第31話 ざまぁ
第一回編集(2022/12/4)
誤字脱字の修正、文章の修正、文章の追加、ふりがなの追加、言い回しなど編集しました。
これで終幕、そう思って俺は長い一日にようやく重い腰を下ろして地べたに座り込んだ。
「つっかれたぁあ」
「どうして……?」
アレクの言っている意味は正確には捉えきれない。
でも、と俺は一つの答えをだした。
「どうせ、利用されたなら完璧に利用されてやろうと思っただけ」
「だけって……」
「まぁ、なんていうか、俺は悪いことはしてないし、あとはどうでもいいかなって」
冷静に考えてみれば、特に犠牲はでてないんだよね。
さらに言えば、終わってしまえば今までのことも掘り返す気にもなれない。
むしろ掘り返した方が遺恨が残りそうで、ことなかれ過ぎの俺にはいい着地地点を見つけたくらいにしか思えない。
仮に後悔があるとすれば、もう少し気の利いたカッコいいセリフが思いつけなかったことくらいだ。
あとから思い出したら恥ずかしくなってきた。
「きみ……タダシ君はそれいいのかい?」
「へ? 良いも悪いも、あんたらが巻き込んだんだろ」
「納得できるのかい?」
納得とはいったい……なんだ?
「実害なかったから、いいんじゃない?」
もう疲れるから考えたくないんだが。
「ははは、僕はまだ君を理解できていないようだ」
気持ちが悪いことをぬかすな。
「しかし、敵に塩を塗りすぎてしまったな」
きっと、聖騎士団国家の歴史の中でも最高な世代が誕生する……かも。
「ざまぁ」
その中に俺は……、
「引きこもりてぇ」
色々、うんざりだった。




