#17
夕食後、ピアスを外して庭に出る。
満天の夜空。生い茂る木々。見えないし聞こえないけど居るのがわかる世界の愛し子達。ポケットとアクセサリーにしまっているキラキラたちをばら蒔く。どんな状態でも優位に立つように全ての属性で、尚且つ私の持っている最高位のキラキラたちを使う
“神”と呼ばれる管理者たちをこの場に引きずり落とすために。
私の周りには竜巻・地割・落雷と様々な天変地異が起きているが、キラキラのおかげか、はたまた周りで防護の陣を作っている隊長達のおかげか傷ひとつついていない。
管理者達の抵抗力が落ちてきたところで、力を蔦のように四肢に絡ませ落とす。
ドサと音と共に土埃が舞い上がるが、斜め後ろからの突風で服が汚れることは無かった
引きずり落とした管理者はなぜこんなことになったのか分からない顔をしている。
それを見て「お初にお目にかかります。管理者どので合っていますか?」と話しかけている叔父。問題の説明とかは現神殿長にお任せする予定なので、そのまま寝に部屋に戻ろうとするとふらつきバランスを崩す。
当たり前のように倒れる私を抱き止める隊長。同僚に寝具の用意を頼みつつ抱き上げ運んでくれる。
「観月はいつも無理をする。俺たちは必要ないのか?」とフードを被せながら聞いてくる隊長達。
別にそんなことはないのだけれど…
「今回は私の手でやりたかったの。できることは自分でやらないと出来なくなるでしょ?」とアクビをしつつ答える。
「そうか。でも、頼って欲しいぞ」と言う隊長に同意して皆が頷いている。
そんなものなのかな?と思考しているも体は睡眠を要求していて動かすのが億劫になってしまう。
端から見たら寝に入ったようになるのだろう「寝てしまったな」と言いながらベットに寝かされる。
周りからは「疲れたんだろう」と笑いを含んだ声が聞こえる。
ドアが開く音と「寝たか?」と叔父の声を聞いたような気がしたがそのまま寝てしまったのだろう。
目を覚ましたら朝だった。
朝食を食べに隣の部屋に行くと皆が揃っていた。
「おはようございます。昨日の件ってどうなったの?」と叔父に聞くと
「説明して神殿長に渡したぞ。“神子”については理解されていた。どう出るかはわからないがな」
そうなんだ~とご飯を食べていると重役がのんきに話していますが!!と激怒しているも私の分ではないからどうにもなりません
「重役どの。この件は、貴殿の国の問題。本来は観月がでしゃばる事はないのですよ。迷惑を被って居るのはこちらの方なので、賠償して欲しいぐらいなんですよ。正しい道筋としては貴方が管理者を落とし“神子”について話を着けなければならないのですよ。その為に保護したのですから」と説明している叔父。
「しかし」と言い淀む重役に「今回は、観月の嫌がらせだもんね」と追い討ちを掛けている隊員の朱雀。
「嫌がらせですか」
「そ。国の仕事をとる気はないんだよ。突然落とされたらビックするだろ誰でも」と言葉を引き継ぐ太智さん。「完全に八つ当たりだ」と隊長。
駄目ですかね?部下のミスは上司が尻拭いとか…
「責任をとるならばそうだけどな。今回は違うだろ?」と叔父。
そうなんだよな~。落としたのは畑違いの人。この人がいないと地味に運用に支障を来す人を落としてみました。
八つ当たり。完全に八つ当たり。意味がわからないまま落とされた人もだけど、部下のミスに対応するにもあの人がいないとスムーズに行かないとかね?
畑違いだからとかわがまま言えなくなれば良い。と思いながら落としてみました。
ま、対価としてはキラキラの手持ちが無くなったことと2・3日隊長達のご機嫌を直してもらうため頑張らないといけないくらいですが…。




