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アリエノールへの備えと女性陣の秘かな計画





大和・武蔵・信濃・紀伊の4隻が出港する、天気は快晴、

港には東の大陸の住民たちが総出で見送りに来てくれた、

なぜかヤマダさんと村の住民たちが大漁旗を大きく振っている・・



・・・



漁に出る訳ではないんだが・・



4隻はゆっくり港を出る、沖に出たら白の大陸に向けて巡航、

俺達の先導にビスマルクとティルピッツ、左右に伊吹と阿蘇、

後ろに重巡アトラスが俺達を囲み護衛してくれた。



4隻とも氷の船を牽引してるので速度は控えめで巡航している、

しばらくしたら結界が見えてきた、護衛とはここでお別れとなる、

スカイドラゴン達が艦が通れる位の結界トンネルを開いてくれた。



続いて天使族の結界が見えてきた、ここで俺はレティシアに尋ねる。



「君達の力でこの結界は消せないのか?」



「それは無理ね~最低でも6天王すべてが揃わないと無理なのよ~」



・・・



どうもレティシアと話してると力が抜ける・・



ただレティシアは時々真面目になるからな・・

もしかしたら素は真面目でおふざけは気分次第なのかもしれない。



・・・



俺の気持ちを察知したアヤカが詳細を説明してくれた。



「この結界は昔東の大陸のドラゴンを警戒して張った結界です、

ドラゴンでも破れぬようにするため6天王が結集して展開しました、

そのため解除するにも6天王全員が揃わないと無理なのです」



それなら仕方ないな・・



4隻は天使族の結界をすり抜け白の大陸の領海に入った、

奇襲を警戒していたが何事もなく巡航し無人島が見えてきた、

この無人島には良質な湧水があるので今回も寄港することにした。



信濃から偵察機、各艦から天使族とその配下たちも離陸し周辺偵察、

サマンヌとアリーゼの領地まで偵察したが敵影は一切なかったそうだ、

今夜はこの無人島で夜を凄し翌朝出港することにした。



俺は全幹部を信濃に集め作戦会議を開く。



「次に交戦する相手は誰になりそうだ?」



この質問に答えたのはサマンヌとアリーゼ。



「おそらく聖天騎士アリエノールでしょう、私達の隣ですから、

彼女は派手好きではありますが腕は確かで一番の強敵です」



クリスティーナがサマンヌ達に尋ねる。



「どんな戦術を用いる方なのですか?」



「使えるものは何でも使いますね、ただ人質等は控えると思います、

私達の戦いを見て人質は逆効果だとわかったはずです、なので・・

地形を利用しての奇襲攻撃が一番可能性が高いかと・・」



デーヴィドが天使族達に質問する。



「どのあたりで攻撃がありそうなんだ?」



天使族のショウコが白の大陸の簡易地図を出して説明する。



「可能性が高いのは・・この先にある無人島の多い海域です、

ここは隠れる場所も多く野生生物も多いので気配も隠せます、

ただここを通らないと白の大陸の首都には行けません」



「となると・・大掛かりな砲戦は出来ないな」



「そうですね、野生生物を巻き添えにするわけにはいきません、

ただ彼女達もそれはわかっているので無暗に攻撃はしないかと・・

おそらく海底からの攻撃でまずは足止めしてくるかと思います」



「足止めをして・・白兵戦に持ち込むと?」



「そうです、彼女達は白兵戦が得意なので間違いありません、

大和・武蔵・紀伊もですが・・一番狙われるのはこの信濃でしょう、

これだけ甲板が広いので乗り込むには一番容易ですから・・」



「なるほどな、なら信濃を中心にして他の艦で囲うか・・」



「それは難しいかと・・」



「どうしてだ?」



「途中の海域は狭く縦並びでしか通れない所も数多くあります、

さらに渦潮うずしおも多いので通れる箇所は制限されます、

それに各艦氷の船を牽引してるので速度も出せません」



「それは困ったな・・」



「う~~~~ん・・」



悩んでいる俺に・・



なぜか微笑みながら信濃艦長サユミが言葉を発する。



「サマンヌさん、相手がこの信濃を攻めるのは間違いないですか?」



「えっ・・ええ、アリエノールの性格からして間違いないかと・・」



「それなら好都合です、コウさん信濃に任せてもらっていいですか?」



「それは構わないが・・敵の総攻撃を受ける可能性もあるぞ?」



「はい・・それがいいんです」



不敵に笑うサユミを見て・・俺はこの戦いを彼女に任せることにした、

