あらすじ 2
〜魔族領の城にて〜
褐色美女のエンヴィーは、玉座に座る男に頭を下げた。黒い角を2本生やし肌は黒く目は真っ赤に染まっている彼は7人の魔人の中で序列1位のプライドだ。
だが、今は右腕を失い片目も失っている。
「頭をあげよ」
ブライドの低い声が部屋に響き渡りエンヴィーは頭を上げ話しだした。
「報告するわ。戦争は終わった。それと人類側の英雄たちは皆死んだわよ。ここにある「武器」も回収済み、これどうするの?」
「人間如きに痛手を受けすぎたな。だかこれで奴らは何もできん。1000年もあれば俺の傷もお前らの傷も癒されよう。「あれ」の制約もちょうど1000年だしな。その「武器」はこちらによこせ」
エンヴィーは何を言うもなく「武器」をプライドに渡した。
プライドは「武器」にめがけ大太刀を振り下ろした。すさまじい爆音と土煙が部屋を満たした。
「ふん。やはり壊れぬか。これを打った人間はこの目で見たかったものだな。」
「どうするの?あなたで壊せないなら魔族にこれを壊せる者はいないわよ?」
「何年待とうと風化することもないだろうな。とりあえず俺が預かろう。他の5人にも後で顔を出すよう伝えておけ」
「わかったわよ。伝えるだけ伝えておくわ。来る来ないはあの子たち次第だからね」
そう言い、立ち去るエンヴィーの後ろ姿は浮いていた。両足が無かったのだ。
「どうしたものか。とりあえず「武器」自体に封印を施し人間の手の届かぬところに置いてくるか。」
そう言い、いつの間にか背から翼を生やしどこかへ飛んでいった。