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ガチャ転生!~異世界でFラン冒険者ですが、ガチャを引いてチートになります  作者: 武蔵野純平
ルドルのダンジョン編 |1章 

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第36話 ルドルのダンジョン4階層を探索開始

ブックマークありがとうございます☆彡

評価ポイントも感謝です!

(人''▽`)ありがとう☆


 冒険者ギルドでひと暴れした俺は、セレーネ、サクラと待ち合わせをしているダンジョンの入り口へ向かった。


 ダンジョンへ続く道は、今日も賑やかだ。

 食べ物を売る屋台、ダンジョンの地図やポーションを売る屋台などが出て、大きな声で呼び込みをしている。


 ちょうど10の鐘が鳴っている。

 午前10時だ。

 夏の日差しが熱い。


 子供の頃、夏休みに近所のプールへ行ったなあ。

 フランクフルトやアメリカンドッグの匂い。

 かき氷やジュースを売る屋台。


「ヒロト! 何、泣いてるの!?」


 セレーネだ。

 びっくりした声を出している。


「え? 俺、泣いてる?」


「泣いてるよ! どうしたの!? ギルドで何かあったの?」


「そっか、泣いてたのか。ごめん、ちょっとホッとして気が緩んだのかも……」


 セレーネとサクラに、冒険者ギルドで起こった事を説明した。

 セレーネは驚いた顔で、サクラは落ち着いた顔で話を聞いている。


 ディック、トビー、ジョージの3人組に絡まれた事。

 訓練場で、ディックの腕を斬り飛ばした事。

 トビーとジョージを、ボコボコにした事。


 セレーネが、不思議そうに聞いて来た。


「それで、ヒロトはどうして泣いてたの?」


「うーん。どうしてだろう? なんか……、こう……、複雑な気持ちでさ」


「複雑? 3人組をやっつけて、スッキリしたんじゃないの?」


「そういう気持ちもあるよ。けどさ。あそこまでやらないと、俺の事を認めて貰えないのかと思うとさ。なんか……、ちょっと悲しい気持ちもあって……」


 セレーネが、そっと俺を抱きしめて、頭を撫でてくれた。

 この世界の人は日本人よりもスキンシップが多めだ。

 それがわかっていてもドキッとする。


「今日はお休みにする?」


「いや。サクラのギルドカードを、アイアンにしてしまいたいから。今日は、4階層へ潜ろう」


「ホントに大丈夫?」


「大丈夫だよ。魔物10匹、サクラに倒してもらってEランク、アイアンカードになってもらおう」


 サクラをパーティーに追加して、俺達3人は、ルドルのダンジョンに入った。

 下の階層へ行くだけならヒロトルートよりも、通常ルートの方が早い。

 ダンジョン中央の通常ルートから、4階層を目指す。


挿絵(By みてみん)

 

