第八話 スライム健康診断ドキドキ大行列!
「……もうダメだ。モモがカビるなら、他のやつだって危ないかもしれない」
そう思い立ったユウトは、町の診療所に**“スライム全員分の健康診断予約”**を入れた。
「何名様ですか?」
「えっと、スライムが……9体と、あと僕で10人分です」
「は、はいぃ!? 診察台足りませんけど!!」
◆診療所、大混乱
当日。受付でまず詰まる。
「このスライム、名前と性別をお願いします」
「えっと、ルコ、性別不明です」
「チカチカ、性別不明です」
「ミル、眠ってますけど多分不明です」
「ホシノ、性別不明ですけど、宇宙的な感じです」
「モモ、唯一はっきり“女の子”です」
「……あの、もしかして全員ぷるぷるしてるだけでは……?」
◆問診票の地獄
ユウトが全員分を書く羽目に。
Q1:最近の体調について
→ 全員「ぷるぷる元気」と書くしかない。
Q2:食欲はありますか?
→ 「チカチカは電気を食べます」「ホシノは無言で何か吸ってます」
Q3:何か変わった症状は?
→ 「背中にカビ」「寝たまま牧草を吸い続ける」「爆発音がする」
「これ、問診票というより爆弾処理報告書だよね?」
◆診察スタート!
先生「じゃあ、まずモモちゃんから見せてもらいましょうか」
診察台にちょこんとのるモモ。
「ん〜♡くすぐったいの〜♡」
先生「……かわいいですねこの子」
ユウト「調子いいときだけ人懐っこいんですよ」
先生「カビは……ないですね!代わりに、体内に小さなマシュマロ状の結晶が……」
ユウト「それ新たな異変じゃん!?」
◆ルコ→ぴかぴか健康
◆ミル→睡眠過剰注意報
◆チカチカ→放電量異常、医療機器ダウン
◆ホシノ→血圧なし、脈拍なし、浮遊あり(なんかスキャン不能)
◆そして、謎のスライム現る
「ユウトさん〜、最後の“名前不明のスライムさん”ってどなた……?」
「え、名前不明……?俺そんなのエントリーして――」
その瞬間。
受付の植木鉢の中から、見知らぬぷるんとしたスライムが出てきた。
「ぷる……(静かにしてたかっただけ)」
「お前誰!?勝手に健康診断受けに来るな!!」
◆健康診断、完了!
最後は先生が全員に、「スライム専用健康手帳(ぷるぷる防水仕様)」を配布してくれた。
先生「これからは月イチで定期健診、お願いしますね♪」
ユウト「えっ、また10匹分やるの……!?(白目)」