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謎の艦隊との戦闘と消滅を望む技術者たち




謎の艦船たちは射程距離に入った瞬間から砲撃してきた!



ドカーン!ズゴーン!!



無数の砲弾が俺達を攻撃する、だが氷の盾がそれらを遮る、

反撃しようかとも思ったが・・今は凌げているので様子を見る。



帆船を見たエリーナが怯む、あれは幼少の頃聞いた無敵艦隊、

彼女達が幼少期過ごしてきたスペインの港町で語り継がれていた、

それが目の前に現れ自分達を攻撃しているのがショックらしい。



エリーナとクリスティーナは父親から自慢話を聞かされていた、

なんでもあの艦隊には父親の先祖が複数乗っていたらしい、

そのことを聞いていた彼女達には先祖との交戦と同じだった。



2人とも不安を隠そうと顔は笑顔だったが・・手が震えていた。



俺とデーヴィドは急ぎ他の妻たちに彼女達をサポートするよう指示、

信濃艦長サユミに連絡し戦闘機で帆船の乗務員を調べるよう伝えた、

戦闘機隊はすぐに偵察、上空から帆船の乗務員を調べたが・・



「連絡します!帆船の乗務員は皆ゾンビのようです!」



画像が送られ俺達はモニターで帆船の上空からの撮影を見る、

帆船では大勢のゾンビが苦しみながら砲弾を装填し俺達を攻撃、

どうやら中途半端な召喚のせいで身体が腐敗した状態のようだ。



戦闘機隊が会話を試みるも応じず・・そこにアイオワ級の対空砲火、

アイオワ級は1隻だけだがほぼ完全な状態で戦闘機に攻撃を仕掛ける、

戦闘機はこれ以上近づけなかったので俺は撤退を指示した。



さてどうするか・・



どう見ても俺達の世界から召喚された艦船だ、詳細に調べる必要がある、

もし生身の人間がいたら救助する必要がある、皆も同じ考えのようだ、

どうしようかと悩んでいたらエマツーが俺に提案してきた。



「確か魔法を反射するドローンというのがありましたよね?」



「ああ、大和と武蔵に搭載してあるが・・」



「あれに無線機を乗せて敵艦に落としたらどうですか?」





その手があったか!



俺はエマツーに礼を言い急ぎ木人形達に指示を出す!



