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100:ささやかな慰労会~狂像の下で

何時も見てくれて本当にありがとうございまっす!

あなたのお陰で、この物語も100話を迎える事が出来ました。

これからもよろしくお願いしまっす(*´∀`*)

「えっと、ちょっとしたハプニングはありましたけど、報酬はどうしましょうか?」

「そうだな。ミャレリナ、全部預ける事は可能か?」

「はいニャ。問題無いのでそのまま処理しますニャ?」

「じゃあ頼む、ふぅ~。今日は二人とも世話になったな、この埋め合わせは落ち着いたらするから期待しててくれ」

「私もいいのですかニャ?」

「勿論ですニャ」

「ニャははは、期待しないで待ってるのニャ」

「私は期待していますから!」

「素直でよろしい」


 そう言うと流はジェニファーの店へ歩き出す。


「まったく、ナガレ様は困った人ですニャ」

「ええ……だからこそ素敵なんですよ」


 ジェニファーへ片手を挙げてカウンターへ座る流を見ながら、二人は呆れを含むため息をするのであった。



「ジェニファーちゃん、さっきは助かった(?)よ」

「アハン♪ ボーイはもうちょっと自分の実力を認識する必要があるわねん」

「いやぁ、すまない。まさか王貨三枚とか予想外すぎたからな」

「それも含めての貴方の実力よん。ミーから言わせれば、今回の仕事で王貨三枚でも安すぎる位よん? 考えてもごらんなさい、殺盗団が居たためにどれだけ経済が停滞していたかをねん。それで今日は何をしでかしたのん?」

「そう言われればそうなのかもなぁ……。っと、今日の事か? まぁ何だ、実は――」


 流は今日あった事を詳細に説明する。

 それを聞いたジェニファーは渋い顔になると、困ったように話し始める。


「そんな事がねぇ……。やっぱり王貨三枚は貰っても当然の額ね。それより大きな問題は二つ、そのうち冒険者として見逃せないのが一つね」

「蛇か?」

「ええそう。話から推測すると、ラミアが女王化してるのが問題ねん。リットンハイムも気が付いているでしょうけど、今はこんな状況だしね」


 ジェニファーはギルドホールを見てため息をつく。


「そんなにヤバいのか、女王と言うのは?」

「そりゃそうよん。なにせ王滅級の案件だからねん。しかも放置した時間だけ驚異度も増すわん」

「なるほど……するとジェニファーちゃんの出番か?」

「そうなるかも知れないわねん。まぁ今は何処に居るか分からない女王より、もう一つの問題ねん」

 

 ジェニファーは自分用のグラスを用意すると、そこに魅惑のカクテルを注ぐ。

 それは紫を基調とした、全体的に淫靡な色合いのカクテルだった。


「もう一つと言うと?」

「そうねん……あら? 丁度良い所へ現れたわねん」

「やあ、ジェニファー、ナガレ。今夜は何事だ?」


 そこに現れたのは漆黒の鎧を脱いだ生粋の武人、ヴァルハルドだった。


「お!? ヴァルハルドさんじゃないか! 久しぶりだな」

「何を言っている、まだ数日しかたっていないぞ?」

「あれぇ? もう随分と間が空いていたような……」

「ははは、それだけ忙しかったんだろうよ。で、今日のこの混乱は?」


 ジェニファーと流はこれまでの経緯を説明する。


「ラミアの王か。確かにそれも驚異だが、悪魔を使役しているオルドラは捨て置けんな。それにアイツか……」

「シュヴァルツの事か?」

「ああ……アイツとは昔なじみでな。俺もその場に居合わせたかったものだ」


 ヴァルハルドは、琥珀色のエールをジッと見つめながらため息を吐く。


「ナガレ、もしまたアイツと会う事があれば、是非伝えてくれないか? 俺が借りを返したいと」


 ヴァルハルドの不動の気迫に思わず流も息をのむ。


「……分かった、必ず伝えるよ」

「感謝する」

「アハン♪ 話もまとまったようだし、ミーも一緒に呑みたい気分よん。特別席に行きましょうよん?」

「そうだな、じゃあ行こうか」

「ああ、ナガレの武勇伝も詳細に聞きたいしな」

「そうこなくちゃね! アナタ達、奥の席へフルセットを持ってきなさ~い」

「かしこまりました、オーナー」

「もぅ!! ジェニファーちゃんと言いなさいって言っているでしょう?」

「…………」


 そんな心温まるオーナーと店員の心温まるやりとりを見ながら、三人は特別席に移り、そのまま朝まで飲み明かすのだった。



◇◇◇



 ギルドを出る頃には夜明けも近く、うっすらと明るさが東の空を照らし出す。


「この星も地球と同じなんだな……。あ! そうだった嵐陰はどこに居るんだ?」


 周辺を確認すると、未だにギルド周辺は騒がしく、見回しても嵐陰の姿は見えなかった。


「あぁ悪い事をしたなぁ。しかたない笛を吹いてみるか……」


 流はアイテムバッグから笛を取り出すと、思いっきり息を吹き入れる。

 周りの人間も流も、音を全く認識出来なかったが、笛を吹いて程なくして空から嵐陰が降ってくる。


「うわ!? ら、嵐影!! 何処から来たんだよ?」

「……マ」

「え? ギルドの屋上に居たのか?」

「……マァ」 

「いや~ごめんな。お腹減ったろ? 屋敷に帰ったら美味いの作ってもらおうな?」

「……マ!!」


 そのまま嵐影の背中に乗ると、早朝の街を足早に帰宅するのだった。


 屋敷に着くと、メイド達の出迎えがあり、嵐影の食事のお願いをしてから、風呂に入り寝る事にする。


「フム、お帰りなさいませ古廻様。昨日も大変でしたな」

「本当に大変だよ。参、お前にも心配かけたな。まったく報告に行っただけなのにな……。しばらくは街も騒がしいだろうから、それに乗じた襲撃があるかも知れない。警戒よろしくな」

「承知致しました」


 そう指示して自室へと向かった流は、ベッドに入ると睡眠の魔法をかけられたように眠るのだった。


もし面白かったらブックマークと、広告の下にある評価をポチポチ押して頂いたら、作者はこうなります→✧*。٩(ˊᗜˋ*)و✧*。


特に☆☆☆☆☆を、このように★★★★★にして頂けたら、もう ランタロウ٩(´тωт`)وカンゲキ こうなります……


何卒、褒めて育ててくだされ。よろしくお願いしまっす!

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