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巨大鬼姫物語  作者: 小人解説者
7/8

其の七 ガリガリ・レオンからの贈り物

「天体が動いているのではなく、この地球自体が回っているのだ」イタリアのとある街の公会堂で、天体物理学者ガリガリ・レオンが地動説を唱えておりました。しかし、当時のヨーロッパの国々ではキリスト教による天動説が正しいとされていたので、彼の説は神への反逆と見なされていたのです。「このままでは異端者として捕らえられるのも時間の問題。せめてこの新作の地球儀を我が友リュウノスケに預けたいものだ」実はガリガリ・レオンと酒井隆之介は、かつて共に科学を学んだ仲だったのでした。

ガリガリは手紙と共に地球儀を隆之介のもとへ送った後、教会の使徒達や役人に捕らえられてしまいました。数ヵ月後、その贈り物は高取城に届きました。包みを開け、手紙を読む隆之介。“親愛なる隆之介。この手紙が届いた頃、私は全能の神・キリストに背いた罪で異端審問を受けているでしょう。さて、この新作の地球儀は…”

隆之介はその地球儀を持って、鬼姫の部屋へ急ぎました。「姫!お願いがございます」慌てふためいた隆之介を見て鬼姫は驚きました。「な、何事じゃ?それにそなたが持っているその妙な物は?」

「はっ!此なるは我が友ガリガリ・レオンより譲り受けた地球儀と申す物にございまする」

姫の前に地球儀を差し出す隆之介。両手に取って隅々まで眺める鬼姫。

「ほほう、青々とした手鞠とは珍しい」

隆之介はガリガリからの手紙のことを詳しく話して聞かせ、この地球儀のことも話しました。「何と!この地球儀とやらに起こる事が現実にも起こるとな。ではガリガリとやらを助けねばのう」鬼姫はさっそく地球儀のイタリアの部分を右手の親指と人差し指で摘まみ、軽く揺すりました。

イタリアのとある街―――

ゴゴゴゴ…ある日の昼下がり、突如イタリア全土は大地震に見舞われました。人々は皆 神に祈り地面にひれ伏しました。

ガリガリを審問していた異端審問官も慌てて逃げ出しました。ガリガリには鬼姫の巨大な顔や手指がはっきりと見えていました。「す、凄い!そして美しい…隆之介の国では鬼姫と恐れられていると聞いたが、私にとってはマリア様のように見える」彼もまた隆之介と同じような性癖があったようです。「もっとだ!もっと彼女の力を余すとこなく見てみたい」その思いが通じたかのように鬼姫はじわじわとイタリア全土を弄びました。隆之介もまた鬼姫の冷たい笑みに見とれていました。「次はこの川を氾濫させてくれようぞ、それっ」鬼姫は人差し指で川を塞き止めた為、付近の街や村落は洪水で押し流されてしまいました。最後に鬼姫はヨーロッパ全土をじっと見つめ「よいか!ガリガリ・レオン殿の申す事は、物の道理じゃ。今後またガリガリ殿に仇為すならば、お主らの国を成敗いたす」鬼姫の言葉は各国それぞれの言語として人々の頭の中に響き渡ったのでした。「姫!我が友を救って頂き、かたじけのうございまする」鬼姫に深々とひれ伏す隆之介。「礼には及ばぬ。そなたの友はわらわの友も同然じゃ。それにしてもガリガリ殿も隆之介と同じ性癖があったとはのぉ(

笑)」照れくさそうに、また内心嬉しい鬼姫でした。それから数ヵ月後、ガリガリ・レオンの地動説が正式に認められたと言う手紙が届きました。


今回のはご存知のとおり、ガリレオ・ガリレイのパロディーです。しかし、いくらパロディーとはいえ、このネーミングは…という突っ込みは禁止ですので悪しからず(笑)。

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