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×2 少女の秘密  作者: 有栖川優悟
1/8

*玖

岸波きしなみ おうぎ

この作品の主人公。平凡な無能力者ブランカーの少女だったが、異形達を見返すためにアヴァロンへ入り、“破壊の狂戦士”ベルセルクとして異形を抹殺する行動に出始める。

笹部ささべ 穂香ほのか

無能力者とクタニドのクォーターで、嶋村の従姉妹でもある。ちなみに目が金色なのは遺伝である。また、怒ると怖い。

吉野よしの 陽菜はるな

サバサバした性格のクトゥグアの少女。炎を操ることができる。いちごミルクをこよなく愛する。

間宮まみや しのぶ

穂香と扇の間の席の少女。イモータルであるためか、異常なまでの自殺願望を持っている。紅茶に飴玉と練乳を入れて飲むくらいには甘党である。

時坂ときさか 神楽かぐら

このクラスには数える程しかいない無能力者。不幸体質で、スクールバッグにいつもお守りをつけている。


駿河するが 東香とうか

三年B組の、ハスターの少女。生徒会長を務めている。基本的に何でもできるので、扇に劣等感を持たれている。

日笠ひかさ しきみ

三年B組の、雪女の少女。コードネームは「エンジェル」。

能前のうまえ 菊里くくり

三年C組の、妖狐ようこの少女。コードネームは「エクスカリバー」。

すめらぎ 昏羽くらは

アヴァロン本部長(長官)を務める、死神の女性。

 私立銀庭(ぎんてい)学園。

 朝葉原ともはばらにある併設型の女子中高一貫校だが、高校の募集も行っている数少ない学校となっている。全日制課程の学年制で、設置学科は普通科。学期は二期制である。指定のブレザーがあるが、私服も認められている。

 今日は始業式。岸波きしなみおうぎら編入生も、大抵はここからのスタートとなる。


「編入生を紹介する。…岸波!」

 がらりと開いた扉の向こう側から、一人の少女が歩み出す。

 ウエストくらいまで届く、長い黒髪。青と紫の間の色を映した瞳。中学三年生が着ると明らかに編入したてだろうと思わせる、まだ着古されていない制服。

「わあ、すっごい美人!」

「どんな人だろー…」

「ものっすごい力を持ってる子かなあ!」

 クラス中から歓声が上がる。

「それでは、自己紹介を」


「岸波扇です。よろしくお願いします」

 まるでちた天使のような、月夜の似合う魅惑みわく的な少女――岸波扇は、そう言った。



***



「岸波さんって、前はどこの学校いたの?」

 青い髪に黄色いヘアピンをつけた、セミロングの少女が聞いた。

「静岡に、二年くらい。その前はずっと朝葉原」

「じゃあどこかで会ってたかもね!忘れちゃってるだけみたい!」

「…そう」

「ねえ、編入生ちゃんってどんな種族?」

「ちょっと陽菜はるなちゃん、それいきなり聞いちゃう?」

 ミルクティー色の髪をツーサイドアップにした少女が、赤髪ポニーテールの少女にツッコミを入れる。

「…無能力者ブランカーだよ」

「えっ…?」

「だから、私はただの無能力者。つまり、凡人だっての」

「もしかして私の仲間?」

 金髪を耳の後ろで二つに結わえた少女が歓喜する。

「…君も?」

「そう!無能力者だし、おまけに不幸体質なの!私、時坂ときさか神楽かぐら!よろしくー!」

「神楽、か…」

「私はクトゥグア、吉野よしの陽菜!陽菜って呼んでいいよー。よろしく、岸波ちゃん!」

「陽菜ね、よろしく」

「そんで私が笹部ささべ穂香ほのか。一応クタニドっていう種族なんだけどね、嶋村先生の親戚ってこと以外は普通なんだよね」

 そう語るクタニドの少女は、慈愛に満ちた黄金色の目をしている。

「穂香ちゃんは皆を守りたいと願ってる、強く優しい女の子なんだよ!」

「あはは、私は願うことしかできないんだけどね」

「…穂香っていうんだ。そっちは?」

間宮まみやしのぶ、です…イモータルなんだけど、わかる?」

「ああ、この子ね。イモータルって言って、要するに不死身なの。この子も結構凄いんだよー!死なないどころか、病気にならないし、怪我けがの一つもしないの!凄くない?」

「え、いや、私そんな凄くないし…私からはどうすることもできないもん。私を救済ころしてくれる人がいればいいのになあ…」

「もう、間宮ちゃんってば!」

「間宮さん…忍でいいかな?」

「いいよ、いいけど…そっちは?」

「扇で構わないよ。皆も」

「じゃあ私は扇ちゃんって呼ぶー」

「岸波さん、でいいのかな」

「私らは岸波ちゃん呼びを続けよ?」

「あ、じゃあ私も岸波ちゃんって呼ぶわ。扇なんて気安く呼べないよ~」

 特に何も変わらない、昼休みだった。ただ、話している少女たちの――いや、この学級の大半が異形であること、それ以外は。

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