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異世界だろうとのんびりと  作者: ダルマ787
ーーーーーーーーーーーーーーーーー 第六巻 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
198/243

第31話 画策

2024/5/4

誤字脱字、文章編集、ルビ振りを行いました。

画策は概ね上手くいっている。


マリージュカは標的の標的がラークに移り変わっていく事をよそに、さらなる画策に動き始めた。


ただ、一つだけ懸念がある。


一つの予想として、現段階で標的であるシナプスが暴走している可能性があったからだ。


「そう簡単にはいかないものね」


依頼内容的にはSSランクに分類される事なのだから、それは仕方ないことだとも思ってはいる。

しかし、あの標的が暴走しない可能性も浮上してきている。


魔王原種の中で特殊な事例、意識を持ったままの原種持ち(スピーシー)


お互いの意識を共有し、共存している存在は特例中の特例なのだから、可能性としては確かに存在していた。


「ふふ、面白くなりそう」


現段階で犠牲者が出なかったのは、マリージュカの能力によるものが大きい。

だからと言って、そこに冒険者としてのこだわりがあったわけでもない。


必要な駒は必要な時に使ってこそなのだ。


「こうなった以上、犠牲という名の贄は必要なのよね」


問題は、


「暴走を引き起こすための引き金が何かという事」


これまでのシナプスであり主人格であるリンドの言動からも、周囲と関わりがない事にその引き金を見つけられないでいた。


マリージュカの中で組み立てられる登場人物で不確定な存在は、二つ。


一つは、冒険者になるには欠落の多い、ラークによって引導を渡された少年。


しかし、あの少年はすでに心を折られているはずであり、おそらくもう冒険者ギルドに近寄ることすらしない可能性がある。

加えて、そもそもシナプスとの接点があるとは思えないという点。


登場人物に加える事すら論外ともいえた。


そして、もう一つが、ラークと『迅雷の辻』が旅に出て感じ取った、謎の存在の気配。

しかし、存在がいることは少年とラークの戦いにも感じられていたにも関わらず、その実態は掴み取れる事はなかった。


そこで可能性の一端として、別の冒険者の存在を考えたりもしたマリージュカだったが、秘密裏の依頼にそこまでの冒険者を投入するとも考えにくい。


ラークやマリージュカのように歪んだ冒険者がいる中で、くそ真面目な冒険者も存在している。

そんな冒険者に今回のような事案が耳に入れば、魔王の原種が秘密裏で隠されていることが公にされかねない。


「裏で仕事をする冒険者以外の存在ね……」


冒険者と相対する存在、聖騎士。

その中でも特殊な部隊がいることは少なからず知っている。

しかし、冒険者に依頼を出して、飼い犬まで動かすかどうか。


もしくは、その存在を別の理由で動かしているとしたら……、


「考えにくいわね……」


そもそも世界で公にされている魔王の原種の数は七名。

それもどれだけ生きているか、隠し持たれているかわからない。


「暴走の力が私達の想像を超えるならば、私たちはこの場から自然に消える。むしろ、この場でシナプスが討伐される方が、暗殺の可能性は出てくると思うけど」


討伐されたらされたで言い訳などいくらでもできる。

例えば、以前討伐したシナプスが再び原種として蘇ったなど簡単に誤魔化せてしまう。

それならばSランク冒険者を二人敵に回す方が国としてはリスクと言っていいだろう。


そうなると、


「わからないわね」


謎の存在もまた画策の駒としては使えない。


「まぁ、いいけど」


使えるものはまだある。

そう言いたげに、マリージュカは笑みを浮かべる。


「誰が犠牲になるのかしらね」


画策の中に少なからず犠牲者を含んでいた。



短い為、三話同時UPしました。


活動報告もついでに更新。

興味のある方だけ覗いてください。

さして、重要な事は書いてないですw

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