僕らと彼の篝火と灰色の繭
幾つも折り重ねて
面影を反芻して
響く言葉も、何も忘れても
遠くに見えるその靄の方へ
僕は追い続けた
幾つも織り重ねて
服の裾を引かれ
身の上に大きな影を落としても
腕を回す肩の向こうに
僕は夢見ていた
くすんだ繭のその色は、
暗い部屋の中ではわからない
僕らは何度彷徨い
何度扉を叩けど
彼の持つ篝火は、とてもきれいで
僕らが何度叫び
何度あふれだそうとも
彼の持つ篝火は、優しく抱かれて
僕らを守ろうとする
篝火は自らのその灯で
繭を焼き切るのだ