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巨大鬼姫物語  作者: 小人解説者
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其の四、フェチ道侍・酒井隆之介

百姓一揆の鎮圧で深い痛手を負った隆之介も鬼姫の手厚い看病のかいあって、すっかり良くなっておりました。実は彼には誰にも言えない性癖がありました。それは、彼の憧れでもある奈津姫(おあき)が美しい手や脚で様々な物を破壊する姿を見ると萌えを感じることです。

しかし、そんな事を鬼姫にお願いするなど恐れ多いと思っているので、妄想にふける日々を送っているのでした。

今日も隆之介は西の館に閉じ籠って何やら作っております。

「よし!これで完成じゃ。蘭学を極めた拙者にとって、このくらいの模型を作ることなど造作もないことよ…はっはっはっ」それは織田信長の居る名古屋城の模型でした。「よし!今日こそは思いきって姫君にお願いしようぞ。うう…心之臟がはしゃいでおるわい♪」胸の高鳴りを抑え切れずに鬼姫の居る天守閣へ速足で向かう隆之介。

「奈津姫様!隆之介にごさいます」障子の前に膝まづき声をかけました。「おお!隆之介か!苦しゅうない、入れ」透き通るような声で応える鬼姫。

「本日は奈津姫様の為にこれをお持ち致しました。」先程作った名古屋城の模型を差し出すと、鬼姫は満面な笑みを浮かべながら舐めるように見渡しました。¨この模型を姫君の美しい手や脚で壊して頂けたなら拙者は本望じゃ。¨

その時、鬼姫は彼の顔を覗き込んで「そなたの望みを申してみよ」と鬼姫。

「ど、どうか姫君の…その、美しい手や足で、う、薄汚いこの城を壊して頂かたく、そ、候…」「お安い御用じゃ!そなたの為ならいくらでも見せてくれようぞ♪」顔をほんのり赤らめながらそう言いました。模型の前にしゃがみ込み、「わらわの破壊劇をとくと見よ!ちこう寄れ」手招きして隆之介を近くに来させると、右手で鯱を引きちぎった。ベリベリッ!「ふんっ!金の鯱など生意気千万!次は…ほうら、信長の居る天守閣じゃ」バリバリ…鬼姫は天守閣の部分に右手を突っ込んで中をかき回しました。

「わらわの蹴りをくらえぃっ」バッコォォン!姫のひと蹴りで城の上半分が粉々になって吹き飛びました。

おもむろに懐から短刀を抜くと、残った下半分を切り刻みました。ザクッ ザクッ…「とどめは…わらわの美しい握り拳じゃ!えーいっ」バッコォォン!

鬼姫は右手の握り拳で完全に叩き潰してしまったのです。

「ハァハァ…どうじゃ隆之介、わらわの破壊劇しかと見たか?「あ、有り難き幸せに存じまするぅぅ」隆之介は顔を真っ赤にしてひれ伏しました。高取城足軽頭 酒井隆之介、家臣達の間ではフェチ道を貫く男で通っていたのです。


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