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詩*日常から*

バスを待つ

作者: a i o

身を乗り出して

手を上げないと

止まらないバスを待つ


お情けに置かれた

色褪せたベンチに座りながら


目安にもならない時刻表を

ぼんやりと眺め

過ぎ去るセーラー服

たなびくプリーツスカート


バス停を飛び飛びに

終着地を次々と塗り替え

世界を広げたのは

いつの頃だろう


紫のランプを押す手に

躊躇いばかりを乗せていたのは


明日会うことを屈託もなく

信じて君と

手を振り合った


どんなに遠くへ行っても

最終のバスの時刻を

頭に叩き入れ

心の端で

帰りたくはなかった


あの頃



時間どおりには

来やしないバスを待つ


けばけばしい

パチンコ屋の自動ドアに映る

くたびれたシャツ

意固地な丈のスカート


帰れなくても

焦ることのない胸が

時を打つ


帰りたくはなかった

あの頃へ


もう帰れない

この場所で










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― 新着の感想 ―
[良い点] 情緒があっていいと思いました。待ってるけれど決して来ない戻れない昨日。過ぎ去った昨日は、追いかけて来てはくれませんね。
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