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僕は見知らぬオバちゃんと一緒に暮らす。

作者: 七瀬





僕の名前は、『砂若 タクミ』20歳、僕は田舎の山奥から都会に

引っ越して来たのだけど、、、?


毎日、バイトを2つも3つも掛け持ちしながら、やっとの生活...。

おんぼろアパートにはただただ、寝に帰っているだけだ、、、!



僕は、親父と二人暮らしで男でひとつで僕を育ててくれたんだ、、、!

僕の母さんは、僕が産まれて直ぐに病気で亡くなったらしい...。


だから、、、僕は写真でしか、、、?

母さんの顔を見る事が出来ないんだ、、、!






でも、僕は母さんが居なくて寂しいと思った事は、、、1度もないよ。

親父が母さんの分も、僕に愛情を注いでくれたからかな、、、!


きっと、親父にも再婚相手になる女性がいたのかもしれないけど、、、?

親父は、自分の事より僕の事を一番に考えてくれていたんだと思う...。




・・・そう言えば、、、?

僕が小学3年生か? 4年生ぐらいの時、、、?

親父に聞かれた事があったから、、、!


『なあ、タクミ! お前、お母さんがほしいか、、、?』

『えぇ!? どうして、そんな事聞くの、、、?』

『・・・い.いや? やっぱりまだ、お前も子供だし! お母さんになる

ひとがいる方がいいのかなと思ってな!』

『僕の母さんは、死んだ母さんだけだよ! それ以外のひとは、どんな事が

あっても! “母さん”にはなれないんだ、、、!』

『・・・うーん? そうか! 分かった!』

『・・・・・・』



今、考えると、、、?

あれって? 新しいお母さんを僕にいるか? いらないから? 聞いてくれた

んだと、、、後で分かったんだ、、、!

 



僕にバレないように、親父と見知らぬ女性が一緒にいるところを何回か、、、?

見た事も、今更だけど、、、? 思い出して、、、そう思ったんだよ!



僕は、家を出る1か月前に親父にこう言ったら、、、? 凄く喜んでいたのを

今でも覚えているよ!


『なあ、親父!』

『うん?』

『【再婚】したいなら、していいよ!』

『えぇ!?』

『知ってるよ! 隠れて、親父と女の人が会ってるの!』

『・・・あぁ、知ってたのか!』

『あぁ! 本当は、もっと前からその人と再婚したかったんでしょ?』

『・・・まあな、』

『じゃ、したら? 再婚! 僕はいいと思うよ!』

『タクミ、ありがとう。』

『亡くなった、母さんも喜んでるよ!』

『そう、思っててくれてたらいいんだがな~?』

『母さん、思ってるよ! おめでとう!』

『あぁ、ありがとう!』





僕は、親父とその再婚相手がふたりで幸せそうにしているのが分かると

この家を出たんだ、、、!


『長い間、お世話になりました! これからは、一人で頑張っるから!

親父も元気で幸せでいてくれよ!』

『あぁ、お前もな!』

『うん!』

『それと、お母さん! 親父の事、頼みます!!!』

『・・・えぇ!? ・・・私をお母さんと呼んでくれるの、、、?』

『もちろんだよ! お母さん!』

『何かあったら? 何時でもココに戻って来て、いいんだからね!』

『分かってる! じゃ~行ってくるね!』

『うん。』



こうして! 僕も、都会で独り暮らしをはじめたのだけど、、、?

ただただ、毎日が仕事に追われて、幸せどころか、、、?

辛い思いしか! しなかったんだ、、、!



【せめて! おふくろの作る料理を食べたい! 味噌汁を作ってほしい!】

母親の愛情が急に、、、恋しくなってしまったんだ、、、!



一度も、感じることが出来なかった母親の温もりを、、、。

1度でいいから、感じてみたいと...。

強く思うようになってしまった...。



そんなある時、雨がよく降る日だった、、、。

高架下で、1人のオバちゃんが、雨に濡れないようにうずくまっていたんだ、、、!

・・・僕は、咄嗟にそのオバちゃんに話しかけたんだよ!


『そんなところで、、、? 雨に濡れない?』

『・・・まあね、でも、仕方がない! 私には家がないから、、、!』

『・・・・・・』

『もう行きな! アンタも風邪引いちゃうよ!』

『・・・僕の家に来ないか! おんぼろアパートの狭い部屋だけど、、、?

でも、ココよりはいいよ!』

『えぇ!?』

『ただ、一つだけ条件があるんだ!』

『・・・なに?』

『嘘でいい! 嘘でいいから! 僕の母さんになってほしんだ、、、!』

『・・・私が、アンタのお母さんに、、、?』

『僕は、産まれた時から母さんがいなかったから! 母親って? どういう

ものなのか? 分からないんだよ!』

『そう! それならいいわよ~! タダで面倒見てもらうのも気が引けるしね!』

『ホント、、、!?』

『えぇ!』



僕はこうして、見知らぬオバちゃんと一緒に生活する事にしたんだ、、、!


『ねえ、母ちゃん! 今日の晩ご飯はなに、、、?』

『タクミの好きな、ハンバーグとお味噌汁よ~!』

『じゃ~仕事が終わったら? 連絡するね!』

『えぇ! 気を付けていってらっしゃーい!』

『うん!』

『ちょっと待って! タクミ、お弁当忘れてるわよ!』

『あぁ! しまった、ホントだ! じゃ~今度こそ! 行ってきまーす!』

『いってらっしゃい~!』




僕は、今が幸せだよ!

見知らぬ土地で、独り暮らしをはじめてから、ずっと一人だったから、、、!

今は、僕には大切な母ちゃんがいるし、、、!



たくさん、母ちゃんから母親の愛情をもらっているよ。


・・・でも、母ちゃんがどうして、、、?

あの時、高架下に1人で、雨に濡れないようにうずくまっていたのか、、、?


何にも、僕は母ちゃんから聞いてないのだけど、、、?

いつか? 母ちゃんがあのおんぼろアパートから出て行ってしまうかもしれない!

それでも、ずっとじゃなくてもいい!


今の幸せを噛みしめていたいんだ、、、!

ただ、それだけなんだよ。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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