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通貨の出現と若者たちの切実な訴え




俺達は罠の島を離れアリエノールの拠点城を占拠した、

4隻は近くの港に停泊・・小さいので一艦が限度だった、

残りの3隻は仕方ないので沖合いで碇を降ろし停泊している。



城に入ると・・



・・・



ド派手な剣や鎧、盾や兜などの武器防具が所狭しと並んでいた、

さらに宝石や絵画や銅像など高級品が山ほど展示してある、

カーテンや寝具なども宝石だらけで贅の限りを尽くしていた。



反面・・



城の城下町や配下の魔物達の住処等はボロボロだった、

子供達は痩せ細り店は寂れ皆疲れ果てていた、が・・

一部の店だけは大繁盛していて笑いが止まらないようだ。



おそらくアリエノールのお気に入りだけ優遇されているようだ、

それらは利益を独占して大儲けしているとサマンヌから聞いた。



・・・



大儲け?



という事は・・通貨があるのか?



「はい、アリエノールの領地と首都では通貨で取引をします」



俺の疑問に答えてくれたのはアリーゼだった。



どうやらこの辺りから通貨が出回っているようだ、

アヤカに聞いた話だと・・自分達は通貨を使わないらしい、

根こそぎ取るから通貨は必要なかったと自慢していた。



・・・



以降弱い者いじめはやめるように!



アヤカ達は赤面しながら頷いていた。



それにしても・・通貨か・・



俺達は今まで通貨を検討したことはあったが見送っていた、

理由は貧困が出来やすいことと不平等が生じる事が多いからだ、

例えば警備などを金で他に押し付け誤魔化すこともあるだろう。



一部の種族から通貨を導入する案も出たが・・その時も見送った、

俺の住んでた世界を例に貧困層の・・特に子供の悲惨さを伝えた、

それを聞いた一部の種族も時期早々としこの時は理解してくれた。



ただメリットもある、一番わかりやすい報酬と褒美になるからだ、

これがあるから高級品も買えるし次への奮起も起こりやすい、

使い方次第では新たな産業や製品の架け橋となるだろう。



落ち着いたら・・再度検討しよう。



アリエノールの城には山ほど金貨、銀貨、銅貨が倉庫にあった、

どうやら通貨はこの3種類だけのようで大きさは全部500円玉位、

日本円で例えると金貨は1万円、銀貨は1000円、銅貨は100円位。



銅貨で買えるのがパンや古着等、銀貨だと新品の鍋や鎌等、金貨だと・・

新品の服や鎧や盾などが買えるそうだ。



・・・



端数の時はどうするのだろう?



これについては戦闘隊長が説明してくれた。



「端数に関しては・・価値の低い物品を追加・削除します、

例えば少し足りない場合はパンを半分にして付け加えます、

逆に多い時はその分労働などをして帳尻合わせしています」



なるほど・・



わかりやすい説明をありがとう!



「どういたしまして!」



俺は戦闘隊長に礼を・・なんか言いにくいので本名を尋ね・・



・・・



天使族の名前は・・俺には理解できなかった。



「コウ様、あの・・お願いがあるんですが・・」



「なんだい?」



「私達の顔もアヤカ様やサマンヌ様たちのように美しく・・」



・・・



すっかり慣れたので忘れていたが彼女たちものっぺらぼうだ、

一度艦に戻りジェニー達を集め好きな顔を組み合わせさせた、

ただ戦闘隊長に関しては・・俺がリクエストを頼んだ。



というのも・・



戦闘隊長の容姿は昔従姉の家で見ていた漫画の登場人物に似ていた、

その漫画は「紅●牙シリーズ」のソネットという敵の組織の女性だ、

美しい長髪とどこか孤独を感じる姿が似ておりダメもとで頼んでみた。



すると・・



「えっ?ソネットですか?素敵な名前ですね!是非使わせてください!」



・・・



あっさり採用され・・



戦闘隊長は顔も漫画を超える美しい容姿になって感激していた。



「ありがとうございます!私の事はソネットとお呼びください!」



喜んでもらえてなにより



ついでに木人形達がその漫画を描いておりそれをソネットに見せた、

ソネットは感激の涙を流しながら・・図書室に何度も通ったそうだ。



・・・



ソネットの事はしばらく放置しておいた。



さて・・



俺は各艦の幹部を城の会議室に集め今後を話し合うことにした、

まずアリエノールの城にある贅沢品と大量の通貨に関してだが・・



相談の結果・・一切手をつけずにそのまま保存することにした。



というのも・・



アリエノール達は捕らえたが今後俺達の同盟に加わるかもしれない、

同盟仲間の財産を勝手に獲るのは筋が通らないとして見送った。



それと・・城の財産を奪うと民衆は俺達を盗賊として見るかもしれない、

それは避けたいので城は一切手をつけないよう各種族に厳命した。



次に戦闘・・いやソネットたちに今後どうするかを聞いた。



「私達もぜひあなた達の同盟仲間に加えてください!」



即決で決まった!



