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異世界だろうとのんびりと  作者: ダルマ787
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー第四巻ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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第26話 種の発芽

第一回編集(2022/12/4)

誤字脱字の修正、文章の修正、文章の追加、ふりがなの追加、言い回しなど編集しました。

ところが、いくら待ってもその時がやってこない。


きっとアレクの属性は光だ。


それなのに、目の前が眩しくなるどころか、影がある。


「そういえば、あの中にはいなかったか?」


もう俺の手を離れ、これから新しい道へと向かう凛々しい背中があった。


でも、おかしい、しばらくは目を覚まさないはず……。


いや、それは通常の場合であって、回復は俺がした。


だからだろう、通常ではない速度で目を覚ますことができた。


「勝手にタダシの評価を決めつけないでください」


たった、それだけの言葉なのに、俺の心が救われる。


光の小弾を片手で受け止め、英雄(ヒーロー)のように立ち向かうアイミがそこにいた。


「今更あなたが来ても何も変わりませんよ。例え、原種の力を宿していても」


確かに、これで何かが変わるとは思えない。


「それに――」


ところが、


「それは、あなたがタダシを理解できなかっただけです」


アレクの後方、いくつも立ち上がる影がある。


まだ、動ける状態ではない。


その代わりと言わんばかりに、


「なっ、そうか、今ここは――」


精霊が具現化できる空間。


それぞれが契約している中位以上の精霊が、アレクに敵意を持って現れていた。



炎を纏った鳥形の精霊が舞う。


「一位なんて肩書はいらないですわ。だから、今は、一矢報いるのみですわ!」



小さな図書館。


戦場と化した憩いのスペースを取り囲むように、本棚が立ち並ぶ。


「思い描くだけでは、ダメ」



それぞれが得意とし、契約することができた各属性の精霊たちが立ち並ぶ。


「はは、聖騎士を目指してんだよ。もう二度と折られねぇ」


「命を懸けて、ここに来たんだ」


「頼られる存在に」



風の上位精霊、シルフィ。


幼少期のアルと契約し、これまでずっと一緒にいた。


「……悪い。情けない、ところ、見せた。動けるようになるまで、頼んだ」


初めてのお願い。


それに、


「まったく、強くなるんでしょうね」


「あたり、まえだ」


「そ、じゃあいいわ」



木の上位精霊、ドリアス。


契約者はおらず、精霊から嫌われているタダシが勝手に()を使う事に腹を立て様子を監視し続けていた。


それを、シルフィは気づいている。


「あら、そこで傍観し続けるつもり?」


ふんっ。


「まぁ、いいけど、あの子、精霊(変わり者)と契約するわよ。そしたら、あなた用済みね」


ブチンッ!


「勝手なこと言ってんじゃないわよ!」


タダシが使った枝を媒体にドリアスがタダシの前に具現化する。


「あら、結局来るのね」


「うるさーいっ!」


離れた位置でもしっかり文句を返し、その怒りの矛先はタダシに向けられる。


「それもこれも、全部あんたが悪い! あとで、請求してやる!」



突然の戦力にアレクは驚きを隠せない。


「これが……レナン氏が持った興味の姿」


間違いなく、こうなる種を蒔いたのはタダシだ。


アイミがアレクの前に立ちふさがる。


「これがタダシです!」


アレクは、手で顔を塞ぎながら笑い声をあげる。


「あはははははっ、なるほど、僕が間違っていた。君の能力は、神がかっている! 身をもって確かめさせてもらう!」


そして、こういった状況にタダシが思う事は一つ。


「これは違うでしょ……」


責任を持てない事に関して、拒否を提示したのだった。



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