 10時を回っているので、1階層の通路は、ほどほどの混み具合だ。

 朝のラッシュアワー後の新宿駅って感じだ。

 他の冒険者パーティーと同じくらいの速度で、人の流れにのって通路を進む。


 セレーネとサクラは、俺を待つ間に仲良くなったようだ。

 2人でおしゃべりをしている。


 1階層から、2階層へ。

 そして、2階層から3階層へと順調に降りていく。

 人が多いので、魔物にも遭遇していない。


 セレーネとサクラは、ずっとおしゃべりをしている。

 2人とも楽しそうだ。


 考えてみれば、セレーネは山の中で父親と狩りをして暮らしていた訳だから、同年代の女の子の友達は、サクラが初めてなのかもしれない。


 俺と話している時よりも、セレーネは楽しそうだ。

 サクラをパーティーに入れて良かったな。


 そして、3階層から4階層へ。

 4階層は、お初の階層だ。


 セレーネとサクラに声をかける。


「よーし、4階層へ着いたよ。探索するから装備点検してね」


 セレーネは、肩にかけていた弓を左手に持ち、矢筒の位置を確認している。

 腰ベルトには、小さな斧が装備されている。


 セレーネのジョブ『狩人』のスキル【片手斧】用だ。

 彼女は、見た目キレイ系なんだけど、どんどん血生臭い方向性に進んでいる。


 サクラは、薄手の黒い革のグローブをつけて、両手を叩き合わせたり、屈伸運動をしている。

 俺は革の水筒から水を飲みながら、2人に注意を呼び掛ける。


「4階層はダンジョンボアだ。大きなイノシシなんで、突進攻撃と牙に注意ね」


「わかった~」

「了解です!」


 4階層は初めてなので、慎重に探索をする。

 階段を下りた所を左方向へ、ゆっくり進む。


 俺、サクラ、セレーネの順で、1列の隊列だ。

 セレーネが、いつも通りののんびりとした声で、後ろから聞いて来た。


「ねえ、ヒロト~。仕事の依頼は何だったの~。ジュリさんから聞いた?」


 俺は、スキル【マッピング】で、通った通路を頭の中に描きながら、セレーネに答える。


「ああ、聞いたよ。難しい仕事じゃないよ。ダンジョンの中で行方不明になった冒険者のカードと遺品の回収だよ」


「そんな仕事依頼があるんだ~」


「うん。ダンジョン内で亡くなると、遺体はダンジョンに吸い込まれるでしょ? でも、装備品はダンジョンにとっては異物だから、吐き出されるんだって」


「吐き出されるって……、通路に落ちてるの?」


「いや、宝箱に入ってるらしい」


「じゃあ、ダンジョン探索のついでにやれば良いんだ?」


「そうそう。俺のスキル【宝箱探知】があるから、見つけたらで良いから、カードと遺品を持って来てくれって。持ち帰ったら依頼達成だってさ」


「ならいいね~。報酬は?」


「まあ、安目だね。1件、数万ゴルド。けど、行方不明の家族からの依頼だから、やってあげないとね」


「そうだね~」


 そう、この依頼は報酬は安いけれど、ダンジョン探索のついでに出来るから悪くない。

 依頼は、複数出ていたので、遺品を見つければ、見つけただけ実績と報酬になる。


 行方不明者は、通常ルートから外れた所で息絶えているはずだ。

 なので、遺品もその辺りに宝箱として出ていると、俺は読んでいる。


 4階層に入って、15分位たった。

 俺のスキル【宝箱探知】に、何か引っかかった。

 何か気配と言うか、匂いと言うか、何かを感じる。

 魔物ではない、と思う。


「この先に……、何かあるな……。宝箱だと思うけど……、警戒しておいて」


 セレーネとサクラが、小さな声で返事をした。

 セレーネは、狩りモードにスイッチが入ったようだ。

 返事の声が、少し低くて強い調子だった。


 俺は歩く速度を落として、慎重に通路を進む。

 右に曲がる。たぶん、真っ直ぐだ。

 この先の方に、気配がある。


 ダンジョンの通路は、天井が光っていて明るい。

 だが、こういう時は、明るくても不気味に感じる。


 この先の通路の曲がり角の左側に、気配を強く感じる。

 俺は通路の手前で立ち止まり、後ろを振り返る。

 セレーネとサクラに、ハンドサインを出す。


 『左方向!』


 サクラが、【意識潜入】で話しかけて来た。


(ヒロトさん、左に何かありますか?)


(たぶん、宝箱だけど、念の為警戒して)


(了解!)


 セレーネが、いつでも矢を放てるように、背中の矢筒から、矢を抜いた。

 俺の目を見て、頷いた。

 俺もコルセアの剣を抜いて、何が起こっても対応できる様にする。


 ゆっくり進みだす。

 通路の角を左に曲がる。


 そこは行き止まりになる通路があった。

 2メートルくらい先が壁だ。

 魔物もいないし、宝箱もない。

 セレーネが、小声でつぶやいた。


「行き止まり……」


 だが、俺のスキル【隠し部屋探知】は、この行き止まりの先に、部屋がある事を感じ取っていた。


「いや……、この先だよ」


 俺は剣を鞘に収めて、両手で壁を触る。

 ゆっくりと、右から左、上から下へ。


「あった! ここが押せる様になっている!」


 壁の右端に、15センチ四方の切り込みがある。

 ここが押しボタンの様になっている。


 ゆっくりと押すと、壁が動き出した。

 壁が回転する様になっている。

 半回転の状態で、3人で隠し部屋の中を覗いた。


「うーん……」

「ああ~」

「いますね」


 隠し部屋は、学校の体育館位の広さのかなり大きい部屋だった。

 隠し部屋の中も通路と同じく天井が光っている。


 部屋の奥の方に、木製の宝箱がある。

 衣装ケース位の大き目のタイプだ。


 その周りにダンジョンボアが寝そべっている。

 かなりの数、20匹くらいいる。


 ンゴ!

 ンゴ!


 と鼻息が荒い。


 20匹同時に来られると、さすがにマズイ。

 俺はスキル【神速】でかわせるし、サクラも宙に浮けば問題はない。

 だが、セレーネは、ダンジョンボアの攻撃をかわせない。


 俺が【神速】で奥の方へ突っ込んで囮になって、ダンジョンボアをかわして……。

 頭の中でシュミレートしたが、20匹全部の注意を俺に引き付けるのは厳しい。

 俺は2人に小声で聞いた。


「出直すか?」


 サクラが、ニンマリと笑って、自信満々で答えた。


「何言ってるんですか! こういう時こそ、わたしの魔法の出番ですよ! 【スリープ】で、全部眠らせますよ!」


「大丈夫か? 数が多いぞ?」


「余裕! 余裕!」


 サクラは、隠し部屋の中に入った。

 俺とセレーネもサクラの後について隠し部屋に入った。


 ダンジョンボアが、こちらに意識を向けて来た。

 立ち上がって、威嚇の声を上げだした。


 立ち上がると結構デカイ。

 大型犬、セントバーナードとかよりも大きい。


 サクラは、ダンジョンボアの集団に臆する事なく、得意顔だ。

 右手をダンジョンボアに向けて、真っ直ぐ伸ばした。


「さあ、行きますよ! 【スリープ】!」


 サクラが魔法を発動すると同時に、俺の膝がカクンと落ちた。



 まぶたが重たい……。



 眠い……。



 サクラの奴、魔法の範囲指定を間違えやがった!

 俺を眠らせてどうするんだよよ!

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