指示を受けた木人形達が反射鏡の代わりに無線機を乗せる、

それをアイオワ級に向けて10機ほど飛ばしてみたが・・

アイオワ級の対空砲火はかなり優秀でほとんどが落とされた。



2機のドローンがアイオワ級にたどり着きそのまま落下した、

それを見ていた人間らしき人影がドローンの無線機に気が付いた、

だが一つは無線機が壊れ大和から放った無線機が敵の手に届く。



デーヴィドが英語で通信する、彼は昔アイオワ級に乗った事がある、

彼の祖母ナターシャの教え子がアイオワ級の通信関連に就任した、

その絡みもあり何度か招待された経緯があるからだ。



彼は思いつく暗号や雑談、通信関連に就任した教え子たちの名前、

そしてアイオワがアメリカの州から取った名前だと力説した、

他にもアイオワ級の同型艦の名前を挙げたが・・それに反応があった。



それは・・



アイオワ級は6隻造る予定だったが2隻は建造中止になっている、

製造中止となった艦を含む同型艦の名前を言った途端・・

それに反応した敵の指揮官らしき人物から返信があった。



ちなみにアイオワ級は日本の軍艦で例えると長門・陸奥クラス、

先に召喚されたアリゾナ・オクラホマは金剛・比叡クラスらしい、

ただアリゾナ・オクラホマは異世界で改修され長門に匹敵する。



アイオワ級と帆船は攻撃を止めた、そして無線機から声が聞こえる。



「君達は何者だ?なぜこの艦の名前を知っている?」



「俺達も同じ世界から来た異世界人だ、あなた達と話がしたい」



・・・



「残念だがそれは出来ない」



「どうしてだ?」



「我々は君達を倒すために召喚された、主の命令には逆らえない」



ここで通信は途絶え・・帆船が攻撃を再開した、総攻撃のようだ、

こちらは反撃はせずに氷の盾で相手の攻撃を凌ぎ通信を続けた、

その甲斐あって返信が来たが・・それは予想外の要求であった。



「頼む・・我らを再び眠りにつかせてほしい・・」



その時アイオワ級から暗号通信が来た、それを大和が受信した、

解析員が急ぎウィルス等があるか調べたが問題無かったようだ、

急ぎ各艦に転送、アイオワ級の内部がモニターに映し出された。



そこには・・



「なんてこった・・」



「なにこれ?ひどい・・」



「そんな・・ここまでひどいこと出来るの?」



内部ではゾンビと化した搭乗員たちがもがき苦しんでいる、

艦橋が映し出され2人の責任者らしき人物がカメラの前に立つ

責任者もゾンビと化して・・苦しみながらも言葉を発した。



そして・・



「我々は製造中止となったアイオワ級の元技術者とその指揮官だ、

我らは既にこの世を去り安らかに故郷で永遠の眠りについていた、

だが・・ある人物により召喚されこの艦を具現化させられた」



「我らは滅びた肉体のまま召喚され主の命令に従ってきた、

だが肉体は腐敗が進み我らは立つことさえままならなくなった、

自ら死ぬことも出来ず苦しみだけが永遠に続く状態となっている」



「頼む!我らを滅ぼしてくれ!もう苦しみから解放されたいんだ、

このメッセージは君達と遭遇する前に苦し紛れに造ったものだ、

どうか・・我らのこのメッセージを受け取ってほしい・・」



通信はここで途切れた。



アイオワ級も攻撃してきたが氷の盾がその攻撃を食い止める、

俺達は悩んだ、気持ちはわかるが同郷たちに引き金は引けない。



だが・・



「武蔵副砲発射準備!私がやるわ!」



エリーナが艦長席に座る、そして特級魔法を武蔵の増幅装置に送る、

武蔵の2門の副砲の・・砲身から炎と化した特級魔法が出てきた、

エリーナは俺を見つめる、俺は彼女に指示・・いや命令を出す!



「エリーナ特級魔法を撃て!俺が全責任を負う!」



「了解しました!」



彼女は涙を流しながら・・特級魔法を放った!



キィーーーーン!!!



武蔵の副砲から炎の特級魔法が放たれ・・帆船を次々と焼き払う、

帆船は高熱で次々と蒸発し跡形もなく・・ゾンビも高熱で消滅、

特級魔法は帆船を全部焼き尽くして・・残るはアイオワ級のみ。



その時!



「アイオワ級は俺がやる!武蔵は後退しろ!」



横にいた大和の副砲2門の砲身が光り輝いている、それは雷の輝き、

武蔵は後退してデーヴィドの特級魔法がアイオワ級に向けて・・




「副砲発射!アイオワ級を電撃攻撃しろ!」




キィーーーーーーーーーン!!!




大和の副砲から特級魔法が放たれた、それはアイオワ級に直撃!

一億ボルトを超える電流がゾンビたちを電撃分解!次々と蒸発させた、

艦橋にいた指揮官らしきゾンビは・・




「ありがとう・・これで安らかに眠れる・・」




笑みを浮かべ・・跡形もなく蒸発していった。



アイオワ級はその姿を留めているが・・ゾンビたちは全員消えた、

空となったアイオワ級は攻撃を停止し・・ただ浮かんでいた。



俺達は・・



なぜか全員涙を流しながら甲板に立ち敬礼した。



その中には・・



涙を流すレティシアやアヤカ達もいた。



それを丘の上から見ていた・・2人の天使族がいた。



「そんな・・あれだけの帆船が全部消されるなんて・・」



「あの鋼鉄の船も動かなくなったわ!どうするのよ?」



「こうなれば総攻撃よ!部下たちを全員攻撃させるわ!」



「そうね!お前たちあの船に総攻撃よ!」



部下の天使族と配下達は・・俺達の攻撃を見て恐怖を抱いていた、

足が震え冷や汗が止まらず口元はガタガタと震えていた、が・・



「なにしてるのよ!子供達がどうなってもいいの?」



人質を取られている配下達は死を覚悟して特攻してくる、

部下の天使族も弱みを握られてるようで同じように飛んでくる、

無数の敵が俺達に攻撃を仕掛けてくるが・・



「アヤカ・レティシア、彼女達を保護する、回収を頼む」



「わかりました!お任せください」



4隻の砲撃手・狙撃手たちは・・



麻酔弾を装填しその時を待っていた。

































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