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七欲将


 俺は謁見の間(仮)である領主の館の食堂(改築済み)に全員を集めた。

 先ほどはいなかったネカマも勿論連れてこさせた。


『フィーリナよ、ここにいるのは君に仕えると約束した実力者たちだ。既に私が面接して、厳選したが、もし君が気に入らなければいつでも言って欲しい。すぐに別の者を用意してこよう』


『構いません。ビリーさん、あなたが選んだ方に間違いはないと信じておりますから』


 この子、なんで俺に対して信頼度やたら高いのよ。

 まあ、都合がいいのは決して悪い事じゃない。

 お人形さんはただそこに飾られることにこそ価値がある。


『フィーリナ、私に敬称は不要だ。本来であれば私こそ、君を敬うべき立場だが、私は君と対等でありたいと思っている。故に公式の席以外ではこうして気安く呼ばせてもらうが、立場上は目下だということを覚えておきたまえ』


『わかりました、ではビリー。皆を紹介してくれますか?』


『ああ、勿論だとも』


 さて、まずは内部の、要するにこちらの陣営のプレイヤーである俺以外の六人にあくまでこの集団のトップはフィーリナであり、それを盛り立てるのが目的だと再確認するための儀式だ。


「そういうわけで、諸君。俺たちが仕える国のトップであるこのフィーリナにご挨拶してもらうぞ」


「ならば俺から行かせてもらうぞ」


 名乗りを上げたのはシキリンこと、ジャステスだ。

 フィーリナの前で膝をついて頭を下げる。

 流石に騎士団長を名乗るだけあってしっかりと騎士らしく振舞っている。


『女王陛下、改めまして御挨拶させていただきます。私の名はジャステス。弱き者を助け、悪を挫く為、我が同胞と共にチュートンリアル騎士団として治安維持に尽力させていただきます。我らが剣を貴女様のような美しい方の為に振るえる事を団員一同、歓喜に酔いしれております』


『ジャステス、貴方の事は民からも聞きました。今後もその力を民の為に尽くしてくれることを望みます』


 何がすごいってこいつの率いるチュートンリアル騎士団が完全に私兵でしかないことだよな。

 しかも練度、忠誠心共に高い水準を維持しながら拡大している。

 この集団の中で最も高い戦力を持っているのは間違いなくこいつだ。


 次は……ネカマでいいか。


「次、ヒルメな」


「え、出番早くない? えーと」


『おほん、えー、その私ヒルメ言います。あなたに仕えるのがとても幸せ。今後ともよろしくお願います』


『ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いいたします』


 下手くそ過ぎない? 大丈夫? 義務教育ちゃんと受けてる?

 まあ、いいや、ついでにハルも済ませておこう。


『フィーリアよ、こちらの者はハルという。真面に話すことが出来ないので私から紹介しよう。彼女は食べ物を報酬に求めている。質は重要でないが量が必要だ。だが、その分よく働くだろう』


『ありがとうございます。早急に手配いたします』


「それじゃあ、次は私かな」


 エロ枠こと、サキュバスのリリスが名乗りを上げる。

 ジャステスとは違い、むしろ偉そうに胸を張って立ったままだ。

 臣下の礼などする気はないらしい。


『初めまして、私はリリス。私は貴方に仕えるつもりはないのでけど、協力はしてあげる。私の人脈を用いれば……世界だって取れるわ。勿論相応の対価を頂くけれど』


『リリス、貴女の助力に感謝します。私が払うことのできる対価は少ないですが、可能な限りの物を用意させていただきます』


「うわぁ、超ビッグマウス。でも幹部にはやっぱこれくらいの癖があった方が滾るよな」


「わかる。でもどう聞いても邪神とかの眷属で黒幕って感じの自己紹介だよね」


「シャラップ! 貴方達に言われたくないわ!」


 ごもっともである。


「次は、カテキン。君いってみようか」


「あ、はい。でも何を言ったらいいものか……」


「大丈夫大丈夫、何言ったって別に問題ないでしょ。現に私のあれが問題無いんだし」


『えー改めましてフィーリナ陛下。俺はカテキンと申します。非才の身ではありますが、少しでも陛下の支えとなれるよう、尽力いたします。……いつまで居られるかは、定かではありませんが』


『カテキン、例え限られた時であってもその尽力は私の一生を助けるでしょう。頼りにさせていただきます』


「固いなぁ」


「あんたたちが緩すぎんだよ! もう!」


 なんかキャラ崩れてんぞ、カテキン。


「で、あれば次は私の番だな。そう、このニュクスの!」


 おう、余計なこと言うなよ。


『我が名はニュクス。またの名をヘル、死を司る女神ヘルである。喜ぶがいいフィーリナよ、お主は神を従えるのだ。ただし、その死後に安寧があると思うでないぞ?』


「どう聞いても邪神です。本当にありがとうございました」


「言い訳の仕様がないレベルで悪役だなぁ、これは」


『……死後、この魂を裂かれようとこの身を民に捧げると誓いました。私の死後程度のもので貴女ほどの方の尽力が得られるのであれば、喜んで』


 余計な事しか言ってない気がするぞー。

 後ろでカテキンがすっごい顔してるぞおい、般若みたいになってるぞあいつ。


『我ら七欲将、君の為に力を尽くそう。さあフィーリナよ、望みを言うがいい。君の欲は我らの欲となり、その全てを叶えよう』


 うん、やっぱり俺ら完全に悪役のそれだよな。


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