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マジックネットワークサービス(MNS)で断罪ライブを決行したピー(配信禁止用語)な王太子が売却された件

作者: ぴこのあ
掲載日:2026/05/22

怖いものを考えていて、突然自分の人権がなくなって売買されたら嫌すぎるなと

サクッと読める系の微ざまあショーです。

どうぞよろしくお願いします

ヤッティマエ王国で

マジックネットワークサービス「インスト・アナゥ」が若い魔術師を中心に流行り始めて早15年。

初めはおっかなびっくり有識者のみが使用していたこの魔術式もマジックネットワークネイティブ世代、つまり生まれた時からMNSの恩恵を受けていた世代が自立し自分で配信できるようになった昨今。

マジックネットワークマナーが浸透しない浅はかな若年層がとりざさされるようになって来た。


ある令嬢はいわゆる既婚者官僚と「ニオワセ」魔導写真をMNSに公開し、

官僚子爵の結婚指輪付き(探索魔法付与あり)の手と一緒に写したメロンが飛び出そうなセクシーランジェリーだけしか纏ってない際どい魔道写真の数かずから

不貞の証拠として子爵夫人から訴えられ、魔道法廷での裁判の結果。不貞を立証され令嬢は自分の婚約者から婚約破棄と侮辱罪で訴えられ、

子爵は夫人と離婚した。

子爵も令嬢もうっかり街に出れば「あ!アナゥ・テロの人!」「MNSでえっちな写真を出していた人!」と子供に指さされ、その親からは「見ちゃいけません」される。

飛んだ恥辱だ。貴族でなくても、通常の羞恥心が搭載されていれば社会的に引きこもるレベル。私だったら絶対に外を歩けないし、今目の前にいる人でさえ信じられなくなってまう、、、。


下町では空中放映機から何日もその話題と魔道写真が放送され、

令嬢と子爵は王国で一番愚かで有名になってしまった。


名誉も獲れれば、一夜にしてそれまでの功績が掻き消えるMNS。

なかった時代に比べれば得られる情報は全く違う。

MNSは賢く利用すべし。

それはMNSを使う全国民がその悲惨な事件を見て感じていた。


そんなマジックネットワークサービス、ワールド・ワンズ・M(WWM)の開発者の1人が私、ティティ・バーナーズ=リリである。えへんえへん。

研究者の両親と領地経営特化の兄を持ち、安泰なバーナーズ伯爵家の娘である。

研究大好き、家にあるタイムスタンプや資料をもっと簡単にまとめられたらパパもママももっと早く帰ってくると信じ魔術式を開発したのが5歳。

この式を両親に見せた時のあの顔を私は一生忘れないと思う。

そこそこ整った両親の顔から目が溢れ、いつも淑女然としたママの顔から鼻水がたれ、、、私はガクガクブルブルと揺さぶられ吐きそうになった。

「ティティティティティティティ???」

「あなたがこれを作ったの????」

「そうなの!このハイパーマジックジャンプを使用すれば、この式にまとめたものが時系列順に並んでいくの・・・・」

提出したその日から私は第1種国際優先魔導士に昇格した。つまり国家間での安全保障をされる有能な人物として指定されたのだ。

そこから普及までは早かった。

父と母の研究所に共に出社し、MNSを発展させるための研究の毎日。父と母と一緒にいる時間はとてもとても楽しかった。

だから正直、こんなばかな使い方をする人がいるなんて知らなかったのだ。


そして、私が目下ハラハラと見守っているのは、人生最大のMNSテロいわゆる「断罪ライブ」だ。

しかもうちの国の王太子の。


「王家の名の下に、私、王太子アーサカとクローディアの婚約は破棄する」

ババーン!

