赤い蜂
「さ~てどんだけ集まったかなっと」
ウェポ村に着いた俺は、早速素材の量を確認した。
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・石材20
・木材15
・狼毛10
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「あれ?意外に集まってないかも……」
結構頑張って集めたのに。少しがっかりだ。
「これだけしかないけど何が作れるのかな?」
と、頭を悩ませているとまた左上の視界に出てきた。
「他のプレイヤーが作ったレシピがメニューから確認できます」と。
それは便利だな。どんなのがあるのかな?
そこにはちゃんと、持ち手が木で出来ている石剣。石槍。
ランクが下の木剣。
見るからに重そうな石の盾。
等々沢山のレシピが出てきた。
「あ~いまいちだな~」
俺が作りたいのは家とか、そこに置く机とか椅子とかなのにな。
しょうがない。自分で作るしかないか。
「正直装備はほしい。が、大したものは作れないんだよな」
一応確認だけ、な。
見ると、やはり、だった。それも圧倒的に。
「ハァ、じゃあまた湖に石取りに行くか。どこに行ったらいいかわからないし」
あ、そういえば俺の装備……。
「危ない危ない。またモンスターに襲われた時逃げ回るだけなんてきついからな」
これでいいか。レシピの中から一つ石の盾を選択して加工した。
その後左上に「石材5・木材5を消費しました」と出た。
ああ、素材はいつ集まるんのだろう。
よし、これで準備OKだな。
まぁ、剣と盾だけなんだが。
湖に行く途中「ウルファー」に幾度か遭遇したが当然体当たりが効かないので石剣で優しく倒して進んだ。
しばらくして湖についた。俺は何度も湖に潜っては息を継ぎ。潜っては息を継ぎを繰り返して
合計100の石材を手に入れて湖を後にした。
湖の石は……無くなった。
帰り道は棒を拾ってはウルファーを倒し、拾っては倒しとしていると自分の足音以外に奇妙な音がする事に気づいた。
耳を澄ますと「ブ~ン」という羽音のようなものだった。
その音は次第に、ではなくすごい勢いで近づいてきていた。
「方向は――後ろか!!」
気が緩みすぎた!
後ろを振り返ると大きな蜂の形をしていて蜂の黄色いはずの部分が赤色の染まっている。という見た目のモンスター『ドスビー』がこちらに突撃してきた。
大丈夫だ俺には飛刃がある。
「こいっ!!」
俺はギリギリまで引き付けて
「飛刃!!」と叫んだ。
が、目の前のドスビーは倒れていない。
直後、MP切れです。と言う表示が出た。
「嘘だろ~!!」
とりあえず今は逃げるしかない。
しかし、さっきのようにはいかない。何せドスビーは速い。
少し逃げ回っただけでもう追いつかれそうだ。「ブ~ン」という羽音が真後ろで聞こえる。
(もうダメだ)そう心で呟いた時、かなり近くで「ドゴオオオオン」という、爆発音がした。
何だあの爆音。ってそんなこと気にしてる場合か。ひたすら逃げないといけないのに。
俺は力を振り絞って逃げ続けた。
「はぁ、はぁ」
そろそろ限界だ。って、ん?
ふと気が付くと後ろからの羽音が聞こえなくなっているのに気が付いた。
さっきの爆発音で逃げ出したのだろうか。
まあ逃げ切れたんだったらそれでいいか。俺は胸をなでおろした。
すると、また「ドゴオオン」先程より小さいが同じような爆発音がした。
音がした方にいたのは幼馴染の破山 壊斗だった。
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ラフトLv8
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・攻撃:34
・魔力:34
・防御:34
・敏捷:34
・HP:68
・MP:51
・創造:54(20)
・SP(21)
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