花魁アイドル「兎魅アナ」
【オオエドシティのとある豪邸】
あちき――兎魅アナは、
真っ暗な部屋の中、アイドル衣装である「ウサ耳着物」の胸を大きく上下させていた。
部屋には、あちきが大好きな”ROCK sub LOW ”のアッパーなトランスが流れている。
「あはっ!
あははははは!!
アナ!すっっっっごい!気持ち良い!!
ねえ?みんな?もっとアナと”ドウセツ”してよ!
アナを、みんなで一杯にしてよ(悦)!!」
暗闇の中、大型の10個のディスプレイが光っている。
そこにはあちきのプレミアムリスナーちゃん達の様子が写っている。
それぞれ後頭部に”VRケーブル”を付けている。
あちきも”VRケーブル”をして、群青色のサイバーダイブチェアに座っている。
あちきは、胸の谷間に汗の水溜まりを作り、左の御御足を高く上げながら、可愛いリスナーちゃん達に言う。
「え!?もう終わっちゃうの??
『ウサギのアナの百姓』ちゃん!ザコ過ぎ(藁藁藁)」
腰から背骨から電脳にかけて甘い刺激が駆け巡り、あちきはうっとりとする。
あちきの頭から伸びるウサミミが、大きく震える。
リスナーちゃん達のコメントが、あちきの電脳内に表示される。
//ウサギのアナの百姓:『むりだべ!オラ!終わってしまうだよ!』
//寺前ジュウショク:『せ、拙僧も、もう無理でございます。電脳が燃えて!!』
//アナが大好き:『電脳が!焼き切れる!!!!』
「えええええええ??一気に三人も!?
ダメだよ?? せっかくのプレミアム会員特典なのに??
アナは、まだまだ”ドウセツ”出来るよぉ??」
//ウサギのアナの百姓:『ひでぶっ!!』
//寺前ジュウショク:『ぬわーーっっ!!』
//アナが大好き:『くぁwせdれftgyふじこlp!!』
「ダメダメダメダメダメ!!
みんな!終わらないで!!あちきを一人にしないで(泣)!!」
//春画コレクター:『ぐっはあああああ!!』
//アナドラゴン:『うぼぁあああああああ!!』
//ガチアナ恋侍:『ほぁああああああああ!!!』
「ダメダメダメ!ダメだってばぁ!!みんな、早過ぎだよぉ!!
先に、終わらないでぇ!!
アナともっともっと!たくさん繋がってぇぇぇええええええ(号泣)!!」
あちきの懇願も空しく、プレミアムリスナーちゃん達は、どんどん”ドウセツ”を中断した。
そして、最後のリスナーちゃんが居なくなり、あちきは接続を辞め、ヘッドセットを取る。
あちきの目の前の10個のディスプレイの全てに、砂嵐が映っていた。
スピーカーからも、「ザー」っていう音が溢れてあちきの部屋を満たしていた。
あちきの垂れ目で超キュートなお目々から、涙が一滴、流れる。
「う、うううぅぅぅ……(泣)
またみんな、あちきを残して終わっちゃったぁぁ……(泣泣)
どうしてぇ?どうしてぇ?
なんでぇぇぇぇぇぇ??」
あちきは、サイバーダイブチェアから立ち上がる。
あちきは、自分の横にあった兎柄のフワフワのバスタオルを取って、汗で濡れた自分の身体やサイバーダイブチェアをていねいに拭く。
仕事道具は、念入りにお手入れするのが、この業界で長生きするヒケツだからね(ドヤ)。
あちきは泣きながら独り言を続ける。
「ハイスペックの電脳に課金してから……。
みんなと一緒に繋がれるようになって……エモエモで……めっちゃ幸せなのに……。
どうして、みんな直ぐに終わっちゃうの(超ぴえん)?
アナ……満たされ無いよぉ……」
あちきは、破けた……っていうか自分で破いた白タイツと”ウサ耳着物”を直す。
濡れててちょっと気持ち悪いけど。気にしない。
あちきは、立ち上がる。
10個のディスプレイには、砂嵐が映ったままだった。
「でも……あちきは、別に良いんだ。
だって、”ネットの海は広大”だし……。
次は、もっともっと!いっぱいのリスナーちゃん達で、アナに”ドウセツ”して貰うんだ(兎)!!」
と言って、あちきがウインクして可愛くウサピョンポーズをキメていると……
10個のディスプレイが突然、像を結ぶ。
そこには、男の顔が10個、映し出されていた。
その男は、真っ白な顔でツルッパゲで目の真っ赤なオッサンだった。
その”白パゲの赤目のオッサン”は、言う。
「お前の配信ウケるんだがwww
キモヲタ10人と”ドウセツ”するとか、どんだけ自殺願望あるんだよwww」
誰だよ、コイツ。
「あんた誰?あちき今、傷心なんだけど(超ぴえん)?
てか、今の配信見てたの?
リスナーじゃないと見れないんだけど?もしかして、ハッカー?
あちき、リスナーちゃん以外とは生VFしない”純愛派”なんだからね?
さっさと帰りな(怒)!!」
「すまん、すまんwww。怒んなよwww。
自己紹介してやるよ。
俺の名は、EQ。通りすがりのしがない”坊主”だwww」
「坊主??
ああ……
パゲてるってこと(藁)?」
「ちげーよ。ハゲてねーよwww。
これは、ヘアスタイルだよwww。
ともかくさ?悪い話じゃなねぇんだ。ちょっと俺の話、聞けよwwww」
「悪い話じゃないって……なに?」
「お前さ?最強のスペックの電脳って興味ないかwww?
この電脳を使ったら、お前なら、もっとたくさんの人間とドウセツ出来るぜ?」
「え?マジで??
もっとたくさんの可愛いリスナーちゃん達に、アナと接続して貰えるの??
最高じゃん(兎)!!!」
「そうそう。最高なんだwww。
お前なら、そうだな……。
数百人……いや、千人越えとの”ドウセツ”も可能だぜwww?
だからさ……」
そしてその、”白パゲの赤目のオッサン”は、目から赤い光りを放ちながら言う。
あちきにはそのオッサンの目は、”坊主”では無く”鬼”のように見えた。
「だからさ?俺のところに来いよwww
”基本プレイ無料”で、お前を最強の花魁に変えてやっからよぉwwww」