王太子アーサカ・カティ殿下の隣には小柄な愛らしい女の子が侍っている。

元々おつむがあれだなって思ってた王太子の突然すぎる根拠のない婚約破棄に大半の出席者はポカーンとしていたが

王太子が立ち上げたMNSのライブ配信に王太子の近くにいた生徒たちはさらに一歩、2歩下がる。


「わあ、、、バカが、バッカでーすってラベル貼ってるみたいだね」


私の婚約者、王弟・ドミニク・ティファレが壇上に切り込まないよう一生懸命にエスコートしてくれる腕にしがみつく。

か細い私なぞ、ドミニクが本気を出せば余裕で振り払っていけるだろうが、こんな断罪ライブに顔でも映ったら人生終了だ。


「わぁ・・・わぁ・・・うーん・・・もうちょっと強くしがみついてくれてもいいよ」

ドミニクの小さいキャラクターみたいな呟きを聞きながら

管理者権限でLiveの枠を消せないか調整する

しかし、数日前に立ち上げた王族用の枠は特殊魔法でハッキング・マーキングされないよう特殊結界が貼られているため

何度やってもエラー音しか聞こえない。

なぜ私がこんなに必死かって?断罪されているのが心友・麗しのクローディアだからだ。

ディアは由緒正しい公爵家の御令嬢だ。金の巻き髪に金色の目、真紅のドレスは5月の朝摘みのバラの花のように可憐で芳しい。

いつもは凛々しく自信に満ちた美しい顔から血の気が失せている。王立研究所にでいりする子供がいるとの噂を聞いてディアがやって来たところから仲良くなった。

王子妃になるために王宮に通っているディアと父と母について行って研究所に出入りする私、

淑女でありながらおてんばなディアと仲良くなるのに時間は掛からなかった。

研究は好きだが友達が作れなかった私にとってディアは唯一無二だ。


友達が恥かくくらいいいじゃないって?

普通の貴族なら恥ぐらいで死んだりしないだろうし

ただのライブなら私も怒鳴り込んでいただろうが、

王太子殿下が立ち上げたライブは「オークションライブ」だ


通常は上級貴族が進める良いものを勧めたりする販売枠だ。

だが、なぜだかわからないが、王太子がディアをラベリングしているのだ「商品」として。

これは歴としたオークションになってしまっている。

つまりライブ枠内で一番高値をつけたユーザーがディアを購入できるのだ。

麗しいディアを購入した貴族がどう扱うかなんて想像したくない。

私ならディアをクンクンしながら一日中膝枕されてこちょこちょ撫で撫でしてもらうのに!!!!!!!!!!!!ちょっとだけ睨まれながら「めっ」て優しく突かれたい!

美人に!!!撫でられたい!!!!あ、いかん。邪心が漏れた。


もちろんだが、王国の中で奴隷制度は認められていない。

こんな使い方をした人が今までいなかったため、このオークション枠は完全に抜け穴だった。

通常はその枠の貴族が登録し承認したものしか販売されない。

人は範囲の外だったはずだが何かしらの影響で王太子がディアを登録し、販売承認を行なったのだろう。

今は原因やルートを探るよりディアのオークションを止めなければ、、、


ライブチャットには赤スパが飛ぶ、入札額が跳ね上がっていく。

事前に打ち合わせされていたみたいな調子で跳ね上げってく金額に私の心臓が軋む。

近くに行きたいのに、うっかり魔法画角に入れば自分もラベリングされる可能性が出てくる。

ディアは目線で私を止めているし、枠外から必死に方法がないか探るしかない。

ドミニクは興味のあることしか手伝ってくれないので、いくら私が頼んでも、ディアを助けてくれる可能性は少ない。

それであればどんなに少ない可能性でも私の手でディアを助け出さねばディアに会えなくなってしまう


エラー音しか聞こえない!!!


どうか、どうかこのバックアップコードで、止めれられますように!!時の神様!全能の神様!!豊穣の女神様!!!!!と最高優先度のバックアップコードを打ち込む。

はやる気持ちとどんどこどこどどドドこどこと脈うち自分の血流まで聞こえそうな緊張感の中、「ピロン:反転:追加商品のご連絡です」とオートマチックマジックボイスが追加商品の到着が響わたった。


「追加商品:断罪ライブ中に商品になった愚かな王太子と純粋無垢(笑)な男爵令嬢」


数百来ていた赤スパが取り下げられディアを縛っていた術式が解けた。倒れかけたディアを護衛騎士が支える

(反転しちゃったーーーーー!!!!!何でーーーーーー!!!!!取り下げてーーーーーーーー!!!王太子出品しちゃったーーーーーー!!!!不敬罪ーーーーーーーー!!!!!!)


