6話. 目覚めの刻
7話目
ーーーーーーー目が、覚める
なぜ?
僕はあの時しななきゃいけなかったのに
「おい、起きたか下民。」
「ビエルサ男爵令息様...?」
「ああ。お前を生かしたのも俺だ。」
「なぜ、ですか?」
「お前が言ったのだろう。共に罰を受けると。」
「あ。」
そうだった。
でも死で償うつもりだったのに。
自身で罰を受けさせなければ気が済まないのか?
「さて、私からお前に課す罰は、」
拷問刑かな?それとも磔?
ーーーーーーー「真実を知る、だ。」
え?
「それでは罰にならないのでは?」
どういうことかも分からなかったが、とりあえずそう言った。
「いや?罰になるさ、とびっきりの、な。」
"下衆"その言葉しか思い浮かばない凄惨な笑みを浮かべた。
「では、執行する。」
何がどうなっているんだ?
"真実"とはなんだ?
「まず、とは言わなくても良いか。」
「ライドナーはな、裏切ってなどいないのだよ」
「は?」
え?
「聞こえなかったか?」
「では、」
「もう一度言おう」
「言わないでくれ」
「ん?」
「喋らないでくれ」
「聞こえんぞ?」
「教えないでください、理解させないでください、お願いします」
「はっっはっはははははははは!」
「言っただろう?」
「とびっきりの罰となると。」
「あ。」
「では続きを話そう。」
中断させたいのに、止められない。
知りたいと、心の奥で願ってしまっている。
「ライドナーにはな、お前と話した後、護衛を通じて"あの場所に皆を1時間後に集めよ"」
「そう、命じていた。」
え、じゃあ、それじゃあ、ライドナーは、
「ははははは!お前は賢いからな、理解した通りだ。」
「"ライドナーは俺の命令を守っただけだ"」
ああ、やっぱり、
あれ、でも"裏切った"って?
「お前は今考えているだろう。」
「"裏切った"とはなんだ?と。」
「...」
「それはな、ライドナーには、"この話はお前にもしてある"そう言っておいたのだよ。」
...? ん?
あ? あああ、あああああああああああああああ!
じゃあ、まさか!
「そこまで頭が回るとは、"私個人で抱えておきたかったな?"」
先ほどの凄惨な笑みとは比べものにならないほど愉悦と喜色に歪んだ笑みを浮かべる。
「お前ぇぇぇぇぇええええええええええええええ!」
「そう。その通りだ!」
「"私に売られたと勘違いした"そして"この話がライドナーの妻から皆に広まっていた"」
ーーーーーーそれが"真実"だ。
「さて、これで刑は終わったが、街の皆から嘆願書が来ていてな?」
「どんな内容だと思う?」
「俺を、自分たちの手で殺させてくれ、だろ?」
「はっはっは。正解だ。」
「もう、好きなようにしろ。」
「言われなくとも。」
「衛兵!こやつは私に暴言を吐いた!四肢の骨を折って街の広場に磔にしておけ!」
ーーーーそして、僕、いや『ギルト』の人生は幕を閉じた。街の人たちに哀れみと罪悪感を感じながら。
ーーーーーユルサナイ
やっと出ましたねー
本性。
名前通りゲスでしたね。芯は通っていますが。
あと何気に主人公の名前初出しなんですよ。
ギルト(←ギルト=罪悪感)
こんな感じです。
次章もよろしくお願いします。