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異世界だろうとのんびりと  作者: ダルマ787
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー第四巻ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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第7話 新生VSナカムラタダシ

第一回編集(2022/12/3)

誤字脱字の修正、文章の修正、文章の追加、ふりがなの追加、言い回しなど編集しました。

「どういう経緯でこうなってるんですか、アイミさん?」


学園入園が決まったアイミに、学園一位の金髪カールの上級階級少女、お世話になった書物館の司書である少女と意味不明だった。


「あの、人との交流ができなかったアイミがここまで成長するなんて、おじさんちょっと嫉妬しちゃう」


隣の芝生は青いのである。


「おじ……なにを言ってるんですの? 子供のくせに」


「年齢詐称?」


見た目と違う俺のセリフに疑問を投げかけられても、それに応えてあげる雰囲気でもないようで、アイミは真剣な表情を崩さない。


「タダシ……、ごめんね。捕まえに来た」


端的な説明ありがとう。


そして、この恩知らずめ!


「名実ともに学園の生徒になったと」


そう言うと少し悲しそうな表情になるアイミだったが、俺もそこまで馬鹿ではない。

きっと、何かしらの理由ができたのだろう。そして、それを俺は求めていた。


以前のアイミはどこか俺にいらない恩を抱き、それは依存という形に変化しく傾向があった。

それを自ら出した答えで進むというのであれば、俺は大人として責任を果たさなければいけない。


だから、やさしい声はかけてやらない。


だけど、


「しゃーないね。でもわかってるとは思うけど、俺は戦えないぞ」


俺にできることはたったの一つ。


「うん、全力で捕まえる」


思わず優しい笑みを零しそうになる。

アイミの言葉に俺を攻撃するという意思は存在していない。

アイミはアイミのまま前に進む。


「こんなに早くまた鬼ごっこをやるとはね、いや今度はケイドロかな」


少女三人が臨戦態勢になるのと同時、俺は身体能力向上をレベル2まで上げた。

レベル3にあげなかった理由は一つ。

あれはまた完全にはコントロールしきれていない。

瞬間的に使うには問題ないけど、失敗するとどうなるか俺にもわからない。

しかも、今は外にいるわけでもないし、壁に直撃で終わりなんて目も当てられない結末は避けたいところだ。


「じゃあ、たまには格好よく決めますか!」


台詞とは裏腹に始まるのは全力での逃走。


ちらっと見た訓練場の出入り口を確認し、いざ逃走開始をしようとしたところで、


「【炎壁(ファイヤーウォール)】」

「【土壁(ストーンウォ-ル)】」

「逃がさない」


三者三様、逃走経路を塞いできた。


「バレ方が半端ねぇっ!」


土に炎にとんでもないものが出入り口の前に出来上がる。

一方でもう一人の少女が何をしたのかはさっぱりわからない。


「今度は逃がしませんわ!」

「考えなくてもわかる」


「いちいち追撃をやめない」


俺は急ブレーキで燃える土壁への激突を回避する。


「叱咤してるところ悪いけど、司書さんが色々な意味で一番理解できません――ッッッ、なんだ⁉」


突然、足が重く動かなくなる。

一瞬アイミの石化かと思うがそれなら、レベル2の壊せるはず。

そう思って見た足首に黒いナニかが巻き付いている。


「そういえば、自己紹介していなかった。私はテキス・ミヨ。一応、この学園の首席」


思わず金髪カールの顔を見てしまった。


「くっ、事実ですわ! ち、ちなみに(わたくし)は一言もそんなこと言っていません事よ! あなたとアルフォナインが勝手に勘違いしていただけでっ!」


今頃とんでもない間違いしてやがったなアルの野郎っっ!


「知ったところで意味はない」

「た、確かに……」


それよりも今はこの黒いナニかを解かなければならない。

アイミの石化と違って拘束しているわけでもないようだ。微妙にだけど足を持ち上げられる。

ただ、まるで鉄球を付けられたように重い。


「なんだ、これ……文字?」


「私の種族は、字を操るテキス族」

「え、知らなっ!」


「がーん。一応…………希少な種族……だから」


ファンタジーの世界の種族にはそんな特殊な者までいるのか。

申し訳ないことに俺の無知な言葉にショックを受けているミヨだった。


「しかし、がーんって口に出すかね……」


って、冗談を言っている場合ではない。


「でーい、どうすりゃいんだ!」


俺は文字の隙間に指を突っ込む。

イメージは指に嵌めた外れない指輪。

石鹸なんてものはないし、そもそも服の上だから意味はない。って、根本、指が入るのだから、若干のイメージミスはあるものの、思い付くままやってみる。


ミシっと破れる気配に、



「よしっ!」

「――っ⁉」


「追撃をやめないんですわよねっ」


今度は今度で、炎の羽根が飛んでくる。


だが、所詮は急造チーム連携がなっていない。

足のおもりが取れれば、即座にそれを避けるために走り出す。


「こんな程度で驚いてちゃダメ、タダシはそういう人っ!」

「いやっ、どういう人やねん!」


間髪入れずにひどいことを言ってくるアイミから不穏な気配が漂う。

それに俺は源素を目に集中して確認。


出会った時と同様、アイミから黒い源素が俺めがけて忍び寄ってくる。


しかも、


「色が濃いっ、しかもこの感じ、暴走⁉」


さらに、四匹の石の蛇までも襲い掛かってきている。


「成長スピードえっぐっ!」


アイミの本気が俺に襲い掛かってくる。


「やばっ、逃げきれ――」


上下左右逃げ場を失った俺に直撃した。


「はぁ……、はぁ、今度は成功した……」


アルとの闘いの時を思い出し、安堵を口にしたアイミをよそに、嘘のような攻撃を目の当たりにした二人の少女は各々の感想を零す。


「原種の持ち主」


「クラナディア様のお墨付きといったとこですわね」


静寂が結末を物語るように、石化したタダシとそれを飲み込んだ石の蛇だけが残されていた。


時間がずれてしまいましたが、第七話UPしました!


できるかぎり頑張る所存です。

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