
「なんで代表が6人もいるんだ?」
「天使族に合わせているんです、代表が一人だと順番が出来ます、
例えばアヤカさんの後にアリーゼさんの所に伺うと・・どうなります?」
「それは・・アリーゼがアヤカより優先順位が下に見えるかもな」
「そういう事です、そのためギルドには代表者が6人いて同時に訪問します、
そうすれば天使族に対して公平な付き合いを望んでいるとアピールできます、
今の流れだとコウさんは6人と個々に会う必要があります」
それは面倒だな・・
・・・
!
「ショウコ!その6人を同時に招待できないか?出来ればこの武蔵にだ!
そうすれば全員の顔を把握できる、それと順番差別を無くすためだ」
「呼ぶことは可能ですが・・集合場所はこの4艦以外の方がいいかと・・」
「どうしてだ?」
「今はギルドにこの4隻は見せない方がいいと思います、なぜなら・・
彼ら彼女達は異世界人です、私達の知らない能力があるかもしれません、
もしこの4隻を何らかの形で乗っ取られたら・・わかりますよね?」
「ああ・・よくわかった、さすがショウコだ!頼りにしてるぞ!」
「なら・・」
ショウコはキスを求めてきたが・・俺は隠していたキャンディを口に入れた、
ショウコは不満そうな顔をしていたが・・キャンディはしっかり食べていた。
翌日・・
ギルドの代表者5人が4隻の現在地から一番近いアリエノールの城、
ここに集まることが決まった!俺はアリエノールに光のハンマーを進呈、
他がはぶてていたので同じハンマーを造り与えたら満面の笑みをしていた。
アリエノールの城の中では・・
俺達を始め天使族幹部が横並びに座る、ギルド達も対面に横並びに座る。
その中には・・・
・・・
見た事のある・・嫌な顔が一人いた。




