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武蔵『改』の出撃!



部屋の隅で籠り愚痴ってる祖父木人形を皆無視して会議が続く、

その代わりに祖母木人形が注意点をひたすら板に書いていた。



「まず旗艦を決める必要があります」



旗艦とは・・要するに大将艦だろう。



「現時点旗艦となれる艦は大和・武蔵など戦艦だけです」



「どうしてですか?」



「単純に単体の攻撃力で決まります」



「昔は巡洋艦も旗艦だった時もあったらしいけど?」



「その辺は突っ込まないように!」



「はい・・・」



「話を続けます!旗艦にはコウかデーヴィドが必ず乗る必要があります、

私たちはまだ各艦の改造があるのでこの島から出られません」



「旗艦に俺たちが乗る必要があるのはなぜですか?」



「あなた達を根本としてこの世界に魂を召喚させたので皆あなた達に従います、

大量の魂に遠近問わず指示・命令できるのはあなた達2人だけだからです」



「お祖母さん、他の人間では無理なのか?」



「ある程度の数ならあなた達が認可した人間なら可能です、

例えば最上に乗る木人形たちの範囲ならあちらの女性達に・・

指示命令の許可を与えれば単独で行動できます」



「ただ全指揮権はあなた達2人だけなので命令の上書きも出来ます、

彼女たちが何らかの形で命令出来ない時はあなた達が命令できます、

具体的には「突き進め」を「引き返せ」に替えることが出来ます」



「わかった」



俺たちはさらに会議を続け、今後の方向性を深く話し合った、

その結果まず先行出撃する武蔵を旗艦として俺コウが乗り込む、

その後大和を旗艦とした後続部隊にデーヴィドが乗り込む。



「待って!私たちも連れて行って!」



「お願いします、私も一緒に戦わせてください!」



エリーナとクリスティーナが大声で訴える、

俺たちは危険だと拒否したが彼女たちは譲らない。



「あなた達を召喚させたのは私たちよ、一緒に戦う義務があるわ」



・・・



「了解、エリーナは武蔵に、クリスティーナは大和に乗ってくれ」



「わかったわ」



「わかりました」



国王と重鎮たちには引き続き兵士たちの治癒魔法をお願いした、

それと後続艦隊に乗る人員の補充もお願いしておいた。



「すまない、力になれなくて」



「まずは生き残りましょう、後のことはそれからです」



俺たちは出撃を待つ武蔵・最上・矢矧・島風の元に向かう、

驚いた事に各部自動化されていて最新の兵器に改造されていた。



「孫よ!この軍艦たちは近代兵器よりも強力だぞ!」



いつのまにか祖父木人形が軍艦の前で板を掲げていた。

祖父木人形は各艦の共通装備の説明をしてくれた。



まず各艦の砲門はほとんど自動化され状況に応じて魔物を攻撃する、

弾は通常弾の他に魔法弾、拡散弾と状況に応じて選択できる、

魔法弾に関しては相手の魔法を相殺出来る優れものだ。



他にも水中の魔物等を攻撃できる通常・魔法魚雷を各艦標準装備、

白兵戦にも対応できるよう木人形には魔法剣と機関銃も持たせてある。



さらに・・



スマホの技術を応用した魔法レーダは遠くの魔物を瞬時に把握できる、

通信も念ずるだけで各艦との会話が可能、魔法攻撃にも対応、

各部に埋め込んだ魔法の盾で特級魔物の攻撃にも耐えられるそうだ。



「じゃが特級魔物の魔法は強力だ、3発以上被弾すると危ないぞ」



祖父木人形がそう書いた板を掲げ注意してくれた。



まだまだ説明したい様子だったが、時間が無いので省略した。



「孫よ、気をつけてな」



「ありがとうお祖父ちゃん!」



俺たちは急ぎ各軍艦の前に走った。



まずは少女たちを5人一組として最上・矢矧・島風の乗り込ませた、

念の為彼女たちに各艦の命令許可を与えておいた。



「行ってまいります!」



彼女たちは各艦に乗り魔法で眠る、それを大切に木人形たちが抱きかかえる。



「彼女たちは我らが全力で守ります!」



各艦の艦長らしき木人形が俺たちに敬礼して、板を掲げた。



「総司令官殿、我らに命令を!」



俺たちは総司令官か・・気持ちは複雑だが事は急ぐ!



「各艦魔物を蹴散らせ!」



「了解しました!」



俺は武蔵に乗り込み艦長室に座った、その横にはエリーナがいる、

同伴した少女たちには魔法で眠ってもらい結界室で念入りに守った、

ただエリーナは眠るのを拒否、俺は参謀として任命し彼女を傍に置いた。



「総司令官様・出陣命令を!」



エリーナが笑いながら俺に呟く、俺は苦笑いしながら言葉を発する、

なぜか知らないが各部を操作する木人形たちも笑う仕草していた。



それほど似合わないのかな?



艦長の帽子が・・どうやら年配者向けらしく重みを感じる。




「戦艦武蔵『改』!出港する!各艦我に続け!』




武蔵の雄叫びを挙げるようなエンジン音が鳴り響き動き出した。



鍾乳洞の出口付近には無数の木人形たちが激励に訪れていた、

俺とエリーナは敬礼で応える、武蔵はさらに加速し鍾乳洞から出る、

それに続き最上・矢矧・島風も鍾乳洞から出て来た。



しばらく航海したあと最上は武蔵を追い越して前に出る、

その右には矢矧、左に島風が続き各艦の主砲が上空に向けられる、

その先には無数のガルーダの群れが飛んでいた。



武蔵は90度横向きになり上から見るとアルファベットのEの陣形となる、

武蔵の一番・二番・三番主砲が向きを変え上空のガルーダを狙う!



「全主砲発射せよ!」



武蔵の誇る46センチ主砲が一斉に火を噴いた!



「ドコョォォォォォン!」



その威力は凄まじくガルーダの先陣部隊は次々に叩き落とされる、

それに続き最上たちも一斉射撃、半数近いガルーダを一気に落とした、

この敵は驚異と感じたガルーダたちは散開して攻撃してくる。



武蔵は正面を向き各砲門を散開して弾幕、ガルーダたちを迎え撃つ!

武蔵たちに搭載された自動機銃がガルーダたちを次々に落とす、

それを見ていた後陣のガルーダの中に・・



明らかに別格のガルーダが戦況を見守っていた。














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