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11話:戦闘準備

11話:戦闘準備


 翌朝は異常なまでの寝苦しさで目覚めた。それもそのはず、顔に乗る幼女と腹の上に乗る幼女。さらに右腕はいつの間にか伸ばされ灯の枕になっている。

 とりあえず左腕で顔に乗っている幼女をどかして呼吸を確保する。

 うん。空気がおいしいよね。

 どかすと、どうやら顔の上に乗っていたのはアリスのようで目が覚めたようで目を擦っている姿がなんとも愛らしい。


「んーうぅ、んぅ? なんじゃ?」

「おはようアリス」

「んぅ、んー、おはようなのじゃ」


 まだ半分夢の世界にいるのかもしれないけど、しっかり挨拶はできるようだった。


「今日も魔物と戦いに行きたいんだけど、どこかいい所知らない?」

「んうぅーーーーーーーーー」


 猫のように四つんばいになり手を前に出して伸びをする。これって凄く伸びて気持ちいいんだよね……


「で、アリス?」

「起きたのじゃ……そうじゃのーこの辺だと村の南に以前の召還者が作った迷宮があるのじゃ」

「召還者って勇者? 勇者なのに迷宮作ったの?」

「いや、前回の召還者は魔王の頼みで呼び出したのじゃ。あの時は退屈だったから面白ければいいと思って対価は今度頂くといってまだ貰ってないのじゃ。今度取りに行くのじゃ」

「で、その迷宮って?」

「召還者が楽に金を稼ごうとして始めたのじゃ。始めは魔物を迷宮の外に出し街や村を襲わせて脅威を示すじゃろ? そうすると迷宮へ魔物退治に兵士や傭兵が派遣されるのじゃ。そいつらの身包みを剥いで金にしてたんじゃよ。魔族領でも鎧や武器などは売れるしの」

「なるほどね……で、その迷宮の魔物はどの位の強さなの?」

「その迷宮は階層で分かれているのじゃ。

 1~10階層は魔物のトータルレベルは100前後じゃな。

 20~30階層で100~150って所じゃ。

 30~40階層で150~200じゃな。

 40~50階層で200~300じゃよ」

「50階以降は?」

「迷宮主がいるくらいじゃな。ちなみに今ここは魔族が納めているようじゃ」

「なるほどね……一度行ってみてどの程度戦えるかを確認したいな」

「そうじゃな、昨日よりは安心して戦えるはずじゃ」


「なに? 私をまたお留守番にするつもり?」

「あ、灯さんいつから起きてたの?」

「『その迷宮の魔物はどの位の強さなの?』からかな?」

「まあそういう訳で昨日は相手が強すぎて何もできなかったから格下で色々試そうと思って」

「今度は私も行くからね」

「もちろんだよ」

「ならいいけど」


「んぅーーーーーーーーーー我も行くのじゃ」

「アイリおはよう」

「……おはようなのじゃ……どこへ行くのじゃ?」

「迷宮へ……って寝てるね」

「本当に可愛いわよね。アキに抱きつくように寝ちゃってさ」

「ズルいのじゃ……いや何でもないのじゃ」


 とりあえずアリスの頭を撫でる。


「アリス今日はしっかりと準備をして行こうと思うんだけど、なにか重要なものってある?」

「武器と防具に回復できるアイテムじゃな」

「買うしかないか……」

「まだお金はあるの?」

「それは心配いらないよ!」


 そもそも僕が姫さんに渡されたお金は銀貨10枚だった。大銀貨1枚で済むのにわざわざ銀貨で多く見せようとしてた魂胆が丸見えで頭にきた。異世界に呼び出しておいて1万円しか渡さないってありえないでしょ!? まあ僕はいいんだけど灯の価値が1万円!? ふざけるな! って事で使いましたよ【略奪】を。姫と大様、あと大臣? みたいな偉そうな奴に使えば姫と王様はそんなに持ってなかったけど大臣はヤバイね。白金貨80枚もあったから正直これで遊んで暮らそうかと思ったよね。

 まあそんな訳で白金貨80枚に大金貨5枚に金貨350枚とその他って感じだった。


「ふうん、意外とくれたのねあの姫様」

「そうだね」


 まあそんなにくれるわけ無いけどここは合わせておく。


「武器と防具はアースリザードの素材を合成するのじゃ」

「強すぎない?」

「命を預けるのじゃ。強すぎてもいいのじゃ」

「まあそうだね。じゃあ武器はあるから防具を揃えようか」

「了解」

「わかったのじゃ」

「すぅーすぅー」

 