おかしい。さっきのコードは緊急停止するだけのはずだったがオークションが続いている。しかも最高額を叩き出している

ディアよりあの愚かが高値なのもわからないが国家予算になりそうな0が並んでいく

だがしかし、ただ反転されただけであれば、承認は王太子だったはず、本人が拒否すればこのオークションは不成立だ

もうディアが売られることはない

護衛の手を借りて壇上から降りてきたディアの女神ボディを抱きしめる。

いつもいい匂いのディアから少し汗の匂いがした。

何かに目覚めそうになった。


ぱっぱら〜ん

「ワンズプライス!」


ギョッとして壇上とMNSを確認するとオークションライブの売買契約が成立していた。何で?????

承認拒否すればよかったのに、承認しちゃったの???ハンコ押すしかできないの???

ば、、、ふぎゅん


後ろからディアと、ドミニクに口を塞がれた。どうやら全部口から溢れてたらしい。失敬。

オークション成立の契約印が空中で調印され、転移魔法が発動する


この魔法オークションの特徴は即断・即決・即納品が必須なのだ。

これにより、違うものとの入れ替えなどができなくなる。つまり成立した途端に転移魔法で購入者の元へドア・トゥ・ドアだ。

私が泣きそうに焦りまくっていた理由がお分かりいただけたであろうか?

ディアが購入されていたら、きっと購入先は私にはわからない。

世界で一番大好きな心友との永遠の別れがすぐそこにあったことを思い、ブルリと震えディアをさらにギュギュッとした。いい匂い。


それから、王家から王太子だったアーサカ様が海を渡った国の女帝のハーレムへ婿入りしたことが発表された。もちろんあの時元王太子の腕に絡みついていた男爵令嬢も一緒に王太子を「落札」したのは色々な意味で色を好む大帝国の女帝だったらしい。愛の形には色々あるらしい、女帝は両方面倒見ると、合わせて購入したそうだ。怖い。

5963人の夫がいるらしいですねって新しくできたカフェでお茶会をしながら話していたら、ドミニクに唇をつままれた。黙れということらしい。悲しい。


その後ディアは第二王子殿下と婚約し、王子殿下のご卒業を待って王妃となることが決まった。

年下の王子殿下はディアをとても慕っているようで、飛び級して卒業する気でいるそうだ。


「早く大人になるので、お待たせしません。いつだってあなたは美しいのですが、さらに美しい時期に戴冠しましょう。すぐ大人になりますのでお待たせしません」とミモザの咲く庭で

熱烈にディアを口説いている場面に遭遇しあの王子殿下にだったらディアを半分譲ってもいいかもしれないと前向きに検討しているところである。私は同担歓迎派の懐深い心友だからね!


私といえば、特に変わらない。

王太子を出品してしまったことについて不敬罪、最悪処刑、、、と布団の中で震えていたが寝ても覚めても音沙汰がない。ないものは不安になっても仕方ない。


怒られるまで忘れていよう。ホトトト・ギース(字余り)


ただあのようなオークション枠については一旦停止し、開始したい場合は許可制にした。

計画書を提出し認可を出す。

自由開催ができるようになるにはもう少し考えるべきことが多いのだ。


魔力にも、才能にも、魔道具にも値段がつけられるようにしてしまったことについては少し反省している。

だが、見えないものを見えるようにして正当に評価されるように、今後も研究したい所存である。


ヤッティマエ やっちまえ

インスト・アナゥ  in store now

ティティ・バーナーズ=リリ ネットの開発者をもじりました

アーサカ 浅はか


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