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兄は聞き上手で秘密主義

兄との別れ、そしてパソコンとの出会い

3年間… …

僕はダンボールの中からパソコンをそっと取りだす。傍から見れば簡易的な行動に思えるが、僕はこの行動を起こすのに3年間も掛かってしまった。


――――――――――――――――――――――――


兄が亡くなり、2週間が経過した日の出来事。


人が亡くなってからやらなければいけない事は沢山ある。その1つが兄の遺品整理だ。

兄の部屋にある衣類や小物、まだ使用出来る物は全て僕が受け継いだ。あの病室で、兄が僕に託してくれたのだから。


僕はいらないダンボールに兄の財産をいっぱいになるまで、詰め込んで持ち帰り、部屋の片隅に兄の思い出が詰まっているダンボールを追いやった。


当時を振り返ると兄には悪い事をしたと思っている。許して欲しい。


物は単なる物なのだと割り切ることができなかった。僕には、その全てが尊敬していた兄を思い出させる、嫌な存在に思えていたからだ。


ダンボールが方隅へと追いやられたまま開けられる事はなく、3年もの月日が流れていった。


そんな、開かずの間だった。

ダンボールが開かれる事となるきっかけは些細な理由(もの)だった。


僕は誕生日を迎え、今年で21歳になった。


僕は兄の写真が置かれている、小さな仏壇に手を合わせて報告をする。兄さん、僕、21歳になったよ。


両親が離婚し、僕達兄弟が離れ離れになった時の兄の年齢も21歳だった。


当時の兄は、僕のことになると心配性になり、思春期真っ只中な僕にはそれがウザったく感じていた。


当時の兄と同じ年齢になったのだと思うと、なんとも言えない感情になっていた。


そんな兄との思い出を思い出すかの様に当時の事を振り返る。


両親が離婚をしてから僕達兄弟は、月に1回、第三日曜日に会うという、2人で決めたルールがある。


いつもの時間にいつもの集合場所で兄と合流し、こじんまりとした喫茶店へと入る。店員さんに案内され、座席へ座ると。僕はいつも頼んでいる、大好きなメロンソーダを注文する。

メニューを頼み終え、僕達は店員さんが厨房に行くのを見送る。


ここから、僕たち兄弟2人の会話が始まる。

話の内容は、大半がたわいもない話ばかりだった。

あとは兄に人生相談をするぐらいだ。


僕たち兄弟の会話を比率で表すと8対2、僕が8で兄が2だ。兄は口癖の様に、「俺は賢人の話が聞きたいんだ」とよく言ってくれていたけど、少し嘘も混じえていると思う。


昔から、兄は自分の話をあまりしてくれない、秘密にしたがる癖があった。


2人で会話している時も、僕は何度も挑戦をした。兄の私生活の話が聞きたくて、試行錯誤を色々したけれど、上手い具合に茶化されて、話を切り替えされたりと、一向に話してくれないので僕も心が折れて諦めた。


僕達兄弟が離れ離れになってから、僕も知らない兄柏木 海斗だけが知っている空白の3年間


この3年間で兄が何をしていたのか何を学んだのか3年前に尋ねても答えてくれなかった兄を思い出し、腹が立ちつつもどうにか知る術はないのだろうかと。


僕はふと思い出す。あったわ、そういえば。


兄の存在を閉ざすかのようにこれでもかとダンボールにガムテープが貼られ、部屋の片隅へと置かれていた、あのダンボールの存在を。


僕急いでダンボールを苦戦しながら開ける。

ダンボールを開けると中には衣類や小物 。少し、ホコリ被ったパソコンが入っていた。


パソコンを綺麗にするためにそっと取り出し、隅々まで掃除をしていく。


綺麗になったパソコンに満足しつつ、コンセントを刺し、つくかも分からないパソコンの電源ボタンを押すのだった。

ダンボール、ダンボール兎にも角にもダンボール多めです。作者の頭は少しパーなので今どちゃくそ大変です。シリアス展開には難しい表現や言葉があると心に伝わる物はかなり違うと思います。2話は僕なりの力作で頑張ったのですが、今回の話も言葉の表し方に苦戦しました。

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