 アイリを起こし朝食を食べ終えて村にある武器と防具を扱う道具屋へ来た。


「いらっしゃい」


 出迎えてくれたのは60代くらいのお爺さんだった。


「防具を買いたいんですけど。僕とこの女の子が装備できるやつ。出来るだけ軽いのがいいんだけど……」

「この辺でどうかな?」


 カウンターの上には皮で出来た鎧と腕と足につけるプロテクター。

 灯には皮でできたドレスに腕と足につけるプロテクターが用意された。

 灯の方を向くと頷いている。まあ村だしこんな物だろう。 

 とりあえず鑑定してみる。


【皮の鎧】


属性:なし

効果①:なし

効果②:なし


説明:誰でも装備できる皮でできた鎧。長時間着用することで自身の体臭を知る。


【皮のドレス】


属性:なし

効果①:なし

効果②:なし

説明:誰でも装備できる皮でできたドレス。可愛いデザインではない。


【皮のプロテクター】


属性:なし

効果①:なし

効果②:なし

説明:見た目だけの飾り。



 プロテクター飾りかよ……。防御Lv も上がらないし基本は飾りみたいな物なのかな?


「あと回復できるアイテムってあります?」

「あるけど高いぞ」

「まあそこはしょうがないです10本欲しいんですけど」

「全部で大銀貨5枚だな」

「ではこれで」

「……まいど」


 一度宿屋に戻り着替えてみるがアリスがずっとこっちを見て笑っている。


「あははははっ! 死ぬほど似合ってないのじゃ! ふひっ ダメじゃ! 笑い殺されるのじゃ! あははははっ」

「確かに似合ってないかもだけど流石に傷つくよ……」

「ぷっ、ねえアキ? 私はどう?」

「可愛いよ。でも下に着ようよ」


 灯は今の服の上に着るのは絶対に嫌だったらしく裸にドレスを着ている。皮だから臭くなりそう……


「まあいい。とりあえず脱いで【合成】しようか」

「はーい」


 アースリザードの素材を出し合成をする。



【竜鱗の鎧-【土】】


属性:土

効果①:防御Lv+50

効果②:切断攻撃耐性

説明:アースリザードの鱗を使用した鎧。

切断に強く攻撃Lv 150以下では切り裂くことはできない。


【竜鱗のドレス-【土】】


属性:土

効果①:防御Lv+50

効果②:切断攻撃耐性

説明:アースリザードの鱗を使用したドレス。

切断に強く攻撃Lv 150以下では切り裂くことはできない。


【竜鱗のプロテクター】


属性:なし

効果①:防御Lv+10

効果②:

説明:アースリザードの鱗を使用したプロテクター。

切断に強く攻撃Lv 150以下では切り裂くことはできない。

盾の変わりに武器を受け止めることは可能だが打撃には少し弱い。


 あとインナーが欲しかったので【創造】で作り出す。対価はひとつにつき銀貨5枚だった。

 イメージしたのはコンプレッションウェアだ。

 運動するときに筋肉の疲労を抑えるぴっちりしたあれである。

 僕は下着を灯は更に上下の下着も用意しなければいけなかったためサイズを聞きアリスに調整してもらう。


「いざ着てみたはいいけどこれってズボンを履いてからプロテクターだよね?」

「そうね……タイツにプロテクターって無いわね。太もも丸出しだし」


 面倒だったけど【創造】でストレッチ素材のジーパンを大銀貨1枚で作る。

 灯のドレスは膝下まであるので必要ないといわれた。


「これでどう?」

「うん。いいと思うわよ」

「まだ着慣れていない感満載じゃが戦っているうちに慣れるじゃろ」

「灯は何か他に欲しい物は?」

「大丈夫よ。どう似合う?」

「ドレス姿も可愛いよ」


 僕は灯を抱きしめる。若干の皮の匂いがするがしょがない。


「そろそろ行くのじゃ」

「そうだね。では出発しますか!」


 そうして男女ふたり+幼女ふたりの計4人のパーティーが完成した。

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