ソネットたちはサユミやジェニー達から俺達の考えを聞いていた、

さらに命を助けてもらい美味しい食事やおやつなども配給してくれる、

自分達を大切な存在と見てくれる俺達の申し出を断る理由はなかった。



次に配下の魔物達に関しての相談、配下達も俺達の同盟を希望している、

ただ自分達は対価となる物がないので身を捧げると言ってきたが断った、

俺達は対等な共存が目的なので対価は出来る労働で構わないと伝えた。



すると・・



「ありがとうございます、ぜひ我々も同盟に加えてください!」



配下の魔物達とも同盟が成立した。



すぐに4隻に積んである非常食を民衆達に与え配るように指示、

飢えた民衆たちは予期せぬ食糧配給に感激し涙を流していた、

当面は配給で凌ぎ木人形達が空き地に野菜や果物の種を植えた。



そして成長魔法を展開、幸いアリエノールの領地は土が肥えていた、

すぐに植物が育ち収穫、民衆たちは大喜びで食糧を手に入れていた。



ちなみにアヤカやサマンヌ達の領地でも同様の処理をしておいた、

民衆は大喜びで食糧を収穫し飢えを凌げていた。




あとはアリエノール達だが・・




「うっ・・うう・・」


 

「新 」亀甲縛りを超える「超」亀甲縛りで悶えていた、

この縛りは一部を電動化して恥ずかしい所に刺激を与え続ける、

さらに回転や前後の動きまで行い縄は防水処理までされている。



「あっ・・ああ~~!!!」



レティシア達が電動ボタンを「強」にする、回転と振動がアップ、

縄には要所に突起物が追加されていてさらに刺激を与えまくる、

涙を流しながらアリエノール達が悶えまくっている。



「アァァァァァァァァ・・」



悶えが絶頂期に達しアリエノールは痙攣を起こし震えていた、

気の毒な気もするが・・若者達を生贄にしたり配下も特攻させた、

さらに民衆を苦しめていたのでほとんどの配下は続行を希望した。



だが・・



「お願いです!アリエノール様たちを許してください!」



膝を付き懇願したのは・・生贄にされたソネットたちだ、

これにはアリエノール達も驚き・・配下達も驚愕していた。



「確かにアリエノール様たちの行いは許されるものではありません、

ですが・・小さい頃からの憧れだった方々の苦しむ姿は・・

哀れな姿はもう見たくありません、どうかお願いします!」



これを聞いたレティシア達は・・すぐに電動ボタンを止めた。



ソネットたちは涙を流し・・土下座までしてアリエノール達を庇う、

その姿を見たアリエノール達は・・感激と後悔の涙を流している、

殺されても文句は言えない自分達を若者が庇ってくれている・・



俺はレティシア達に指示、縄を解くように求めた。



レティシア達も・・若者の切実な言葉は無視できず縄を解いた、

縄が解けたアリエノールは・・



「ごめんなさい・・ごめんなさい・・」



膝を付き自分の誤った行動を後悔しながら・・ただ詫びていた、

部下の天使族も同じように膝を付き・・涙を流しながら詫びていた。



俺はアリエノールに伝える。



「君達を許す気はなかったが・・若者達に免じて眼をつぶる、

今から解放するから好きな所に行くがいい、ただ次に・・

敵となれば容赦はしない、それだけは覚えておけ!」



・・・



ジェニー達がドアを開けアリエノール達を外に・・は出なかった。



「お願いします、我々を奴隷として配下に収めてください!」



膝を付き懇願するアリエノール達、だが俺は即座に断った!



「何か勘違いしているようだな、俺達は君達を支配はしない、

俺達が求めるのは・・対等で公平な同盟だ、当然君達ともだ、

奴隷としては断るが・・同盟仲間としてなら歓迎する!」



その言葉を聞いたアリエノール達は・・涙が止まらない。



「こんな・・我々とでもいいのですか?」



「当然だ!今の君達なら今迄の行いを悔い改めてくれると信じている、

大切な仲間を無下にはしたくない、それは信じてほしい・・」



アリエノール達は頷き・・



ジェニー達が用意した椅子に座ってもらった。



「総司令官コウが願います、ぜひとも同盟に加わってください、

そして今までの行いを正し皆が笑える世界を共に構築しましょう、

当然我々も全力で支援します、宜しくお願いします!」



俺は頭を下げ・・



アリエノールも頭を下げ・・右手をだし握手を求めた。



俺も右手を出して・・アリエノールと深い握手をした。



「ありがとうございます、宜しくお願いします」



これで俺達はアリエノール達との同盟が成立した。



アリエノールは・・



「ありがとう、あなたのおかげよ・・」



ソネットを力強く抱きしめていた。

















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