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お茶会ですわ

軽い読み物としてお読みください。

 初めまして、皆さま、オディールと申しますわ。

 この度、乙女ゲーム『白鳥たちのレクイエム』の世界に転生致しましたわ。恋愛シミュレーションゲームなのに鎮魂歌(レクイエム)とは突っ込んではいけませんわ。白鳥の湖をイメージして作ろうとして頓挫して、品名(タイトル)に白鳥だけは入れたいと頑張られた結果なのですから。

 白鳥の湖が元なのですから、主人公のお名前はもちろんオデット。そうなると、メインの攻略対象者は誰だか聡い皆さまは、もうお分かりですわね。

 そう、その通りですわ。この国の王子、ジークフリードですわ。

 わたくしが誰だかもお分かりですわね。舞踏会でオデットに化け、見事ジークフリード王子を騙した、そう、魔王の娘オディールです。このゲームでは、ジークフリード王子の婚約者、悪役令嬢としてオデットの前に立ち塞がりますわ。

 ええ、立ち塞がりますわ。推しの幸せのためならオデット(ヒロイン)なんて蹴散らして差し上げますわ。

 とはいえ、わたくし、まだ十歳ですわ。ゲームは十八歳になる年、学園の最終学年の始業式がスタートですわ。この八年間を有効に使い、一番の推しであるジークフリード王子の恋を成就させるつもりなのですわ。

 そして、今日は婚約者候補として、ジークフリード王子と初めてお会いする日ですわ。

 わたくし、ピンクブロンドの髪に翡翠の瞳、白い肌に小さな鼻と赤い唇。目が少し吊り上がっておりますので、今は子猫のような美少女ですわ。これがゲームが始まる頃には、豹を連想させる美女になりますわ。ゲームが始まりましたら、猫科が獲物を甚振るようにオデットをいたぶってみせましよう。推しの恋のために。

 あら、黒鳥なのに黒髪・黒目でないのか? ですか。ゲーム制作会社に聞いてくださいませ。わたくしが決めたわけではありませんから。

 ああ、わたくしの一番の推しがみえましたわ。

 ジークフリード王子ですわ。レモンイエローの髪に琥珀の瞳。メイン攻略対象者だけにすごく格好良いのですわ。目が少し垂れ目ですので優しい穏和な王子様に見えますが、中々厳しく怖い方ですのよ。ゲーム終盤の断罪では本当に容赦有りませんでしたからね。

 ジークフリード王子の後ろを歩いているのが、二番目の推しロットバルトですわ。ジークフリード王子の幼馴染みで筆頭近衛騎士になる方ですわ。

 まあ、わたくしの父ではないのか? 確かに白鳥の湖では、黒鳥オディールの父、魔王の名前がロットバルトですわね。このゲームでは、オデットの攻略対象者の一人でありますわ。

 魔王をイメージさせる黒髪、黒い瞳、王子が陽ならロットバルトは陰になるよう攻略対象者として格好良いのですがどこか影がある感じになっておりますわ。

 ああ、推しが二人、わたくしの方に歩いてみえる。が・ん・ぷ・く、ですわ。このためにわたくしはここにいるようなものですわ。

 もう愛を語られたのかしら。いえ、まだですわよね? 王子がわたくし、オディールと婚約してから、お互いなんとなく気になる存在になりゆっくり愛を育まれるはずですから。

 絶対に婚約者の座をゲットしてみせますわ。と意気込まなくても出来高レースでほぼ九割、わたくしに決まっているようなものですわ。まあ、後の一割、わたくしのように転生者がいらして引っくり返る場合もなきにしもあらず、ですわ。

 あっ! 王子が躓かれましたわ。すかさずロットバルトが手を差し出して・・・。

 スマホ、デジカメ、フイルムカメラ、なんでもよろしいわよ。写真に残せる物を早く誰か!

 目の前で推したちがイチャついているのにそれを記念に残せないなんて・・・。とても悲しいことだと気がつきましたわ。

 攻略対象者その三のベンノが現れましたわ。空色の髪に栗色の瞳、さすが攻略対象者、容姿は整っていらっしゃるのですけど、あんまり・・・なのですわ。やっぱり王子にはロットバルトでなければ。

 ベンノ、離れなさい。王子の斜め左後ろはロットバルトの特等席ですわ。王子は右利きだから、ロットバルトは左後ろに立つのですわ。王子の左側を守るために。

 愛を感じますわ。深い、海よりも深い愛を。

「待たせたかな」

 王子が張り付けた仮面のような笑みで挨拶をしてくださったわ。

 ええ、分かっております。心からの笑みを見られるのは一人だけなのは。

「オディール・ロマンティスと申します」

 わたくしがあなた方の愛をおまもりいたしましょう。

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