第四話 スライムのえさ、買いに行く
「よーし、今日はスライムのエサを買いに街に行くぞー!」
そう言うと、ルコ・チカチカ・ミルがそれぞれぷるっと元気に跳ねる。
ホシノはというと、いつものように浮いていて、「まかせる(無言)」という雰囲気だ。
「……ていうか、スライム連れて行くのか?」
そう、スライムを連れて行くとだいたい何かが起きる。
しかし今日は特別な日。
「……今日は『ぷるぷるデー』でスライム連れは割引なんだよな……行くか」
◆スライムショップ「ぷる☆マート」
「いらっしゃいませ〜! あら、スライム連れのお客様、ポイント2倍ですよ〜♪」
にっこりした店員さんが対応。
そして、ルコたちはテンション上がって大はしゃぎ。
「ぷるっ!」(この棚!)
「ぷるぷる〜」(こっちの草が甘いよ!)
「ぷぅ〜……」(寝る場所どこ?)
※勝手にリラックスコーナーに入り込んだミルは、すでに爆睡。
◆新商品、その名も……
「お客様! 本日はですね〜、新しいスライムフードのご案内がありまして!」
「え、あ、はい」
「こちら! 今話題の最新商品、**“感情に合わせて味が変わるスライムフード”**です!」
「……は???」
思わず、全員(スライム含む)が固まる。
「名前は**“ムードぷるミックス”**! 怒ってる時は辛味、寂しい時は甘味、恋してるときは酸っぱい味が出るんですよ〜♡」
「味の方向性、バラバラすぎない!?」
しかし、チカチカが一歩前に出る。
「ぷるっ!」(やってみたい)
「えっ!?お前、怒ってんのか?恋してんのか?どっちなんだ!?っていうか辛いの食べたらスライム溶けるんじゃ……」
◆試食コーナー・地獄編
チカチカ:口に入れる(ぷる)→「ビリッ!!」→火花が走って棚を燃やす
ミル:寝ながら食べる→「ぷぅ〜(しょっぱい)」→夢でフラれたらしい
ルコ:ホシノを見つめながら食べる→「ぷる……(すっぱぁっ!?)」
「マジで恋してる時は酸っぱい味になるんだ……!」
ユウトは妙に感心した。
◆結局買ったもの
・いつもの「やさしい草ミックス(甘口)」
・ホシノ用に「宇宙味風ゼリー(無味)」
・謎の「ぷるぷる福袋」(中身不明)←ミルが勝手に購入
「……いやー、買い物ってこんなに疲れるっけ?」
帰り道、スライムたちは満足そうにぷるぷるしている。
ユウトは一人、肩に謎のスライム味ゼリーをかけられながら歩いていた。