羽栗翼と羽栗翔 奈良時代に実在した兄弟
羽栗翼と羽栗翔。
奈良時代に実在した、日本人の父。唐人の母から生まれた兄弟についての文章です。
翼と翔。
ピークは過ぎたのかもしれないが、現代的で、男の子によく付けられた名前。
(私の感覚では、これに、颯を加えて、「翼」「翔」「颯」は、男の子に使われる漢字として、今の時代を代表する御三家ではないかと思っている)
さて、その名前を持つ兄弟が、奈良時代に実在していた、というのは、歴史ファンであればご存知のことなのかもしれない。
父は羽栗吉麻呂。
717年、遣唐使で留学生の阿倍仲麻呂の従者として渡唐。
そのまま唐に留まり、唐人女性と結婚。
その二人の間に、719年に生まれたのが翼。その弟が翔(生年不明)。
兄弟は、734年、父の帰国に従い来日。
そのまま日本で暮らした。
翼は官人となり、その後、遣唐使節に従い、唐に渡ったりもしたが、再び。日本へ。
正五位上まで昇り、没年は798年。平安時代まで生き、享年80。
弟の翔も遣唐使に加わった記録、正六位上となった記録が残っているようだが、当時は安史の乱により、唐は政情不穏。
行路が危険と、藤原清河とともに唐に留まる。
記録はそこまでで、その後どうなったかも没年も不明とのことだ。
奈良時代に実在した翼と翔の兄弟。
現代からタイムワープして、奈良時代に至り、そのまま戻ってこれなかったのかな。
そんな想像をしてしまう。




