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台所で料理する2 (もうひとつのラスト)幸福のラジオ

作者: 朧月

静かな掌編です。

台所とラジオ、声の話。

書けば、本当にかなった。


三重奏王子は、毎週ラジオから声をかけてくれる。


笑顔と、声と、整えられたスタイル。


すべてがととのった、

ペンをかしてくれた人。


本当は、おとといも聞けたのに、

そのラジオさえもわすれて、

伸子さんだけとの世界にいた。


今日、2025年3月10日。


まわりのひとたちすべてに甘えて、

あなたといる。


伸子さんと、スマホをつなげて

ラジオを一緒に聞いたこともあった。


伸子さんが偶然出会った三重奏王子は、

また名古屋で、ひとり旅をしているような気がする、という。


そして、毎週土曜日に

ラジオのマイクの前に立つのだ、きっと。


伸子さんが一緒にしたという、

世界の水道インフラ「虹の輪」の話を聞かせてもらった。


あれは、きっと

大変な旅だったにちがいない。


こんな複雑な社会で、

私たちができることへの道筋はむずかしい。


そんなところを微塵も見せないのが、

彼のすごいところだね、と

伸子さんと笑った、先週。


書いた願いは、続く。


豪華なさよならコンサートを見たい。

——これは、これから。


平和でありたい。

——これも、これから。


伸子さんからもらった本は本当にすごいから、

きっと大丈夫にちがいない。


お孫ちゃんの楽しい誕生会を開きたい。

——あっという間に叶った。


千歳の着地。

すばらしかったね。


心のインフラをつなげたい、と。


幸福のラジオが、始まる。


いつものように支度をして、

「おはよう、元気?」と声をかける。


朝。

朝。


今日が、今日が——。


納豆、お味噌汁。

朝の食卓。


父に会えた。

伸子さんにも会えた。


えっ?

ラジオの君、猫を飼っているの?


何もしたくない。

何もできない。


同じだわ。


目を閉じて、

ただそっと、イメージする。


世界にひかりがさす。


やわらかな大地と海。


台所からの、一滴。


台所の蛇口のレバーをあげると、

声がきこえるわ。


たどってきた人に、

お礼を言うわ。


ありがとう、と。


そして、さよなら。


ペンをかえすわ。


読んでくださってありがとうございます。

書くことで、かなうものがあると信じています。

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