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第五件・クビ?

翌日八郎は朝の九時から真昼の家を訪れた。

(なんだよ、朝から来いって言ってたくせにまだ寝てんのか?)いくらチャイムを押しても誰も出てこなかった。(帰ろうかな)そう思った時電話が鳴った。

「そんなに何回もチャイム押さなくてもわかりますよ」

真昼からだった。

「お前なー聞こえてるなら早く出て来いよ!」

「鍵、開いてますよ」

試しにドアノブを回してみた。開いた。

「早く来て下さい」

「鍵ぐらい閉めとけよ」

「別に僕の勝手でしょ」

「泥棒入ったらどうすんだ・・・」

また階段にはまった。

「八郎さんってバカ?」

電話からでなく上から声がした。パジャマ姿の真昼がいた。

「どうも・・・」

八郎がばつの悪そうな顔をして言った。

「人の家壊して遊ばないで下さい」

真昼が笑いながら言った。

「別に遊んでねえよ!」

足を抜きながら言った。それを見て真昼はあくびをしながら部屋に入って行った。その後について八郎も入って行った。

「来るの遅いですよ」

またソファーに隠れて見えなくなっていた。正面に周った。

「まだ九時だぞ」

「僕の朝は七時からです。二時間遅刻です」

真昼が真剣な顔で言った。

「そんな無茶苦茶な」

「雇主は僕ですよ?しっかり指示にはしたがって下さい。ま、それはいいとして仕事の内容を説明します」

仕事の内容は以下の通り

一.時間は七時から十時まで

二.基本的には留守番

三.指示には従うこと

以上.

「・・・留守番だけ?」

「はい。あ、でもたまに掃除とかもしてもらいますよ。簡単でしょう?」

「いや簡単だけどさあ・・・それって家事手伝いっていうの?」

「さあ?でも仕事が留守番じゃ誰も来ないと思って」

笑いながら言った。

「確かにね。でもさ七時から十時に留守番っておかしくない?」「人にはいろいろありますからね」

少し暗い声で言った。

「今まではどうしてたんだよ?」

まずいと思った八郎は話題を変えた。

「隣の家のおばさんに頼んでました。すごい文句言われてバイト募集したのに誰も来なくて。間違い電話やいたずら電話は増えましたけど・・・」

(多分俺と同じようなことだろうな)八郎が苦笑いをしながら思った。

「とりあえず今日は掃除やって下さい」

「えっ!?仕事は留守番だろ」

「さっき言ったでしょ。たまに他の事もやってもらうって」確かにそう言っていた。

「じゃあ始めちゃって下さい」

八郎は渋々掃除を始めた。だがあまりやったことが無い八郎は余計に部屋を汚すことになった。

「ちょっと待った!何やってるんですか!?頼んだのは掃除ですよ!誰が汚せって言いましたか!」

真昼が本気で怒った。

「もういいです。八郎さんが壊した階段を直してきて下さい」

トンカチと釘と板を渡された。

「わがまま言うなよ。だから家事はできないって言っただろ」

「予想外でした。ここまで使えないとは。クビにしますよ」

目が本気だった。その時丁度いいタイミングで電話がかかってきた。

「まったく。ちゃんと直して下さいよ」

(クビにならずに助かった)と思いながら部屋を出た。


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