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TS魔王の配信道  作者: ヤカン侍
10/10

9話

【初コラボ】協力して脱出せよ!

3054人が視聴中:ALICE CH チャンネル登録者数 23,527人


「うぃーす、アリスだ。今日はなんと初コラボだ。早速だが自己紹介の方を頼む。」


「皆さん初めまして、クローバーといいます。今日はアリスさんとコラボできてとても嬉しいです。」


「まぁ、クローバーの方が登録者数は全然多いんだけどね。」


:なんか挨拶雑になってきてない?

:急なコラボでびっくりした

:クローバーさんや!

:面識あったんか



コラボに至った経緯は一通のメッセージからだった。


『アリスさん!私とコラボ配信しませんか!』


急にこのメッセージが来た時は驚いたが、断る理由もなかったため承諾した。我自身、誰かと配信したこともなかったため知り合いの配信者は四葉しかいなかった。

我も誰かとゲームをしてみたかったため渡りに船だと思い、今回のコラボに至った。


そして、コラボというともあり今日の配信は視聴者数がいつもよりも多い。そもそもクローバーのチャンネル登録者数が10万人以上いるため多くなるのは必然だった。


「フッフッフ。我がクローバと友達だとは思わなかっただろう。我にだって人脈くらいあるんだよ。」


「まぁ、友達になったのはつい最近なんですけどね。」


「あ〜ネタばらしが早い!」


:速攻バラされてて草

:イキリ失敗。

:おいたわしやー魔王様


「さて、今回クローバーとやってくゲームは『Dead or Alive』だ。クローバーはこのゲームはやったことあるか?」


「結構やったことありますよ。こう見えてもランクもそこそこ高いんですよ!」


:ホラゲーやん

:クローバーさんこういうゲームやるんだ意外だな。

:謎解きないし大丈夫やろ


このゲームは1人のプレイヤーが殺人鬼キラーを操作し、4人の生存者を捕まえる対戦アクションゲームである。


殺人鬼キラーの目的は全ての生存者を捕まえ可能な限り、生存者の脱出を遅延・阻止することである。


逆に生存者側は5つの発電機を修理し、ゲートを開いて脱出することが勝利条件である。殺人鬼キラーに2回攻撃を受けるとダウンしてしまう。仮に囚われても時間内であれば救出は可能なため協力することが必須である。


「よし、我々は今回生存者側でやっていこう。」


「野良の方たちとも協力していきたいですね。」


「おっ、早速マッチしたな。」


マッチしてすぐまずは野良の人達と軽く挨拶を交わし各々発電機がある場所へと向かっていく。我はクローバーと行動を共にしている。発電機も1人で修理するより2人で修理した方が早くなる。


「アリスさん。あそこに発電機ありますよ。キラーが来ないうちに修理しちゃいましょう!」


「うむ、そうだな……やべっ」


\ボン!!/


「ちょっ…アリスさん?!」


:早速位置バレたけどw

:アリスさん?

:ボタン連打してただろw


発電機を修理中ランダムでタイミングに合わせてキーを押すミニゲーム的なものがある。成功すると修理が早くなるが失敗すると発電機が爆発し、キラーに居場所がバレてしまう。


先程の爆発で居場所がバレたのであろう。操作しているキャラの心音がでかくなってきている。


「すまん!我、ちょっと用事思い出した!」


「アリスさん!?どこ行くんですか!?ってキラーがすぐ目の前まで来てるじゃないですか!」


:逃げ足はやっ!

:クローバー見捨てられてて草

:魔王様最低で草


「クローバーが引き付けているうちに発電機を修理してしまおう。なるほど!これが協力プレイというやつか!」


「今の流れのどこに協力があったんですか!!私ただエサにされただけですよ!」


「昔、クローバーという勇敢な人がいてな……」


「勝手に殺さないでください!」


:草

:ってか逃げるの上手いな

:結構時間稼げてる


野良の人達が発電機2台修理してくれている。我もそれに続くとしよう。今はキラーはクローバーを追うのに必死になっている。このまま行けば3台目もすぐに……


\ボン!!/


「む?」


「ちょっと?!アリスさん?!」


「まぁ待てすぐに修理して……」


\ボン!!/


:下手くそw

:ホラゲーになるとポンコツだなw

:何回爆発さすねんw


そうこうしているうちにとうとうクローバーがキラーに捕まってしまった。不幸なことに地下まで連れていかれてしまった。


「待っていろ。すぐに助けにいく!」


「期待しないで待ってます。」


:諦めてて草

:頼りねぇー

:ガンバー


地下に向かう途中でキラーに遭遇してしまった。キラーは我を見つけると一目散に向かってきた。


とりあえず障害物があるところまで逃げる。キラー視界に収めつつ、窓を飛び越えたり障害物を利用してキラーとの距離を縮められないように意識する。


我は道中で拾った懐中電灯をキラーに向ける。キラーの顔が照射され怯んでいる隙に逃げる。キラーが向かってくる前に素早く身を隠す。どうやらキラーは我を見失った様子で周りをキョロキョロ見回している。その後その場から去っていった。


「ふぅー。なんとかやり過ごせたな。」


「なんで逃げるのはそんなに上手いんですか。」


:うまっ

:さっきとは別人やん

:攻撃1発も貰ってないのすごい


どうやら我が時間を稼いでるうちにクローバーは救出されたようだ。そうこうしているうちに5つの発電機が修理されゲートを開く準備が整った。


「よしっ。あとは脱出するだけだな。」


「あとはゲートを開けるまで時間を稼げれば……」


「我に任せよ!」


キラーの前にわざと姿を見せこちらを追ってくるよう誘導する。しかし、先程無傷で逃げ切ったせいか我には目もくれず出口に向かう。


「な、なぜ、我を無視するんだ…」


なんとかこっちに来させようとキラーを追いかけると突然キラーがこちらを振り向き我に攻撃をしてきた。


――これは避けきれない!?


咄嗟のキラーの行動に反応出来ず攻撃を1発貰ってしまう。だが、1発だけならと油断していると我のキャラが1発しか攻撃されていないのにダウンしていた。


「な、なに?!」


「これは……発電機が5つ全て修理されると発動するスキルですね。」


:あちゃー

:結構この能力多いからな

:どんまい!


我がキラーに捕まっている間にゲートが開いたようだ。


「アリスさん。あなたのことは忘れません。」


「え?」


助けを待っているとどうやらクローバーと野良の2人は脱出したようだ。そして、残された我はそのまま生贄になり天に召されてしまった。


「クローバー……お前と言うやつは仲間を裏切るとは…」


「どの口が言うんですか!でも、結果的に3人脱出できたし勝ちですよ。」


:因果応報で草

:先に裏切ったの魔王様なのに

:おもろい試合だった


その後も何戦かしたのち今日の配信はお開きということになった。


「結構やったし、今日はこのあたりで終わるとするか。初コラボだったがやはり誰かと一緒にゲームするのは楽しいな。また、コラボしてくれと嬉しい。」


「いえ、こちらこそとても楽しかったですよ。こういうふうに誰かとワイワイゲームするのは久しぶりでした。」


「では、皆の者またなー。」


「私の方配信にも来てくださいねー」


:おつー

:おつー

:おつかれー


初コラボということもあり少し緊張したが、なかなか盛り上がったと思う。我の登録者数もクローバーの視聴者が流れて来たおかげかかなり増えることとなった。




ALICE CH チャンネル登録者数 33,428人

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