第2話 次なる目的
第一回編集(2022/12/3)
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数ある建物の屋根の上に、グデンクラトニアの聖騎士であり【ドラグニクル】部隊隊長アバレン・アレクは自身が引き起こした事件の様子を見下ろしていた。
訓練場が入っている建物に生徒達が殺気と共に次々と集まっていく。
次第にそれは許容量を超え、外にも溢れかえる。
アレクはその様子に、中に彼がいるのだろうと困った表情を作って見せた。
「困ったなー、ここから先を考えていなかった。それに目的の一つを終えたとはいえ、狙っているのは僕だけではなかったみたいだし、どうするべきか……」
そう顎に手を当て考える素振りをしているアレクの手の中には、初代勇者の剣【ダモクレス】はすでになく、依頼主に譲渡済みである。
そうなると、聖騎士団国家側の行動は全てにおいて手遅れと言っていい。
だが、そんな事を知らない者達は標的である三人を是が非でも仕留めなければならない。
結果がどうあれ、それは絶対的に変わらないのだが。
「さてさて、ここからは僕の好きにさせていただきたいところではありますが、どちらにせよ、邪魔な者たちは排除しなければいけない。それには順番を守らないと叶いそうにもない。本当に困ったものです。アルには悪いけど、付き合ってもらうよ」
同僚に全てを押し付け、アレクはその場から姿を消した。
時間を無視して、本日二話分(短いので)UP




