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異世界だろうとのんびりと  作者: ダルマ787
ーーーーーーーーーーーーーーーーー 第七巻 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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第29話 悪天候

翌日の天気は大荒れだった。


この国に来てからは初めてのことだ。


少しだけナーバスになる。


この世界に来てからの雨はいい思い出がない。


俺はテーブルに置いてあった指輪の箱を開ける。


すでに結論が出た可能性に、未練たらしく同じことを繰り返した。複数ある指輪を嵌め、源素を感じられないことを確認。


「ほんとに、希望だけ見出すなよ」


たった一度の変化にどれだけの希望が詰まっていたのか。


クノはどれほどの想いで可能性に賭けていたのか。


俺はどこまで本気で源素を取り戻したいと願っていたのか。


「はぁ」


一応、報告をしに行った方がいいのだろう。


きっとクノはすでにこの状況を知っている。


この国はクノだ。この国の中にいる限り、クノは全てを見ることができるらしい。


「こちらタダシ、応答願います……」


少しの羞恥と諦め半分で反応を待ってみる。


当たり前のように反応はない。


悲しいかな、お前が来い、という事なのだろう。


「はぁ……、憂鬱だ」


悪い報告だけをしに行くのはどこの世界にいても変わらない。


俺は最後に嵌めた指輪を箱の中に戻して、部屋を出る。

もちろん、昨日の今日だ。

外出するにしても一度、上司であるアージュさんに連絡は入れておいた方がいいに決まっている。

ついでに、カレン辺りもいれば、クノの正確な居場所を聞けるかもしれない。

たぶん、あのキープダンジョンにいるとは思っているけど。


部屋を出てから少し歩いていると、静かすぎる王宮内に違和感を覚える。


「誰かいませんかー?」


大声とはいえない声量を出してみても反応がない。

それどころか、声が壁伝えに反響さえしている。


「え、誰もいないってことはないよな?」


妙な雰囲気に、頭を傾げながらも俺は人がいるところまで移動し始めた。


そして、この時まで、この国の異変に気が付いていなかった。


この国で天候が荒れるという意味を――。


お昼ごろにもUP予定

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