英雄の血 2
街に着いてからの記憶は曖昧だ。
横になり目を閉じたら意識は深い闇の中へ沈んでいった。
(ちゅんちゅん)
起きたら見知らぬ天井だった。
「やっと起きたからエン。とりあえず飯食おうぜ」
いつもと変わらないリックが着替えを済まし部屋で瞑想していた。
「んー、ああ悪い。リック昨日のこ……」
「エンっ!!!!
とりあえず飯行こう。」
その後2人は何も話さず部屋を出ていった。
「ふわぁ、食った食った!美味かったなぁ!」
「リックは食べすぎだ。」
少し元気の出たエンの声を聞いたリックは満足気に頷きすぐに真剣な表情になった。
「さて、どっから話すか。」
「やっぱ夢じゃねえんだな。親父は…」
数十分の間そのまま重たい空気が流れていく
「とりあえずさエン。旅に出ねえか!
考えてもわからない事だらけだし情報収集もしなきゃいけない。師範がどうなったかも調べねえと。」
「そうだな!昔から旅に出たいって話してたけどまさかこんな感じで旅に出ることになるなんてな」
いつの間にか重い空気は消え、2人の目にも強い意志が見えるようになった。
「じゃあ1週間後にこの町を出よう、とりあえず向かうのは王都か?」
「そうだな、親父から預かった剣も手紙も気になるしな。りょーかい、王都への道のり調べとくわ!」
2人の突然始まった旅路。
のちに語り継がれる伝説になる。