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最弱で最速の魔術師 〜学院落ちこぼれが独学魔術で規格外になるまで〜  作者: 北風
第3部 速度理論:魔術と呼ばれる日
36/41

「それぞれの道」

焚き火が小さくなる。

夜明けが近い。


エリオットは、ノックスの背中を見る。


「戻ろうとは思わないのか?」


ノックスは首を振る。


「戻る場所じゃない。

僕は、作る側になりたい」


エリオットは立ち上がる。

その横顔は寂しさと幸福で揺れていた。


「……変わったね、ノックス」


ノックスも立つ。


「変わりたいと思ったから」


エリオットは言う。


「努力だけじゃ届かない未来が、君には見えたんだね」


ノックスは静かに答える。


「努力で届かない未来を、努力の形で繋げる。

それが速度だと思う」


エリオットは微笑んだ。


「……ずるいよ。

君は努力を否定したいんじゃなくて、“別の努力”を作ろうとしてる」


ノックスの目が揺れる。


「そうだよ。

努力が報われる世界は壊したくない」


エリオットは手を差し出す。


「よかった。

君は――まだ“努力”を信じてる」


ノックスはその手を、強く握り返す。


「いつか、“速度の努力”を見せる」


エリオットは涙をこらえるように笑う。


「じゃあ――僕は努力で追いかける」


二人は手を離す。


違う道へ進むために。


速度の先へ行くノックス。

努力の未来を信じるエリオット。


どちらも間違いではない。 どちらも正しい。


それが――革命の中心にある“痛み”だった。



---


川の音が流れ続ける。

焚き火は消え、世界は少しだけ明るくなる。


誰も知らない場所で。

まだ名前もない魔術が、静かに育っていた。


速度は孤独を作る。

だが――孤独だけでは終わらない。


未来で再び交わる日が来ると信じて、

二人はそれぞれ歩き出した。


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