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異世界だろうとのんびりと  作者: ダルマ787
ーーーーーーーーーーーーーーーーー 第六巻 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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第4話 ポジティブな行動

2024/5/4

誤字脱字、文章編集、ルビ振りを行いました。

心にもやもやを残しながら、俺は町から少しだけ離れた森の中にいた。


そうこれは反旗である。


地獄の訓練後、町から離れた。

もちろん、俺の置かれている状況から遠出をしようなんて勇気はない。

それでも、ちょっとの反抗。一人の時間を作る為の場所を求めて行動に移したのだ。


だが、勘違いしてはならない、訓練から逃げ出す勇気もないのだ。


だから、大それたことは考えもしない。せめて一人に慣れる空間を求める。


ところが、現実問題、


「そう簡単にはいかんのよなぁ」


小さな希望をもって、行動に移したのはいいものの。

懐かしの山生活に必要な能力がなくなって途方に暮れていた。


源素が使えないせいで、身体能力向上ができない。

だから、丸太なんて持てないし、移動も時間が掛かる。

種の急速成長&強化もできないから、ちょっとした土いじりもできない。


そうなってくると、俺はこの森の中で何をしたらいいのか分からなくなった。


ぺたんと座り込みながら、作成物を眺める。


草を集めただけの枕。

風が吹けばすぐにでも落ち葉へと早変わりし、枝と多少の伸縮性を持った蔓で組み合わせた、小屋になる前の小さな屋根。

地面に置けば頭部だけ雨風を防げるだろう。


見れば見るほど悲しくなってきた。


源素を使えればと思わなくもない。


ただ、俺がやろうとしていることは、知識と経験でどうにかなることだったりする。

そもそも、源素で俺ができる事を簡単に言えば、移動と力がメインだった。

技術面を補填してくれない源素があったところで、現状とそう変わりはない。


そう考えた所で、俺は立ち上がった。


言い訳は意味のない事を知っている。


だから、こつこつと出来る事からやっていこうと前向きになれた。


何も源素が使えなくなって出来なくなったことだけではない。

訓練後といっても自然源素のコントロールによる回復は、少なからず俺の物理的な原動力の助けにはなっている。


ひとまず、俺は作るという部分を変え、整地に力を入れる事にした。


大きな石から、小さな石まで、邪魔になっているものを移動させていく。

空間的には四畳半くらいあればいい。時には足で蹴とばして退かし(どかし)、休憩ついでにどういう形にしていくか考える。


そんな時間を楽しみながら、久しぶりに一人の空間を満喫したのだった。



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