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ちーちゃんは片付けが大嫌い。

作者: 大藤さな

ちーちゃんは、片付けが大っ嫌い。


遊んでいたおもちゃも、読み終わった絵本も片付けないで置きぱなっし。だから、ちーちゃんは、「ちーちゃん、きちんとお片づけをしなさい」ってお母さんにいつも怒られてばかりいます。


それでも、ちーちゃんは知らんぷり。片付けなんてしたくありません。だって、また遊ぶおもちゃを片付けたら、取り出すのが面倒くさいんだもの。それに、暗いおもちゃ箱に入れられたら、おもちゃだってかわいそう。


ちーちゃんは、「あっかんベー」ってすると、おもちゃを放り出してどこかへ行ってしまいます。だから、ちーちゃんの部屋はいつも散らかっていて、歩くのも大変。おもちゃや絵本を踏んでしまいそうです。でも、ちーちゃんは気になりません。



ある日、ちーちゃんは友達のさっちゃんから、ビーズで作ったネックレスをもらいました。さっちゃんは、赤、青、黄色、いろんな色のビーズを使って出来たきれいなネックレスをちーちゃんの首に付けてくれました。


「ありがとう、さっちゃん。大事にするね」


ちーちゃんは、うれしくて仕方がありません。ビーズのネックレスをずーっとつけたまま遊びました。

ちーちゃんはおうちに帰っても、ビーズのネックレスをずーっとつけたまま。


「このネックレスきれいでしょう」とか「いいでしょう。さっちゃんにもらったの」ってお父さんに自慢してばかりいます。お父さんんも「すてきなネックレスだね。うらやましいな」なんて言うものだからちーちゃんはもっと嬉しくなりました。


さっちゃんからもらったビーズのネックレスはちーちゃんのたからものです。


ビーズのネックレスをつけたまま、ちーちゃんが布団に入ろうとすると、「眠るときは、ネックレスを外そうね」ってお母さんに言われました。でも、ちーちゃんは大好きなさっちゃんからもらったビーズのネックレスを外したくありません。


「眠っているときまでつけていると、ネックレスが壊れちゃうよ」とお母さんが言うので、ちーちゃんは、仲良しのクマのぬいぐるみに「ちょっとだけ、持っててね」と言ってビーズのネックレスをつけてあげてから眠りました。



朝になって、ちーちゃんはさっちゃんからもらったビーズのネックレスを探しています。


今日もさっちゃんと公園で遊ぶので、ビーズのネックレスをつけて行こうと思ったからです。「お母さん、昨日、さっちゃんからもらったビーズのネックレス知らない?」ってお母さんに聞いてみると、「ちーちゃんは、眠る前にどこへ置いたの」ってお母さんに聞かれました。ちーちゃんは、昨日の夜、どこにネックレスを置いたのか分からなくなってしまっていたのです。


もうすぐ、さっちゃんとの約束の時間になってしまいます。「お母さん、ネックレスどこ?」ってちーちゃんは、大きな声を出します。するとお母さんが「公園で遊ぶんでしょう。ネックレスをどこかにひっかけて壊れたら大変だよ」と言います。お母さんの言う通りです。公園で遊んでいたらビーズのネックレスは壊れてしまうかもしれません。


ちーちゃんは、ビーズのネックレスを探すのをやめて遊びに行きました。



公園に来たちーちゃんは、さっちゃんと一緒に遊びます。「ちーちゃん。昨日、あげたネックレスはどうしたの?」ってさっちゃんに聞かれました。「うん」って返事をしてから「公園で遊ぶときは、ネックレスをどこかに引っかけちゃうからってお母さんが言ってたの」ってちーちゃんが答えました。「壊れちゃったらいやだもん」と付け足します。


「大事にしてくれているんだね。ありがとう」とさっちゃんが言いました。それから、ちーちゃんとさっちゃんは、公園の砂場やブランコや滑り台で遊びました。


「明日は図書館に行こうね」と、そろそろ帰ろうとした時にさっちゃんが言いました。図書館で絵本を読むのならビーズのネックレスが壊れる心配はないでしょう。

「図書館ならネックレスをつけても大丈夫だよ」ってさっちゃんが言うので、ちーちゃんも「うん。明日は図書館で遊ぼう」って返事をしました。



おうちに帰ってきたちーちゃんは、さっちゃんからもらったビーズのネックレスをどこにやったか分からなかったことを思い出しました。ちーちゃんは、ビーズのネックレスを探します。


