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ありきたりな異世界召喚  作者: ふぁんとむ
王国編
3/30

第2話 交渉の末、勝ち取った能力

ルビの振り方がうまく出来ません!

あと、情景描写がうまく出来ず、ごめんなさい。

ブックマーク登録ありがとうございます!

これからも精進して参りますので、応援の程、よろしくお願いします!

 勢いよく扉を開いたのは、黒髪ポニーテールで背がスラッとしている女性だった。

 あれはまさか……メ、メイド服!?


「◾️◾️◾️!! ◾️◾️◾️◾️!?」


 …ん? なに、あの言葉。まったく分からないんだけど。

 というか、さっきメイドさんに睨まれた時に、すごく気分が悪くなったんだけど、あれは一体なんだったのだろう…。


「◾️◾️◾️◾️◾️。◾️◾️◾️?」


 ちょっとちょっと、一之瀬さん、なんであなたも使えるの? あれなの? もしかして、この世界の言語なんだけど、僕だけ自動翻訳的役割を果たす能力を持たされてないの? それとも一之瀬さんだけ持ってるの?

 周りを見ても、話を理解していなさそうなのは、僕を除いて、いない。


「◾️◾️◾️◾️? ◾️◾️◾️!」


 いやー、鮫ちゃんも異世界の言語操っちゃってさー。本当に理解してなさそうなの、僕だけだな…。

 ったく、あの女神め…。『欲しいものを1つ』って言語補助も含めての話だったのかよ…。騙されたなぁ…。


「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️」


 ああ…。僕だけが理解できていないまま、話が進んでいる気がする…。

 仕方ない……。えーと、イメージとしては、「言語を理解出来るようにする」でいいかな?


《確認しました。エクストラスキル『言語理解』を創造しました》


 よし、OKだ。

 僕が女神との交渉の末に勝ち取った能力は……そう、『創造』する能力(チカラ)だ。

 あの時の女神の言い分では、ユニークスキル『創造者』にはスキルを創造したりは出来ず、精々物質の創造が素早く出来るくらいと言っていたが…。女神の知識量も当てにならないと言ったところか。


「―――ですから、そのことに関しては陛下が直々に説明なさるので、もう少々お待ちください」


 おお、日本語として聞こえる! 元の世界でこんな能力を手に入れたら、英語のテストは満点取り放題じゃないか!

 っとまあ、この能力の有用性は置いといて…。今、❝陛下❞って聞こえた気がするんだよね。多分国王のことかな? また面倒くさそうだなあ…。異世界もののテンプレといえばテンプレだけど…。


「それは分かったから早く国王様とやらのところに連れてってって言ってるでしょ!!」


 おお、一之瀬さん怖え…。

 いや、おそらくとても真剣なんだ。僕も真面目な顔しなきゃ。


「申し訳ございませんが、少々お待ちを…。あら? はい、ええ…。分かりました」


 さっきと同じように言葉を出そうとしていたメイドさんに、他のメイドさんが声をかけている。そこで何言か耳に聞き入れたらしく、言葉を改める。


「皆さま、長い眠りの為、お腹が空いていることでしょう。粗末な品ですが、用意致しましたので、如何でしょうか?」


 メイドさんに言われて気づいた。「腹が減っている」と。


「確かにお腹は空いてはいるが、見ず知らずの人が出す料理に騙されホイホイ付いてく馬鹿が一体どこにいるというのだ?」


 ドキッ! 鮫ちゃん、それ言っちゃう!? 僕もう意識し始めちゃったから、お腹空きすぎてそろそろヤバいよ…。


   グウウゥゥゥウゥウゥゥッッ!


「「「「………」」」」


 いきなり、凄い音がして、みんなの視線が音の鳴る方へ集中する。…即ち、僕へと。

 やってしまったなぁ。しかし、やってしまったものは仕方がないので、もう正直に言うことにしよう。


「ごめん…。僕まじでお腹すいたから何か食べたいんだけど…」

「「「「………」」」」

「では、食堂へと案内致します」


 あれ、みんな黙ったままだ。またやってしまったのだろうか?

 なんて思っていると、


「はぁ…。馬鹿が1人いるの忘れてた…」

「五十嵐くんらしいというか何というか……」

「あの緊迫した状況を1発でぶち壊しちゃうんだもんなぁ…。流石だわ」


 あれ? みんな、なんか僕に言いたい放題言ってない? まあいいけど…。


「あ、あの…。私も、お腹すいたから、ご飯食べたいなぁ、なんて…」


 お、控えめながらも僕の意見に賛同する人が出てきてくれた。橘さんである。今日もいつもと変わらず、可愛いなぁ。


「へぇ…。はるかが行くなら、私も行こうかな〜」


 あ! 一之瀬さんが僕の案に乗ったぞ! これでこの意見はほぼ通ったようなものだろう。やっぱり、僕って天才!


《確認しました。ユニークスキル『企画者』を創造しました》


 んん?? ちょーっと待てーい!!

 どういうことだ? 今僕は“創造”しようなんて微塵も考えていないぞ? だというのにどうして、スキルの創造は行われたんだ?

 ………。

 ハッ、まさか!

 ある一定の基準を満たしたものであれば、僕の意思とは関係なくても、創造されるのかな? それって、ひょっとしたら、滅茶苦茶便利な能力なんじゃないかな?

 そうだな…。とりあえず、この世界の知識を身に付けたいから、スキル創っちゃおう!

 えーと……。知恵…じゃなくて、知識…をもっとかっこよく言って、え…え…『叡智(えいち)』だ!


《確認しました。ユニークスキル『叡智』を創造しました》


 よーし、これで博識になってみんなを驚かせてやろう。


「………くん? …らしくん? 五十嵐くんってば!」


 おや? 誰かに呼ばれているようだ。1度目で気付けなかったなんて、どうやら僕はスキルを創ることに夢中になり過ぎていたようだ。反省反省っと。

 さて、誰に呼ばれたのかな…って、ええ!?


「た…橘さん? ど、どうしたんですか?」


 相原さんのときにも言ったが、疑問形になっているのは緊張して声が裏返ってしまったのではない、決して。じゃあ何が理由なんだとなるが……そこら辺は、察して頂きたい。

 今は橘さんとの会話が最優先事項なので、思考に没頭しないようにしないと。


「どうしたも何も…。五十嵐くんこそ、どうしたの? みんな、先に行っちゃったけど…」


 ほんとだ。誰もいないや。

 ん? ってことは、橘さん1人で待っててくれたってことになるよね?

 橘さん天使かよー。惚れちゃうわー。


「すみません…。どうやら物思いに耽ってしまっていたようです。もっと周りを見るようにします」

「そう? 気をつけた方が良いよ?」

「ご忠告ありがとうございます」

「そんな堅苦しくなくても…」


 ご忠告、身に染みております。

 自然にしているつもりが、この人の前だと、堅苦しいものとなってしまうのだ。未だに、その原因はよく分かっていない。


「それじゃあ行こっか…。……長く待たせてすみません。案内をお願いします」


 何故か少し名残惜しそうにして、橘さんがメイドさんに案内を頼んでいる。

 ……メイドさん、いたのかよ…。下手なこと言わないでよかった。

 そうして僕たち2人はメイドさんに案内されて食堂へと向かう。



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