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第5話 きみに、カードゲームをやっていてほしかったんだ


 大会が終わり、熱戦の余韻だけを残して人がはけ始めたデュエルスペースには、窓から西日が差し始めていた。


「なあ、きみ」チダは優勝賞品のパックの束を机の上にどさりとおいて見せた。「みていただろう? これでもまだ、おれのことを疑うか?」

「とんでもない、きみの実力は本物だ。……無礼なことを言って悪かったよ。本当は、きみの実力を疑ったことはなかったんだ。ただ……」

 わたしは白状した。

「きみに、カードゲームをやっていてほしかったんだ」

「へんなやつ」

 チダは愉快そうにいった。

「いや、きょうは楽しかったよ。本当に、楽しかった。安い挑発だったけど、誘ってもらってよかった。最近は気が滅入ることばっかりだったからな。カードゲームっていうのは、楽しいもんだな……しかし、このパックは困ったよ」

 チダの手はポンと軽くパックの束をたたく。

「賞品としてもらったはいいものの、おれはもう引退した身だ。いまさらカードをもらったところでな」

「……そっか」

「だからさ、半分、買いとってくれよ」

「半分?」

 わたしはおもわず彼の顔をみた。

 チダは悪戯っぽく笑った。

「おれときみでいまから一戦、やろうぜ。まだやりたりないし、それにこの環境について検討したいこともある。きみくらいの実力の相手なら、やりごたえもあるだろうしな。……それとも、当時のきみの実力は、まさか偽物だったんじゃあるまいな」

「おいおい!」

 わたしは胸のあたりが締め付けられた。うれしくて震えそうになった。けれどそれを気取られないようにと、憎まれ口をたたく。

「……言っておくけど、きみが引退している間も、こっちはカードゲームを継続していたんだからな。案外、きみより強くなっているかも」

「そうかい」

「そうだよ」

 わたしたちは、卓の対面に着いた。

 そして、最初のパックを開封する。──パックにはカードがランダム封入されており、開けてみるまで中身は分からない。そしてわたしたちは、その中からデッキを組み、対戦をする。


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