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異世界だろうとのんびりと  作者: ダルマ787
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー第五巻ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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第36話 出会う事はなく

2023/4/19

誤字脱字、文章編集、ルビ振りを行いました。

『影』はすぐに助けに向かうことはできたはずだった。


だが、度重なる叫びの中に出された自身の名前に飛び出せなくなった。


嫌われる理由は数多く探し出せる。

だが、命が掛かった場面でどうして自分の名前が出てくるのかわからない。


好かれる理由がない。


人に好かれた記憶もない。


人に恨まれる事が多く、憎まれる役割。


人と深く関わる必要がなく、関わってはいけない。


だからこそ、役割を全うしてこれらた。


「なんなんだアイツは……」


『タダシと話してみろ』


唐突に思い出されるシンの言葉。


少しだけ――。


「くっ」


心で呟きそうになったただの言葉を、首を振って振り払った。


理解する必要はある。


だが、それはジャンオル・レナンを理解するためだ。


今はアイツを見ろ。


訳が分からない源素がアイツの身を守り続けている。


あの能力()がなんなのか、それがジャンオル・レナンに興味を抱かせ、ここまで生かし続けている理由。


そして、学園で全てを巻き込んだ理由。



「帰ろう、ナナさんに会いたい!」



「くっ」


アイツの意味の分からない言葉に、巡らせた思考がぐちゃぐちゃにかき乱される。


考えるのを止めた。


今は、ただ、この場を立ち去る為にするべきことだけに集中する。


そのタイミングで冒険者達が到着した。


「っち」


一気に、手を出し辛くなる。


ディアが意味のない暴力から、目的のある標的へと飛び掛かった。


それも、さっきまで一方的に弄ばれたアイツが阻止する。


ダンジョンに入る前では考えられない成長なのに、本人がそれに気が付いていない。

だから言っていることがめちゃくちゃだ。


それなのに、アイツの言葉が気になって仕方がない。


だから――、


「『ダークネスバリー』」


無数の黒い棘が地面から突き出てディアを貫くと、動きを止めた。


だから――、


突然の出来事でも冒険者達がトドメを刺していく。


「ふん」


帰る。


あの家に。


姿を見られることなく、元『影』であるナナカミラは姿を消した。



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