硝子一重
君へ。
あれから幾日たっただろうか。
そう、
君が消えた日から。
僕は事実を受け入れきれずに君を探し続けた。
けど、わかってたんだ。
もう君は存在しないこと。
もう会えないこと。
笑いあえないこと。
語り合えないこと。
君がいなくなってわかったんだ。
僕は弱いってこと。
君は自分の事、いつも「弱い」って言ってたよね。
そんなことないよ。
君は僕を守るために犠牲になった。
相当勇気が必要だったはず。
自分が死にかけても、
僕を守ろうとした。
だから今、僕は生きている。
忘れないよ。
君のこと。
そして、君が教えてくれたこと。
君の最後の言葉。
人を憎まないでね。
一生懸命に生きて。
人生は硝子みたいなもの。
紙一重ならぬ硝子一重だから。