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異世界だろうとのんびりと  作者: ダルマ787
ーーーーーーーーーーーーーーーーー 第六巻 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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第1話 心に住まう者

2024/4/29

誤字脱字、文章編集、ルビ振りを行いました。

赤い月が城内を照らし、昼間は人が賑わう街並みも静かな物だった。


その静穏の中、駆ける音が一つ響き渡る。


フードで顔を隠し、追手が来ていないか確認することもできず、跳ねる息はどんどん荒くなっていく。


そもそも確認など必要なかった。


城壁に囲まれた国の外へ出ると同時、複数の影が待ち構えていたかのように、逃走者の前に現れる。


「はぁ…………、はぁ……」


立ち止まった先で、後ろを振り向けばすでに囲まれている。


目に見えている数で言えば八名。


逃げ道は完全に塞がれていた。


「大人しく戻れ」


その中の一人が、まるで忠告するよう言った。


「もう……こんな生き方はイヤ」


逃走者は身構える。


「お前たちは生き方を選べない……、お前達は特にな」


どこまで行っても平行線な意見に、逃走者は端から意味の無い事だと理解している。


――お互いの源素が溢れ出た。


始めからこうなることは予想されていた。


だから、追跡者は街の外へ出るまで待っていたにすぎない。


住民に被害を出さない事――そして、逃走者の存在を露わにしない為に。


「捕らえろ」


追跡者のリーダーらしき存在の命令によって戦闘が開始された。


勝算などありはしなかった。

それでも、一縷(いちる)の希望に賭けるしかなかった。

追跡者は命令で動いているのだから――。


「オレが出ないと思ったか?」


『ダメッ!』


そこからは蹂躙だった。


気づいた時には八名の追跡者は跡形もなく消え、そこには闇だけが広がっていた。


「逃げなきゃ」


逃走者は当てもなく走り始めた。


「どうしたらいいの……?」


誰も待ち合わせていない答え。


『さぁな』


「――っ」


『オレが表に出る』


逃走者達は目指す場所もないまま走り続ける。



その心に源種がいる限り…………。



6巻目に突入しました。

引き続きよろしくお願いいたします。

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