念の為各艦は信濃をサポートするよう指示して一旦解散することとなる、

その時サユミは天使族代表たちに声をかける。



「レティシアさん、アヤカさん、サマンヌさん、アリーゼさん、

お話があります、お時間頂いてもいいですか?」



「えっ?それは構いませんが・・」



「ありがとうございます、ではこちらへ・・」



「待ってサユミちゃん、私達にも考え聞かせて!」



「あっ・・はい、それは構いませんが女性だけに・・」



「えっ?俺達はダメなのか?」



「申し訳ありません」



「そういう事よ、男性陣は各艦に戻ってちょうだい」



エリーナ達女性陣は別室に移動して念入りに鍵をかけ男性入室禁止、

俺やデーヴィド、タケシ達はしぶしぶ各艦に戻り敵襲に備えた、

別室では女性陣が歓声を挙げてるようだが・・何を話してるんだろう?



その女性陣の会話の一部がこちら!



「・・というわけです。ぜひ私とペアを組んでください!」



「それは面白そうだわ、ぜひ私達も加えてちょうだい」



「待ってサユミおねえちゃん!私も加えてよ!」



「サーラちゃんごめんなさい、これは5人一組なのよ」



「それなら他にペア組めば?5人一組なら複数出来るわよ」



「そうですね、なら既婚者ペアも造ります?」



「それがいいわね、近い者同士なら連携も容易だわ」



「そうね、なら名簿も造る?」



「ぜひ!」




話はこんな感じで進み・・複数の女性5人ペアが出来た。




● スノードラゴンと天使族の可憐最強ペア。


サユミ・レティシア・アヤカ・サマンヌ・アリーゼ。




● 美しき既婚女性最強ペア。


エリーナ・エマ・ソニア・エマツーと女性猫。




● 爽やかな若妻美貌最強ペア。


クリスティーナ・ルミナ・ジセル・アミー・サクラ。




● 将来が楽しみな美女最強ペア。


レイミ・サーラ・ショウコ・リリー・ララー。




その他大勢・・・



・・・



一部無理やり感が漂うペアが複数出来上がった。



にしても・・



なんでペアの名に最強の文字が入っているのかは・・・



・・・



聞かないことにした。



話し合いの後なぜか亀甲縛り教室が開催され皆が真剣に受講、

特にサマンヌとアリーゼとその部下たちの気合いが半端ない、

時折不気味な笑みをこぼしながら縛り方を練習していた。



「うふふ・・なるほどね、こう縛るの・・」



「えへへ・・これをアリエノールたちに・・うふふ・・」



「あはは・・縛る時が楽しみだわ~~~!」



「あらいやだ!いまからよだれが出るわ・・うふふ」



「なるほどね・「新」亀甲縛りとはこうで・・うふふ・・」




・・・




亀甲縛りが天使族の慣習にならないか・・恐れる俺だった。




受講が終った女性達は各艦に戻り俺達が用意した食事を食べている、

皆笑顔で・・時折怪しげな笑顔で何やら密談をしている。



・・・



食事が済んだ後女性陣はペアを組み何やら特訓をしている、

信濃の甲板では異なるペア同士が入り乱れ格闘を繰り返す、

密集戦を想定しているようで銃は使わず剣や棍棒で戦っている。



翌日・・



無人島から出港して各艦巡航、信濃を先頭に大和が右、武蔵が左、

紀伊が信濃の後ろに並び各艦17ノット(約30km)で巡航、

移動中も女性陣は信濃に集まり空いた空間で訓練をしていた。



夕方頃にサマンヌとアリーゼの城付近に到着、今夜はここで宿泊、

崩れた城を木人形達が修復し艦に乗っていた半数が城で寝ている、

サマンヌとアリーゼは部下と泣きながら城の外で何かを造っていた。



それは・・・




巨大な合祀墓だった。




完成後泣きながら膝を付き合祀に土下座するサマンヌとアリーゼたち、

それを見ていた俺は・・いや俺達も後ろに並び同じように土下座する、

これで許されるとは思わないが・・



・・・



それを遠くから見て・・



涙を流す配下の魔物達だった・・



・・・



翌日・・



まだ戸惑いはあるが・・サマンヌ達と魔物たちの距離が近くなった。



「サマンヌさんアリーゼさんおはようございます」



「えっ・・ああ・・おはよう・・」



挨拶だけだが・・会話が少し出来てきた。




各艦は城から離れ・・




アリエノールの待つ決戦の地に向かい巡航していた。




















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