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巨大鬼姫物語  作者: 小人解説者
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其の五 キリシタン惨殺

フランシスコ・ザビエルが我が国にキリスト教を伝えて数ヵ月後、此所 高取領内にもキリスト教が広まりつつありました。―高取城内―

鬼姫の学問係を担当する酒井隆之介は、キリスト教についての講義をしておりました。

「イエスキリストは全ての人は皆 平等であると説いておりまする。大名、武士、平民や農民も皆同じ人間と言う意味にござります」聖書を片手に説明する隆之介。

皆平等と聞いた途端に怪訝な表情になる鬼姫。「されば隆之介も平民並びに農民と同じとな?」「さようにござりまする」

すると鬼姫は怒りを顔に表し、勢いよく立ち上がりました。

「許さぬ、許さぬぞ!わらわの隆之介が虫けら共と同じじゃとは…そのような邪教は断じて許さぬ」鬼姫にとっては平民、農民達はアリンコ同然なので、そんな虫けらと愛しの隆之介が平等であると言う教えが気に入らなかったのです。

その翌日、姫は高取領内にキリスト禁止令のおふれを出しました。勿論城内でもキリシタンの武将を厳しく取り締まりました。しかし近郊の村落では、密かに森の中に建てた教会に農民達が集い、キリストの教えを乞うておりました。「心の中に揺るぎなき信仰を持っていれば、鬼姫をも退けることが出来るでしょう…アーメン」「アーメン」一斉に祈りを捧げるキリシタン達。

数ヵ月後、ついにこの場所も奉行所の役人に見つけられてしまいました。

「これよりキリシタン共の征伐に参るぞ。隆之介!共をせい」鬼姫は愛馬「百鬼丸」に跨がると、隆之介も自分の後ろに乗せました。「しっかり捕まっておれ!ハイヤァァー」鬼姫と隆之介は例の教会へ向けて百鬼丸を飛ばします。

村落を過ぎて森の中をしばらく行くと、讃美歌のメロディーが聞こえてきました。「あれじゃな。」隆之介の手をとり、馬から降ろす鬼姫。隆之介はその教会に見とれて棒立ちしていました。「う〜む、あのステンドグラスの美しさよ…」そんな隆之介を見て少しムッとした鬼姫は、梅柄の赤い着物に包まれた右腕の袖をまくり、彼の目の前に差し出しました。「隆之介!このような毒々しい物に心を奪われるか。わらわの美しい腕を見て正気に戻れ」透き通るような白い肌、細長く形のいい指、隆之介は はっと我にかえりました。「姫、拙者が踏み込みましょうぞ」すらりと刀を抜く隆之介。「それには及ばぬ。わらわの虫けら退治を見て、萌えるが良いぞ」満面な笑顔を隆之介に向ける鬼姫。教会の方に向き直ると、残酷な笑みを浮かべ、巨大化を始めました。ゴゴゴゴ…「このキリシタン共!わらわが成敗してくれるぞ」ガッシャァァン!メリメリッ。鬼姫は右手でステンドグラスを粉々に砕き割り、中に居るキリシタン達を捕まえていきました。これから鬼姫の殺戮が始まります。

「わらわの美しい手で握り殺してくれる」ミリミリッ…ぐしゃぁぁ!一瞬にして数人のキリシタンが握り潰されました。左手指でキリシタンを地面に押さえつけ、懐から短刀を抜く鬼姫。「お主の口の中を切り刻んでくれる」ザクッ!ベリベリベリッ…次々に短刀で彼らを切り刻んでいきました。また鬼姫自慢の髪の毛で数十人のキリシタンをまとめて絞殺したり、草履履きの足で蹴り殺し、踏み潰していきました。

キリシタンを1人残らず惨殺した後、短刀で教会をズタズタに切り刻み、両足で踏み潰してしまったのです。「キリシタン共もこれで懲りたであろう。ホーホホホホ…」

鬼姫の勝ち誇った笑い声が森中に響き渡っていきました。


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