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ザライブル THE-LIVE-ROUX  作者: クエイサー
その力、生きる源
5/6

第3話:重なる困惑

次の話までの小休止的な話です。ここからはスマホの方に配慮して内容を2000字前後にしてみます。




どうせ4000字越えに戻るんだろうなぁ…(遠い目)

「あんた…その記号。」


「え?記号ってなんだよ。」


エイミーの問いに、財人は首を傾げる。どうやら、彼は自分の顔の異変に気付いていないようだった。エイミーはポケットから手鏡を取り出し、財人の顔につきつけた。


「うわっ!何これ…『F』?」


財人も今になって気づいたようで、鏡に映る自分の顔に釘付けになる。


「それ、『THE-LIVE-ROUX』の記号よね?」


この反応を見るに聞いても仕方なさそうだが、一応はとエイミーは再度問いかける。


「あっ!そういえば、なんでお前『ザライブル』のことを知ってるんだよ?」


「やっぱり、あんたたちは知らないのね。」


それを聞いて、やはり何か知っているようだと感じた財人は、彼女に頼み込むことにした。


「なぁ頼む、知ってるなら教えてくれ。その『ザライブル』のこと…この世界のことを!」


世界、という単語を聞いてエイミーは目を丸くしたようだったが、やがて全てを納得できたかのように頷いていた。


「世界…?ああ、そういうことね。実際に見るのは初めてだけど、何だか意外ね。もっと怖い人たちだと思っていたわ。」


「へ?そりゃあどういうことよ?」


「そのことについても話してあげたいけど…ここからは離れた方がいいわね。」


「なんでさ…?」


財人がそう尋ねると、彼女は言葉の代わりに周囲を見回して答えてくれた。街中の人々が皆こっちを、いや財人を見ている。しかしそれは興味や関心でも、羨望や崇拝などでもなく…忌避や嫌悪など、嫌なものを見るような目だった。


「何だよ皆、台所のゴキブリ見るような目で人のことじろじろと…。」


当然財人はそれを快くは思わず、ムッとして愚痴を零す。


「それについても話したげるから、とりあえずついてきて。」


「えっと…ちょっと待っててくれよ。」


両手を前に出して彼女に待機を指示すると、財人は叶たち2人がいる場所へと駆け出した。




「洋士、大丈夫か?」


「いてて、正直キツいっす。でも平気っす。うす。」


「洋ちゃん大丈夫?肩掴まって。」


洋士が起きるのを待つこと数分、ようやく目が覚めた彼を叶と2人で肩を貸して移動していた。顔の記号は、エイミーと別れて少ししたら消えていた。


「あ、姉ちゃんありがとう。財人さんもご迷惑をおかけします。」


洋士は自分が情けないと感じているのか、苦笑いで2人に謝る。


「気にすんなよ、お前はモテない俺にとっての希望だからな。いい女期待してるぜ、なんてな。」


「あははは、勘弁してくださいよ〜…。」


はははは、と男2人で盛り上がっていたところで、叶が財人に話しかけてきた。


「あの、先輩。さっきはすみませんでした。非力なのに勝手を言ってしまって。」


(さっきって何のことですか?)


(お前が気絶してた時のことだよ。)


洋士がアイコンタクトで尋ねてきたので、とりあえずの回答で彼に口を挟まないように伝える。


「いや、俺の方こそごめんな。叶ちゃんの気持ちとか考えずに酷いことたくさん言っちゃったし。」


「いいえ、ありがとうございました。さっきの先輩、とってもかっこよかったです。」


「ん?そうかい?イケメンで男気もある財人先輩、今ならお買い得だけどどうかな?」


「え、あ…ま、またの機会に!」


「くそう、これじゃダメだったか。」


次の殺し文句を考えておかねばと、財人は眉間にしわを寄せた。




「それで、気づいたらあの街にいたんです。」


エイミーと共に、財人ら3人は彼女の父であるグラット・ノレイブに再開し、街の離れにある料亭でことの経緯を説明していた。


「そうだったのか、他の保有者に…まだそんなに若いのに、大変な目に遭ったんだね。」


グラットは財人の話を笑ったり、貶したりせずに最後まで聞いてくれた。さっき街中であれだけの人に嫌な顔をされた財人にとっては、それだけで十分に嬉しいことだった。


「いや、まぁ…それで、この世界のことを知りたいんです。あと__。」


「『THE-LIVE-ROUX』。に、ついてのことだね?」


その言葉を放ったグラットの表情が、少しだけ険しくなったように見えた。


「はい。今の俺たちは何にも知らない。今は、少しでも情報が欲しいんですよ旦那さん。」


「うん…分かってる。しかし、ザイト君。君にとっては残酷な現実を突きつけることになる。」


グラットは財人の瞳から目を離さない。つまり、本当に知れば後悔するかも知れないことをこれから話そうとしているのだ。


「それでも、君は聞きたいかい?」


にやり、と財人の口角がつり上がった。


「うどんだな。」


「苦悶ですよ。」


「愚問、でしょ。」


財人の言い間違いを洋士が訂正しようとしたが、それもまた正しくはなかった。呆れながら叶が2人の言い間違いを訂正する。


「…細けぇこたぁいいんだよ!とにかく、元の世界に帰るまで生き残るにはこの力が必要になる…と思う。だから、知ってることは隠さず話してくださいよ。」


「…分かった。それじゃあ、まずはこの世界のことから話すとしよう。」


財人の意志を受け入れ、グラットは語り始めた。この世界の大まかな歴史について__。

次回、保有者襲撃。




内容がぐちゃぐちゃになるならいっそ簡素な異世界転移を書けばいいと思っていましたが、やはりそう簡単でもないですね。

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