おもちゃ箱の中を探しても、タンスの中を探しても見つかりません。かばんの中やテレビの周り、お風呂にトイレ。いつもは、入っちゃダメって言われるお父さんのお部屋も探しましたがさっちゃんからもらったビーズのネックレスは見つかりません。困ったちーちゃんは、泣きだしてしまいました。


「ちーちゃん、どうしたの?」って泣いているちーちゃんにお母さんが聞きます。すると「さっちゃんからもらったネックレスがないの」とちーちゃんは、泣きながら答えました。「ちゃんと、お片付けをしないのがいけないんだよ」とお母さんはちーちゃんの頭をなでながら言いました。

片付けをしないちーちゃんの部屋は、ごちゃごちゃと散らかっていてどこに何があるのかがわかりません。


「お片付けをしながら、一緒に探しましょうね」


お母さんが言いました。ちーちゃんは、お母さんと一緒に片付けをはじめました。読みかけの絵本を本棚へ戻して、出しっぱなしのおもちゃは、おもちゃ箱へしまいます。


絵本もおもちゃも片付けたのにさっちゃんにもらったネックレスは見つかりません。あと、片付けていないのは、ぬいぐるみだけです。


「ちーちゃん、ぬいぐるみもいつもの場所に戻してあげようね」


お母さんに言われて、ぬいぐるみがあっちこっちにいることにちーちゃんは気が付きます。ちーちゃんは、タンスの上や本棚の上にぬいぐるみを戻しました。


最後に、クマのぬいぐるみを片付けようとしたちーちゃんはクマのぬいぐるみがさっちゃんからもらったビーズのネックレスをつけていることに気が付きました。


「あっ!あった。クマちゃんが持っていたんだね」


ちーちゃんはうれしくてぎゅうっとクマのぬいぐるみを抱きしめます。「ありがとう、クマちゃん」ちーちゃんは、クマのぬいぐるみにお礼をしてから本棚の上に座らせました。これで、明日はビーズのネックレスをつけてさっちゃんと図書館に行けます。


「見つかってよかったね」とお母さんが笑顔で言いました。「これからは、ちゃんとお片づけをしましょうね」ってお母さんに言われて「はーい」とちーちゃんは返事をしました。

もう、大切なものをなくしたりしないように片付けをする、とちーちゃんは、お母さんと約束をしました。



次の日、ちーちゃんはさっちゃんからもらったビーズのネックレスをつけて図書館へ行きました。さっちゃんは、もう図書館に来ています。


「あっ!そのネックレスおんなじだ」


ちーちゃんは、さっちゃんが首につけているビーズのネックレスを見て、驚きました。さっちゃんがちーちゃんがつけているビーズのネックレスとおんなじネックレスをつけていたからです。


「うん。昨日ね、作ったの。ちーちゃんにあげたのとおんなじやつ」


さっちゃんが嬉しそうに言いました。ちーちゃんもうれしくて、うれしくてさっちゃんに抱き着きました。


「さっちゃん、大好き」ってちーちゃんが言います。するとさっちゃんも「わたしも、ちーちゃん大好き」っといいました。ふたりは、仲良く手をつないで図書館で絵本を読みました。



これからも、ちーちゃんとさっちゃんはずっと仲良しでいることでしょう。



みなさんも、片付けはきちんとして大切なものをなくさないようにしてくださいね。ちーちゃんとさっちゃんからのお願いです。


片付けは、どうしても後回しにしてしまいがちですが

大切なものをなくさないようにきちんと片付けをしないといけないですね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 冬童話2019のタグより参りました。 ちーちゃんの可愛らしさと小憎ったらしさが同居していて、まさに子どもという感じでしたね。ビーズのおもちゃをぬいぐるみに預けるところににっこりし、あっかん…
[良い点] 童話ということを意識されて書かれていると思いました。 [一言] ちーちゃんが大切なビーズのネックレスをずっと身に付けておきたい気持ちが子どもらしく、微笑ましかったです。でも、お母さん、散ら…
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