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支配魔法のデメリット



鍾乳洞に新たに建設された指令室に俺たちは移動した、

これから決戦に向けての作戦会議が始まるからだ。



祖父母木人形と司令官らしき木人形20体も一緒だ、

対面にはルーム国王と重鎮たちも多数参加している、

なぜかは知らないが中学生らしき少女たちも20人位・・



『これから作戦会議をはじめます』



祖母木人形が板を掲げ作戦会議が始まった。



「あの軍艦たちはどうなんだ?魔物と戦えそうなのか?」



国王が不安そうに尋ねてくる、その質問に祖母木人形が問いに答えた。



「戦闘力は問題ありません、ただ別に問題があります、

各艦に生きた人間を最低3人乗せないと船が動きません」



「どういうことなんだ?」



「我ら木人形は魂を召喚されたとはいえ操り人形です、

基本主人の命令や指揮がないと動けないのです」



「基本?」



「私たちは肉親がこの世界にいるから魂が固定され自由に動けるんだがね、

他の木人形はそれが無いから不安定なんだ、そのため目印となる魂が要る」



「今木人形たちは個々に動いてるけど?」



「それはわしら祖父母人形が魔法でそれらに命令してるからだよ、

ただ範囲が限られてね、この島から出ると命令が途切れるんだ」



ここで国王が支配魔法の詳細を話してくれた。



「支配魔法で呼ぶ魂は生きた人間の魂を辿りこの世界に導かれる、

魂には自覚が無く、生きた人間の魂の繋がりで行動出来るようになる、

言い換えれば人間の魂が近くに無いと目印を見失い彷徨うのだ」



「彷徨った後は?」



「やがて影形が無くなり完全消滅する」



「大体わかった、で?国王の傍にいる女性たちはなぜここに?」



「残念だがわが軍の男手や兵士たちは皆重傷を負って動かせない、

今動けるのは彼女たちしかいないんだよ」



「お偉いさんたちが乗ればいいのでは?」



「すまない、重鎮たちが出す結界治癒魔法で兵士の命を繋いでいる、

彼らを島の外に出すと魔法が途切れ兵士たちの命が危ない」



「そうですか・・でも」



「私たちは自ら志願したのです!」



「目の前で親や兄弟を殺されたのです!仇を打ちたいのです」



「お願いです!戦わせてください!」



少女たちが一斉に声をあげて訴えてきた、その言葉を聞いた後、

祖父木人形が何やら板に文字を書き並べその板を見せた。



「君たちの気持ちは分かった、ただ条件がある」



「何ですか?」



「君たちに戦場の惨劇を見せたくない」



「覚悟は出来ています」



「この場ならそう言える、だがその場になると怖さが出て混乱する、

私たちは前の対戦の時、その惨劇を嫌と言うほど見てきた」



「ではどうするのですか?」



「君たちを私たちが魂をかけて守る」



「言ってる意味が分かりません!」



「艦には乗り込んでもらう、だがその後は眠ってもらう」



「それでは戦えません」



「戦う必要はない、君たちを艦に乗せた後我らが全力で守る、

具体的には魔法で眠ってもらい我らの結界魔法で君たちを守る、

もし艦が沈んでも君たちは転移魔法でこの島に送り返す」



「お祖父さん、もし、もしだけど・・」



「なんだね?」



「その結界の限度を超えた攻撃を受けた時は?」



「その時は艦ごと全滅となる」



・・・



「心配する必要はない、そんな攻撃が出来るのは特級魔物だけだ、

それらの対策も各艦に施してある、そうやすやすとは沈まんよ」



その時2体の木人形が部屋に入ってきた、監視と工場担当らしい。



「遠くにガルーダの大群を発見しました!総攻撃のようです」



「武蔵・最上・矢矧・島風出港可能!大和はもう少し時間がかかります」



ここで祖父木人形が妙なこだわりを言ってきた!



「武蔵じゃない!武蔵『改』だ!」



この際そんなことはどうでもいいと思うのだが・・



「名前は大切だ!」



「はいはい」



祖父の妙な頑固は知っていたが、『改』をその都度言うのはややこしい、

よって俺の勝手な権限として『改』を省略することで押し切った、

祖父は部屋の角に籠り子供のように悔しがっていたが・・・



その辺は皆呆れて無視していた。
















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